先日、美容組合の全国作文コンテストに応募してみました。
お題は『美容師だからできる事』
『新しい時代の美容の使命』確かこんな感じだったはず
審査が終わったのでこちらにも載せようかと思います
久しぶりに、しっかりと先の事について考えたらこんな文章に。
長文です
時間のある時にでも
『新しい時代の美容の使命』 ❶
日本社会全体の問題である「少子高齢化」による労働人口の減少で人材難のサロンが増えております。そして以前から言われている「若者の高い離職率」などの問題が、最近同業者との間で関心が高い話題となっております。
労働人口の減少といえば、最近外国人労働者を受け入れる企業も目立ちます。製造業、農業、漁業が中心ですが、最近では飲食店や小売業、介護事業にまで外国人労働者を採用する企業や施設も増えているようです。更にテレビなどでは「コンピュータが人間の頭脳を越えて、今後10年~20年で日本の労働人口の49%がコンピュータに代替えされる可能性が高い」などという予測を目にします。これらの話題を通じて「将来自分の店はどうなっていくのだろう?」とか「美容業界の将来、そして夢を持って美容業界に入って来る若者の将来は?」など、将来について考える事が増えてきております。
これらの問題、そして時代の変化に我々はどう対応していかなければならないのか、将来の美容業界を現役世代が本気で考えなければならない事が我々の使命ではないかと思います。
今日はそんな中から、現在の問題の一つである「若者の高い離職率」の改善について提案したいと思います。理由は、新しい時代を背負うのは彼ら若者であり、我々と共に新しい時代に立ち向かう為にも彼らが必要不可欠だからです。
そんな若者の離職率が高い原因は色々とありますが、私の考えはズバリ「現在の人材育成方法」ではないかと思ってます。
2013年、ある大学の経済学部の学生が、この問題を調べて論文を書いたのを見た事があります。論文者が調べたデータや離職理由を調査した結果を引用すると、「業務内容の割に給与が低いから」や「1 日に働く時間が長すぎるから」などという回答があったそうです。
周知の通り、ほとんどの店舗で勤務時間後に技術を習得するため日付を跨ぐまで練習が行われたりする場合もある。専門学校時に学ぶ技術や知識は国家資格に受かるためのものが多く、実際には即戦力にはならないので、それぞれの美容室で練習に励むのが現状です。ところが一人前のスタイリストになる為の勉強が返って彼らは負担と感じ早期に離職してしまうのです。
私はこれらを解決する為には、専門学校での国家試験の勉強以外に「シャンプー」「カラーリング」「パーマ」「縮毛矯正のアイロンの当て方」等を実務で使える最低限のスキルを身に付ける必要があると思います。つまり入社時には即戦力(スーパーアシスタント)の状態である事。
既に即戦力である訳ですから、初任給だって高く設定できます。トップスタイリストを目指しているのですから、当然、技術の勉強をしなければならないし、辛い経験もするでしょうが、スタイリストになるまでの時間を短縮できれば精神的にも和らげられるでしょう。
専門学校在籍時からこれらのスキル習得を教育していただく事で、経営側従業員双方にメリットがあり、高い離職率を下げる事が可能だと思っております。
こんな事をやる「塾」のようなものがあってもいいのではないかと思います。
例えば小中学生などが学校の授業では足りない部分を塾に通って更に勉強しますが、それに近い考えです。
この「塾」では、接客スキル、実務スキルを磨くもので、より実践に近い事を勉教します。学生たちはその日の授業を終えた後に2時間から3時間行います。本来ならば専門学校で、これを教育して頂くことが良いと思っておりますが、現状ではそういった教育までしていないので、「塾」と言う考え方があっても良いのではないかと思います。
この「塾」の設置にあたって課題もあります。希望者が多かった場合、塾の数とその講師の確保が多く必要です。希望者全てを受け入れる事が理想ですが、各学校、協会、サロン、メーカー等、美容業界全体で協力していかなければ、実現する事は困難でしょう。
「塾」の設置にかかる時間や労力を考えると、現実的に良いのはやはり専門学校がカリキュラムとして取り入れる事だと思います。場所も確保出来るし、講師を数名増やすだけで済みます。学校は「早期育成」という特色を出して、学生の獲得にも繋がっていくのではないでしょうか?つまり、生徒は学校でスキルを磨くことで早期スタイリストを目指せるし、サロン側は即戦力を採用でき、学校は生徒の獲得に繋がる。関係者全てにとって良い事だと思います。
最後に、22年前私は美容専門学校を卒業しました。その当時描いた未来は想像より早く訪れ、そして時代は確実に変化していると実感しています。
私達の仕事は機械ではとても真似できないくらい細かい作業の繰り返しです。しかし冒頭でも述べた通り人工知能(AI)が今より更に進化し、美容業界に参入してくれば、スタイリストが生き残りアシスタントが不要になる。また外国人労働者を採用するサロンも今後増えていく。そんな時代が来るかも知れません。彼らの収入は自国で稼ぐより何倍もいいですし、彼らは真面目で必死に努力すると聞いております。更に外国人労働者の資格や労働ビザ等の問題が緩和されれば、将来日本人の若者の雇用に必ず影響するでしょう。
あくまで手段の一つである、「早期育成」や「塾」により技術力以外にも沢山学ぶことでライバルより優位に立つ事が可能です。
それで離職率低下、給料、労働時間の改善にも繋がればいいと思います。
もっとも大事な事は「必死にそして危機感を持つこと」を先輩美容師たちが伝えていく事です。新しい時代を生きる日本人の若者たちが素晴らしい美容師人生を築いて行くためにも、これらを伝える事が私たちの使命だと思います。
残念ながら奨励賞(参加賞って事)でしたが…
お題は『美容師だからできる事』
『新しい時代の美容の使命』確かこんな感じだったはず
審査が終わったのでこちらにも載せようかと思います
久しぶりに、しっかりと先の事について考えたらこんな文章に。
長文です
時間のある時にでも
『新しい時代の美容の使命』 ❶
日本社会全体の問題である「少子高齢化」による労働人口の減少で人材難のサロンが増えております。そして以前から言われている「若者の高い離職率」などの問題が、最近同業者との間で関心が高い話題となっております。
労働人口の減少といえば、最近外国人労働者を受け入れる企業も目立ちます。製造業、農業、漁業が中心ですが、最近では飲食店や小売業、介護事業にまで外国人労働者を採用する企業や施設も増えているようです。更にテレビなどでは「コンピュータが人間の頭脳を越えて、今後10年~20年で日本の労働人口の49%がコンピュータに代替えされる可能性が高い」などという予測を目にします。これらの話題を通じて「将来自分の店はどうなっていくのだろう?」とか「美容業界の将来、そして夢を持って美容業界に入って来る若者の将来は?」など、将来について考える事が増えてきております。
これらの問題、そして時代の変化に我々はどう対応していかなければならないのか、将来の美容業界を現役世代が本気で考えなければならない事が我々の使命ではないかと思います。
今日はそんな中から、現在の問題の一つである「若者の高い離職率」の改善について提案したいと思います。理由は、新しい時代を背負うのは彼ら若者であり、我々と共に新しい時代に立ち向かう為にも彼らが必要不可欠だからです。
そんな若者の離職率が高い原因は色々とありますが、私の考えはズバリ「現在の人材育成方法」ではないかと思ってます。
2013年、ある大学の経済学部の学生が、この問題を調べて論文を書いたのを見た事があります。論文者が調べたデータや離職理由を調査した結果を引用すると、「業務内容の割に給与が低いから」や「1 日に働く時間が長すぎるから」などという回答があったそうです。
周知の通り、ほとんどの店舗で勤務時間後に技術を習得するため日付を跨ぐまで練習が行われたりする場合もある。専門学校時に学ぶ技術や知識は国家資格に受かるためのものが多く、実際には即戦力にはならないので、それぞれの美容室で練習に励むのが現状です。ところが一人前のスタイリストになる為の勉強が返って彼らは負担と感じ早期に離職してしまうのです。
私はこれらを解決する為には、専門学校での国家試験の勉強以外に「シャンプー」「カラーリング」「パーマ」「縮毛矯正のアイロンの当て方」等を実務で使える最低限のスキルを身に付ける必要があると思います。つまり入社時には即戦力(スーパーアシスタント)の状態である事。
既に即戦力である訳ですから、初任給だって高く設定できます。トップスタイリストを目指しているのですから、当然、技術の勉強をしなければならないし、辛い経験もするでしょうが、スタイリストになるまでの時間を短縮できれば精神的にも和らげられるでしょう。
専門学校在籍時からこれらのスキル習得を教育していただく事で、経営側従業員双方にメリットがあり、高い離職率を下げる事が可能だと思っております。
こんな事をやる「塾」のようなものがあってもいいのではないかと思います。
例えば小中学生などが学校の授業では足りない部分を塾に通って更に勉強しますが、それに近い考えです。
この「塾」では、接客スキル、実務スキルを磨くもので、より実践に近い事を勉教します。学生たちはその日の授業を終えた後に2時間から3時間行います。本来ならば専門学校で、これを教育して頂くことが良いと思っておりますが、現状ではそういった教育までしていないので、「塾」と言う考え方があっても良いのではないかと思います。
この「塾」の設置にあたって課題もあります。希望者が多かった場合、塾の数とその講師の確保が多く必要です。希望者全てを受け入れる事が理想ですが、各学校、協会、サロン、メーカー等、美容業界全体で協力していかなければ、実現する事は困難でしょう。
「塾」の設置にかかる時間や労力を考えると、現実的に良いのはやはり専門学校がカリキュラムとして取り入れる事だと思います。場所も確保出来るし、講師を数名増やすだけで済みます。学校は「早期育成」という特色を出して、学生の獲得にも繋がっていくのではないでしょうか?つまり、生徒は学校でスキルを磨くことで早期スタイリストを目指せるし、サロン側は即戦力を採用でき、学校は生徒の獲得に繋がる。関係者全てにとって良い事だと思います。
最後に、22年前私は美容専門学校を卒業しました。その当時描いた未来は想像より早く訪れ、そして時代は確実に変化していると実感しています。
私達の仕事は機械ではとても真似できないくらい細かい作業の繰り返しです。しかし冒頭でも述べた通り人工知能(AI)が今より更に進化し、美容業界に参入してくれば、スタイリストが生き残りアシスタントが不要になる。また外国人労働者を採用するサロンも今後増えていく。そんな時代が来るかも知れません。彼らの収入は自国で稼ぐより何倍もいいですし、彼らは真面目で必死に努力すると聞いております。更に外国人労働者の資格や労働ビザ等の問題が緩和されれば、将来日本人の若者の雇用に必ず影響するでしょう。
あくまで手段の一つである、「早期育成」や「塾」により技術力以外にも沢山学ぶことでライバルより優位に立つ事が可能です。
それで離職率低下、給料、労働時間の改善にも繋がればいいと思います。
もっとも大事な事は「必死にそして危機感を持つこと」を先輩美容師たちが伝えていく事です。新しい時代を生きる日本人の若者たちが素晴らしい美容師人生を築いて行くためにも、これらを伝える事が私たちの使命だと思います。
残念ながら奨励賞(参加賞って事)でしたが…