アフリカ・ユーラシア見聞録

むかしむかしあるアフリカで・・・

水の無い湖の街(アワサ:エチオピア)

2005-02-26 23:45:09 | 1st 北・東アフリカ
エチオピア





2005.02.25(金)


 この日は特にやる事は無かったがアディスにもう一泊することにする。

 ぶらぶらと歩いているとバハルダールで私のガイドをしたトーマスとばったり出会う。彼の誘いで喫茶店に入りしばし談笑をする。彼はアディスでパスポートの処置やビザの取得をしてから南アへ向かうと言っていた。しばらく話して店から出ようとすると彼が「今日は俺が奢ってあげると!」と優しく言ってくる。バハルダールでは世話になったとこもあり、彼のこの言葉は嬉しかったので『いいよ、こっちに奢らせてもらうよ』と答え、支払って彼と別れる。こんな偶然があるのも旅行の楽しみの一つだ。

 バスターミナルへ行って次の目的地へのバスの時刻を確認したり、最後になるアディスの街をぼんやりと散策しながら日中を過ごす。

アディスのバスターミナル


 夜は森田氏とゴッドと夕食に。森田氏は明後日ナイロビに向けて出発するので一緒にどうかと誘われたが、私はこの時すでにアディスで長く過ごしすぎていたということも感じており、また経由地の予定が彼とは違っていたこともありナイロビでの再会を約束しつつ別に行動することにした。


2005.02.26(土)


 今日の出発もひたすら早い、朝0500時に空くバスターミナルへ向かうので0400時に起きてそこからタクシーを捕まえてバス停へと向かう。
 次に予定しているアワサまでは約5時間で1日1便のみ、それでも出発は朝の0600時だ。
 何度も利用している「魚河岸バス」だが流石にそろそろいい加減にして欲しいと思いっていた。

アディスからアワサへの道中。しかしそれにしてもエチオピアの景色は荒涼としている。


 アワサへは1100時頃に到着。

 アワサへ立ち寄ったのはここがエチオピアでも有数の湖畔の観光地として有名であり、またガイドブックには安くていい宿も紹介されていたので国境に向かうまでに一休み(アディスからケニア国境のモヤレまで急いでも2日間かかるのでどのみち一泊どこかでしなければならない)するは良いと思ったし、それにその他の経由地候補であるシャシャマネ等の町の人の評判が悪かったと言うのもここを経由地に決めた理由の一つでもある。

 私はガイドブックに乗っていたバスターミナル付近の安くて良い宿を取ってアワサ湖の観光へと向かう。

アワサ湖
 

アワサ湖付近の道



 ここはのんびりとした田舎町だ。流れている空気全体がゆるく感じてきている。時には時間の流れをゆったりと体で感じるのも良い経験だろう。
 私は特に何をやるというのでもなく、湖をボーっと眺めてからホテルへ戻る。

 後はのんびりとシャワーでも浴びてくつろぐろげれば最高だ。

 だが、シャワーを浴びようと蛇口を幾らひねっても水一滴たりとも出てこない!

 『・・・うーん・・・???』

 不信に思ってホテルのスタッフに尋ねると「アワサは水不足で計画断水されている」というのが、その回答だった。

 ホテルは素晴らしく綺麗で、設備もバッチリと整っている。ゆったりとくつろぐ条件は完璧に備わっていたといっても良いだろう。

 それにさっきまで私はが見ていたのは満面に水を湛えているアワサ湖だった筈だ。湖にある水の量を考えると『水不足で断水』等という事態にあうなんて想像の範囲外だ。恐らく何か事情がある(電力供給が上手くいかずに地区全体への給水システムが稼動していない等)のに違いは無いだろうがあれだけ大量の水を眺めた後では何か納得がいかない。


 だが・・・

 これでよやうやくくつろげると思った瞬間にまさかこんなオチが用意されていようとは・・・!

 湖の町アワサ、満面に水を湛える湖を持ちながらまさかの水不足を経験しようとは・・・


 エチオピア、この国の奥は深いと言わざるを得ないだろう・・・