ネコの餌箱

最近見たビデオや読んだ本など

真夜中の銃声

2005年05月27日 | ハリウッド映画
原作:サマセット・モーム
監督: フィリップ・ハース
出演: ショーン・ペン, クリスティン・スコット・トーマス

第二次大戦直前のイタリアはフィレンツェ。
イギリスから来た美しい未亡人のメアリーは、親子ほど年齢差のある英国外交官から求婚される。
ある夜メアリーはパーティーで自由奔放なアメリカ人男性(ショーン・ペン)と出会う。
その帰り道に危うく車で轢きそうになった亡命青年に同情し、別荘へ招き入れたことから運命の歯車が狂い始める…。

原作がモームだけに文芸サスペンスというのか?
サスペンスは弱く、愛のドラマもペラペラの薄味。
クラシカルエレガンスと言えば聞こえはいいが、妙に上品ぶった空気感が完全にカラカラまわっているよ。

主人公(ヒロイン)がただのバカでは何の同情もできない。
保身のために生きる知恵もなく、全てを捨てて愛に走る覚悟もない。
勝手に自分で危機を招き、男にすがるだけ。自己責任というものでしょう。
あのショーン・ペンも、なんだか居心地悪そうにいつもの上目遣いで繕うばかり。


「渇き」

2005年05月16日 | 海外ミステリー
T・ジェファーソン・パーカー作(講談社文庫)

雨の夜、恋人を目の前で射殺されたジョン・メンデン。
そして婚約者のFBI捜査官。
同じ一人の女を愛した者同士,二人は協力して容疑者の男を追うことになる。

舞台はロサンジェルスのオレンジ・カウンティ。
太平洋の煌めき、砂漠地帯から吹き付けるサンタ・アナ
美しい大地を舞台に惨劇と哀しみの物語。
いつもながら、甘さと苦みのパーカー節がほどよく酔わせる。

「何か善を成す事のできる場所へ、一度も見たことのない、あるいはもう覚えてもいない場所。時の経過と共におのれの黒い影を見つめる事から解放されるような場所へ、自分は行こうとしている。」

★★★

縛り首のN

2005年05月10日 | 海外ミステリー
スー・グラフトン作(ハヤカワ文庫)

久しぶりのキンジー・ミルホーン。シリーズ第14作。
心臓発作で死んだ老刑事。
その死に疑問を抱く未亡人から調査を依頼されたキンジー。

長く続くシリーズだけあって読んでいて安心感あり。
プロット、サスペンス、最後の犯人割りもとりたてて文句なし。
後は主人公のキンジーの生き方に共感できるかどうかだけ。
暇つぶしには失敗ないシリーズだとは思うけど。

★★

ロスト・イン・トランスレーション

2005年05月05日 | ハリウッド映画
監督・脚本:ソフィア・コッポラ
出演 : ビル・マーレイ スカーレット・ヨハンソン

CM撮影のために東京に滞在中の落ち目の俳優ボブ・ハリス。
同じホテルに泊まっているアメリカ人女性シャーロットは写真家の夫と共に来日した。
そんな二人がホテルのバーで偶然知り合い・・・。

内容空疎。
何かありそでなさそうで、やっぱり何もない。
思わせぶりなスカーレット・ヨハンソンの横顔を眺めて時間潰ししただけ。

監督の才能は遺伝しないのか?
それとも遺伝したからこの程度なのか?
第76回アカデミー賞脚本賞を受賞(失笑)