オリジナル朗読CD『続ふしぎ工房症候群 母さん、ごめんね』語り:吉野裕行さん 原作:竹内葵さん 2008年
以前から気になっていたものの、タイトルから楽しい話しではないのは想像出来たので購入を躊躇していた物。
親子物とか肉親の情に訴えるドラマとか映画が超苦手な事もあって避けていたのもあるのですが、この長引く自粛生活に”推しが足りない”となりまして、吉野さんの演技が恋しくてCD取寄せました。
ふしぎ工房症候群シリーズはこのCDが初めてで「ふしぎ工房」のイメージが全くつかなかったのですが、聴いてみて初めて、ああ、そういう事なのか、と少しホッとしたりしました。
内容は
若年性アルツハイマー病に冒された母の介護、そして職を失って追い詰められた主人公が心中を決意するに至る心の葛藤が描かれています。(CDの帯参照)
若い頃の吉野さんのイメージはやんちゃな少年役とかヤンキーぽい役とかの印象が強かったので、シリアスな話しの語りがどんな感じなんだろう?との興味もありましたが、
もう…なんつぅか、カナタの公演で吉野さんの朗読のヤバさに衝撃を受けた身としては、吉野さんの語りの凄さが全然分かってなかったです…( ´•̥̥ω•̥̥` )。
少しかすれた低めの落ち着いた声で語られる主人公が語る“母”の姿。
母への思い。
追い詰められていく主人公の心情。
20代の主人公がそっとささやく。
「…ごめんね…母さん…」
↓
泣く。°(°´ᯅ`°)°。
冒頭から号泣しそうでした。
ノンフィクションなら哀し過ぎて立ち直れなかったかもしれない〜˚‧º·(˚ ˃̣̣̥᷄ω˂̣̣̥᷅ )‧º·˚
母が自分の事を忘れていく。
徘徊が始まり目が離せなくなっていく。
母に付きっきりになり職も失ってしまう。
生活費がなくなりどうしょうもなくなっても公的な支援は受けられず、主人公は追い詰められていく。
母さん、ごめんね…。
思いとどまってくれてよかった…。
ふしぎ工房があってよかった。
10年以上前の作品なので、吉野さん自身の声が若いのも相まって、主人公の心情が辛かったです。
認知症の身内を持つ者としては自分の現状と重ねてしまうと物語として受け入れられないのでCD聴く前はそこが心配だったけど、冒頭シーンから一気に主人公にひきつけられて、ラストまで固唾をのんで聴き入りました。
明るい未来があってほんとうにホッとしたラストにまた涙が出ました。
聞き終わってやっぱり思う。
吉野さんの演技好きだ〜(*´꒳`*)。