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けんちゃん日記

日々感じたこと、読書、食べ歩きなどの日記

闇の奥

2009年12月05日 14時54分16秒 | 読書日記(海外・その他)
闇の奥(Heart of Darkness)/ジョセフ・コンラッド(黒原 敏行 訳)<光文社古典新訳文庫>

 以前に新聞の書評を読んで気になっていた本です。
 今までに1958年・2001年・2006年の3回翻訳されており、今回(2009年)新訳されました。
 本作は、「20世紀最大の問題作」とも呼ばれ、難解なことでも有名だが、映画『地獄の黙示録』の原案としても有名である。

 テムズの河口湾に浮かぶ遊覧ヨットに『私』『船乗りのマーロウ』『遊覧船の船長』『弁護士』『会計士』の5人の男達がいた。
 不意に『船乗りのマーロウ』が自分の体験談を語り始める。
 物語の最初・途中・最後に、『私』を含めた聞き手の様子が少し書かれているが、それ以外は全て『船乗りマーロウ』の一人語りです。

 象牙交易で絶大な権力を握る人物『クルツ』を救出するため、アフリカのコンゴ河を遡ることとなったマーロウ。そこで体験する様々な恐怖。そして、クルツとは何者なのか?

 時代は、植民地主義が支配していた19世紀末であり、その帝国主義や人種差別を痛烈に批判するとともに、そこに陥ってしまった人間が如何に恐ろしいものかを語っているのだと勝手に判断した。

 この時代、『コンゴ自由国』は、ベルギー国王レオポルド二世の私有国であり、黒人奴隷を使った象牙収奪のための搾取と大虐殺が横行していたそうです。
 本作によって、その悪行が明らかになり、当時のイギリス社会を驚愕させ、コンゴ改革運動にまで発展した。
 結局、国際的世論におされて、レオポルド二世は、1908年にコンゴ自由国をベルギー政府に移譲した。

 植民地主義や人種差別の悪さは解ったが『クルツ』とは何者なのか(何を体現しているのか)全然わからなかった。

 著者は、1924年にナイト爵を辞退し、心臓発作のため66歳で急逝した。


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