院長のつれづれ日記

澤田医院の院長が日々思ったことを綴っていきます。

ミトコンドリア イブ

2006-02-13 23:55:19 | Weblog
ある時は いろんな事があるものだ.
前にも書いたとおり、2ヶ月に一回は
教育講演をしている.
次回のテーマを探してるうちに
面白いページに行き着いた.

医師免許をもらって1年後
臨床研修の途中にでひょんな事から
分子進化の道を歩み始めた
その4年間の中で
生物の基本的分類はたった2種類
である事を知った時には愕然とした.
そう 原核生物と真核生物.

真核生物の中に存在している
ミトコンドリアはそれ自身の中に
固有のDNAを持ち、しかも性質は
原核生物.
真核生物の中に原核生物が共生した
と考えられている.

自分が若い時に興味を持った事は
今でも同じような魅力を感じる.
そのミトコンドリアについての
ページだった.

ミトコンドリアは
わずかな例外を除き母から受け継ぐ、
すなわちミトコンドリアを分析すれば
自分の母系先祖に行き着き
最後には
人類最初の母の姿が浮かび上がる
このことを研究したチームは
彼女をミトコンドリア イブ
と名付けた.

内容に魅せられて紹介してあった
本を読破した.

”イブの7人の娘たち”

心がウキウキしたと同時に
何故か郷愁とロマンを感じた.

そして、人種を考える意味の
空しさも加わった.

社会の資質

2006-02-13 23:33:48 | Weblog
検死の事は個人の尊厳にもかかわるし
あまり書きたいとは思わなかった.
それでも、この件は敢えて書こう・・・

30才の男性
今春 小学校に入るお子様がいらっしゃる
以前から仕事上の悩みがあったらしい.
彼は責任感があり、
仕事をこなす能力も備えていた
ネックは自分よりかなり年上の部下がいる事.

いいかげんな世の中で責任を全うできない
年功序列に慣れてきた
年上の部下がいるとしたら・・・
その苦悩は想像に難しくない.

彼は突然に自ら命を絶った.
人口が減っていくのが解っていて
その中で世の中を支えていくべき
貴重な若者が一人減った.
その状態を救えなかった背景は何なんだろう
そして残された家族

検死をしてる間に
彼の無念さが伝わってきた気がした
家の帰り道、腹立たしさと共に
涙が自然にこぼれてきた.
家族にとっては問題外であるし
その会社にとって
我が街にとって
日本にとって
取り返しのつかない損失だと思えた.

どういう関わり方にせよ
もし可能なら、事後処理よりも
手助けが出来る場所にいたいと
心から思った・・・・・