ヒト化抗ヒトIL-6 レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ(R)」の
原薬製造委託について
中外製薬株式会社[本社:東京都中央区/社長:永山 治](以下、中外製薬)は、ヒト化抗ヒトIL-6 レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ(R)」に関して、ロシュが株式の過半数を所有するジェネンテック社[本社:米国カリフォルニア州/会長兼CEO:Arthur D. Levinson](以下、ジェネンテック)と原薬製造委受託契約を2008年7月30日(米国西海岸時間)に締結したことをお知らせいたします。本契約により、ジェネンテックは製造技術移管の完了後、受託者としてアクテムラ原薬を製造することになります。なお、中外製薬の100%子会社である中外製薬工業株式会社宇都宮工場においても引き続き、アクテムラ原薬の製造および最終製剤化を行います。
当初、全世界へ供給する「アクテムラ(R)」は全て中外製薬工業株式会社宇都宮工場において製造する予定でした。しかし、アクテムラの需要予測から近い将来に原薬製造設備への追加投資の必要が見込まれていたこと、および、国内1工場にて全製造工程を実施した際に生じるリスクを勘案した結果、抗体医薬品の製造・供給に実績を持つリーディングカンパニーであるジェネンテックに原薬の製造を委託することが最善の策であるとの結論に達しました。本契約により「アクテムラ(R)」の原薬は宇都宮工場の培養設備に加えジェネンテックのVacaville工場(カリフォルニア州)の新培養設備にて生産される予定です。中外製薬は、これまで築いてきたバイオ医薬品の製造経験を活かし、品質の確保と安定供給を図っていきます。
「アクテムラ(R)」は大阪大学との共同研究により中外製薬が創製した薬剤で、2005年6月に世界初のキャッスルマン病の治療薬として日本で発売しました。さらに、2008年4月には国内で関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)および多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎の追加適応症の承認を取得しました。また、F.ホフマン・ラ・ロシュ社[本社:スイスバーゼル市/CEO:セヴリン・シュヴァン](以下、ロシュ)との共同開発により、2007年11月には欧米でも関節リウマチの適応症で承認申請を行っています。承認取得後はロシュが日本、韓国、台湾を除く地域で販売し、中外製薬は英国、ドイツ、フランスで共同販促を行います。
以上