この写真は幾度となく通った集通鉄路公司で印象深い写真の１枚です。 ０２，１０，２０ 集通鉄路公司熱水 Ｃａｎｏｎ ＥＯＳ－１ｖ ＲＤＰ－Ⅲ（＋１）
今は反日感情の高まりで近くて遠い国となった中国ですが、１０年前は現役の煙を求めて足しげく（年に２～２回程度）通っていました。その中でも一番訪れたのが集通鉄路公司です。素晴らしい煙を求めているので厳冬期は何度も通ったものの他の季節はほとんど訪れていません。その中で”集通の紅葉は綺麗だけど、あっという間に葉が落ちてしまう！”との情報を得て１０月に集通鉄路へ撮影の計画を立てました。
中国では今でもターミナル駅以外はＰＲＣ等の機械化はされておらず、人の手で列車の進路が構成されます。そのため暑い日も寒い日も、更に雨の日も雪の日もこの様に安全が確認されています。人が安全を守る。まさに安全綱領の「安全は輸送業務の最大の使命である」と言う言葉を謳いたくなる光景でした。これを思うと深夜の試引きを億劫に思うのは贅沢だといつも思います。 ０２，１０，２０ 林西 Ｃａｎｏｎ ＥＯＳ－１ｖ ＲＤＰ－Ⅲ（＋１）
周囲の仲間に撮影旅行を募るとみなさん紅葉の集通鉄路を撮りたかったようであっという間に数名が名乗りをあげてくれました。これだれの人員なら心強いと意気揚々と現地に向かいましたが…なんと現地に着いたら写真の様に雪景色でした。雪を求めて真冬に行くとほとんど雪がない事もあるのに紅葉を狙って現地に向かったら雪景色とは何とも皮肉な結果で、なかなか自分の思い通りにうまくいかないものです。
現地でもこの雪が初雪で、更に予想外に早い降雪だったみたいで備えが完璧ではない様子で、混乱しているのが手にとるように解りました。特に経棚峠ではスリップしたトラックが道路際に突っ込んでいる姿をいたるところで見ました。中国ではスノータイヤとかオールシーズンタイヤ等は存在しませんが、何故か真冬にはこの様な事故は見かけないのでとても不思議でした。峠では雪を道路際に寄せる作業を多くの労働者が行っていました。我々を乗せたマイクロバスの運転手がその作業員を見つけては”シンクーラ”と頭を下げていました。この時、はじめて”シンクーラ（辛苦了）”が「お疲れ様でした。」と言う意味だと理解しました。
現地の人が備えがなくて慌てている状況ですので私達は更に慌てました。現地の最低気温はマイナスにはならないだろうと鷹をくくっていたので、現地であわてて防寒具購入を購入するために現地のデパートに駆け込みましたが、さすがに当時の中国の事、粗悪品の防寒具に閉口したのを思い出します。私も高級防寒ズボンを購入したのですが（現地の労働者の月の賃金の半額程度）穿いて数歩歩いたらチャックがすっ飛んでしまったのには怒ると言うより”これが本当の中国製品の実体かぁ！”と思い知ったものでした。
蒸気機関車は厳冬期の凍結防止のためにテンダーにスチーム管が引かれています。そのためどんなに寒くても炭水車の水は凍結することはありません。石炭の掻き寄せもスチームの中の作業になります。 ０２，１０，２１ 経棚 ＥＯＳ－１ｖ ＲＤＰ－Ⅲ（＋１）
ほんの１０年前なのですが、この当時はデジタルカメラなど興味も無く、フイルム一辺倒でした（当時は”銀塩”と言う言葉もありましたがまだまだ一般的ではなかったと思います）。当然今の様にデジ一（デジタル一眼レフカメラ）など所有するなんて思いもよらなかった時代でした。この３枚の画像は当時、フイルムスキャナーを所有していなかったのでプロラボ青山本店で１枚８０円で（だったと思います）５０カット程度デジタル化してもらった１枚です。このフイルム画像のデジタル化がきっかけとなり、この年の１２月にＮｉｋｏｎ ＣＯＯＬＳＣＡＮ ⅣＥＤを購入しています。
陽の出直後からシルエット狙いでこの撮影地に陣取っていました。ただ見通しの効かないところなので少し離れたところで撮影している青年部長に列車が接近したら知らせてもらえるように依頼をしていました。程なくした無線機で青年部長が（１０年前だから本当に青年部長でした。）「列車接近！」と告げてくれます。当然、蒸機列車だと思い「重連？単機？」と聞くと青年部長は「単機と言うより単行かな？」と言う答えが返ってきました。”あいつは何を言ってんだぁ！”と思っていると列車がやって来て仰天！…こんな列車、日本では絶対に見られません！！！
ちなみにこの車両は本来ならこの区間を深夜に通過する寝台ＤＣ列車の先頭車です。ＤＣと言っても前後に動力を持つＤＣを連結し中間車はＴ車なので日本で言えばＰＰみたいな列車です。この動力を持つ車両には乗客は乗車できません。 ０２，１０，２１ 熱水
