実はこのモニターについては、過去にも修理したことがあるのですが・・・まずカバーをあけるのがとっても大変で、カバーにキズがついてしまうこと・カバーを外す際に、カバーにヒビが入ってしまったことがあったこと・輸送の途中でカバーにキズが入ってしまったことがあったこと・・・などなどから基本的には修理をお断りしています。
どうしてもというお客様には・・・カバーにヒビやキズが入ってしまう可能性があることや、カバーを開ける際にどうしても勘合箇所にキズがついてしまうことをご了解していただけた場合のみ、修理をお引き受けしています。
・・・で、今回のFPD2275WJは、電源が全く入らないという現象でした。今まで修理したのは、電源が入りメーカーロゴが映り、起動音がするがその後無信号となり・・・画面に何も映らないという症状でした。このときは、モニターのインバーター回路の電源部の電解コンデンサーの故障が原因でした。
しかし今回は、今までと症状が異なるので「修理できない可能性もある」ことをお伝えしました。
液晶モニターが届いたので・・・まず状況の確認です。電源スイッチを押してもランプも点きません

とりあえず、カバーを開けないといけません。本当にこのモニターはカバーを開けるのが一苦労です。何とかカバーを開けて基板を確認してみると・・・

おおっ!電源基板のロジック回路用の電解コンデンサー2個が液漏れしています。

ちなみにESRテスターで液漏れしているコンデンサーを測定してみると
ESRも異常値ですし、静電容量も測定できずコンデンサーの役目をしていません。
基板上には、電源平滑用に全部で7個の電解コンデンサーが使われていますが・・・すべて日本メーカーの電解コンデンサーに交換しました。

元の状態に組み上げて・・・電源を入れると・・・正常に画面表示されました。

半日ヒートランを行いましたが問題ありませんでしたのでご返却です。
液晶モニターの修理は、カバーを外す(勘合を外す)リスクや、輸送途中のパネルへのダメージのリスクを考え、基本的にはお引き受けしておりません(念押しして記載しています)
