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ぼくの随筆『のんべんだらり~この宇宙の片隅で~』 夢見る男編

随筆で有名な兼好さんには、まだまだ敵いませんが僕なりの視点で日々感じたことを書き留めるとか、書き留めないとか・・・

短い旅の長いメール〈完全版〉(第12回~抹茶~)

2006-07-25 23:50:56 | 旅行記
餌をあげてくれたお礼にと、おばあさんは僕に抹茶をご馳走してくれた。

ここでお参りすると旦那さんの病気が治ったことや息子さんの運気が上がったことを聞いた。

それ以来毎日ここに来ているそうだ。

しばらくしておばあさんは先に帰った。

抹茶はおいしかった。

それはただ僕が抹茶が好きだから・・・と言うわけだけではなく、また新しい出会いがあった喜びからだと思った。

僕は抹茶を飲み干し、ここへ来た本当の目的を果たすために立ち上がった。

短い旅の長いメール〈完全版〉(第11回~白い鳩(2)~)

2006-07-25 20:51:23 | 旅行記
いつもおばあさんが餌の豆をあげようとしても、他の鳩たちが食べに来て白い鳩が食べられない・・・

でもここの住職さんがあげるとちゃんと食べさせることができるそうだ。

「お兄ちゃんもあげてみて!」

・・・と言われ、僕はおばあさんから豆をもらった。

他の鳩に気づかれないように・・・

でも豆をつぶさないように・・・

右手に豆を軽く握ったまま白い鳩に手を近づけた・・・

その鳩の口元に来たときに手をそっと開けた。

一粒・・・二粒・・・三粒・・・

他の鳩に邪魔されずに食べることができた。

そのときは、鳩が逃げてしまうといけないからうまく表現できなかったが、すごくうれしかった!

僕の心の中では両手をあげてよろこんでいた!


短い旅の長いメール〈完全版〉(第10回~白い鳩(1)~)

2006-07-25 18:26:18 | 旅行記
京都市街に戻ってきた僕は、六角堂という名のお寺に行った。

本堂でお参りを済ませ、おみくじをしようと探していると、そこの住職さんと何か話をしているおばあさんを見掛けた。

「やっぱりここの人はすごいわぁ!」

「どうしたんですか?」

おばあさんが毎日お参りに来るこのお寺の鳩の中に一羽、仲間はずれなのか?いつも一人でいる片足だけの白い鳩がいる。

短い旅の長いメール〈完全版〉(第9回~人力車~)

2006-07-24 22:29:44 | 旅行記
渡月橋まで戻ってきた。

時間は昼過ぎ・・・観光客もかなり増えていた。

京都を歩くと必ず目に入るのが、人力車の兄ちゃんたち!

(声をかけられたらどうしよう)・・・と思うが、男一人には誰も声をかけてこない・・・

見向きもしない・・・

男二人でもやっぱりこない・・・

一度は乗ってみたいが・・・

声をかけるのはカップル、もしくは女性客・・・

うむ!むむむっ!男性差別?

・・・たしかに男二人で乗るのもむさ苦しいか?

・・・などと考えながら、電車で四条へと向かった。







短い旅の長いメール〈完全版〉(第8回~多くの教え~)

2006-07-24 18:18:15 | 旅行記
「11月10日頃は紅葉がきれいだから、また来てね!」と約束、

「100歳まで頑張ってください!」と言い残し、元来た道を戻った。

再び渡月橋が見えてきた辺りで、絵を描いているおじさんを見掛け、僕は話しかけた。

その人には水彩画の描き方だけでなく、

「教師になっても何か趣味を持つべきだ」とか、

「嫁さんは考えの合う人にせないかん」・・・など、

ここでは書ききれないほどのことを教えてもらった。

短い旅の長いメール〈完全版〉(第7回~ファンタ~)

2006-07-23 22:55:29 | 旅行記
「良かったねぇ!」「良いでしょ?」「ばあちゃん若いでしょう?」

が口癖のおばあちゃん・・・

僕と話しながらも前を通る客に

「ビールどう?冷えてるよ!」

と声をかけていた。

でも僕は知っている・・・

それがあまり冷えていないことを・・・・

値段が少々高いことも・・・・・

細身の缶のファンタ、200円・・・・・・

しかもぬるい・・・・・・・

話していても何を言っているのか良くわからないことも・・・でもとても楽しそうに話す元気な姿は92歳には見えなかった・・・僕は元気をもらった!


短い旅の長いメール〈完全版〉(第6回~おばあちゃん~)

2006-07-23 13:03:37 | 旅行記
おじさんが出て行った後、展望室にあった自由ノートに

「・・・また必ず来たい」

と書き残し、僕も千光寺をあとにした。

来た道を歩いていると、行きにはいなかったが、お店を出しているおばあちゃんがいた。

「お兄さん、よかったねぇ!」

・・・はじめは意味がよくわからなかったが、

「千光寺に行って良かったね」と言う意味で・・・

ジュースを売っていた。僕はファンタを買い、そこにあったベンチに腰掛けて、ジュースを飲みながら、おばあちゃんと話をした。


短い旅の長いメール〈完全版〉(第5回~新たな出会い~)

2006-07-23 02:41:11 | 旅行記
千光寺の展望室には、すでに先客がいた。

スーツ姿の男性だった。

その人は椅子に座り、携帯電話を触っていた。

僕も椅子に腰掛けて、ゆっくり景色を楽しんだ。

ふと、僕はおじさんに話しかけてみたくなった。

「すごく良い景色ですね?」

「そうですねぇ!」

その人は東京から出張で京都まで来たついでに、息子さんが一番好きだと言うこの寺に来たのだと言っていた。

「今、息子にメールしているんですよ。」

親子の繋がりをとても感じた。

短い旅の長いメール〈完全版〉(第4回~千光寺にて~)

2006-07-16 09:34:30 | 旅行記
おじさんと歩いていると階段が見えた。

「この上にあるわ!」

と教えてくれ、おじさんはいつもの散歩道へと歩いて行った。

はや歩きをして少し疲れたせいか、上までの階段はやけに長く感じた・・・

しかし、一番上に到着し、展望室へと入った時、その疲れは吹っ飛んだ!

そこからの眺めは素晴らしかった!

すぐ下を流れている保津川は見えないものの、清水寺比叡山などが遠くに見え、今までとは違う角度から京都の街を眺めることができた。


短い旅の長いメール〈完全版〉(第3回~最初の出会い~)

2006-07-06 21:57:02 | 旅行記
渡月橋を渡り、右に保津川を眺めながらひたすら奥へと歩いた。

嵐山の木々がつくる影が、京都の夏の暑さを忘れさせてくれるほど、その道は涼しかった。

歩いていると、この周辺の案内図が目に入った。それを見ていると・・・

「この奥の千光寺に行ってみるとええよ!」

・・・と、おじさんが話しかけてきた。

散歩中の地元の人だった。

この奥にある物や、保津川について聞きながら、はや歩きのその人に(一生懸命・・・)ついて行った。