雑木囃子

河原には優しいジジイおっさんがいるよ。

清々しい秋は清潔一番の私を誘う。

お洗濯に誘い込まれる。
買って以来洗ったことない高級服です。チェンソー用です。中の繊維はチェンソーの刃が体に当たる前に刃を停めてくれます。
チェンソーを正しく使っていても、誰にでも万が一がありますから。
高価ですが思ったより死ぬよりましです。
思った通りの時期が来たらこんなズボンは履きませんよそりゃ。

チェンソーアートは世界で最も危険なアートと言われますが、危険な代わりに対策があります。そのハイエンドな安全対策をするから、キャンプの安全もよく考えられるわけです。
また、必要ない対策とぜったいに必要な対策を分けて考えることもできるようになります。

何の役にも立たないズボンは安くてかまわないです。
役に立ち働く服は高くても買います。命を預ける服は命より安ければ買います。えなに?あんたの命はそんな高くないって?
いくらなんでもそりゃ言いすぎでしょ。考え直したほうがいいよ。意地悪を通り越して、邪悪だよそれ。
それに、君の命が俺より高いとは言い切れない。いや、言い切れなくもないか。
ごめんな。

まどうせ高いブランド服は私を受け付けません。細くてしなびたモヤシみたいな足の人向きです。モヤシも言い過ぎなら、干した大根でどう。

清潔一番だから、投網に来ました。
毎日が勤労日で毎日が休日で努力なんてしたことない私は、自由に遊べます。

白いのは投網です。
水はまだ多めですが、こないだよりだいぶカサが減りました。
頑張るまでもなく淡々と網を投げます。

網を投げることを、網師は「ぶつ」と言います。
お母さんは私の頭を大根でぶちました。
ぶつは漢字で打つと書きます。
網もお母さんも打つ存在です。
大谷翔平もお母さんも似たようなもんなんだね。

途中経過です。
ふふふふふふふふ
鮎がわんさか入ってるね。
これが実力です。

結果です。
鮎46尾、雑魚8尾くらいかな。
全部で50尾以上です。

今年は小さめです。
30センチもある鮎は捕れませんでした。
せいぜい23センチくらいかな。
おそらく、でかいのはどこかに隠れているか、まるでポイントが違うと思う。居ないのではなくて見つけられない私の技術不足です。

平日の朝から投網やるようなヒマ人は私くらいだったらしく、私以外の網師には出会いませんでした。

鮎の居場所は、網師によって言うこと違います。
ある軍団は本流に居る と言い
あるチームは際に寄ってる と言う
そしてどちらもそれなりに獲ってる。
私はずっと初心者の振りしてますから、先輩たちが教えてくれながら鮎を見せてくれます。
で、その結果を見て、私のメソッドと比べてアジャストします。
つまり、私の想定と人の結果を分析して作戦を調整するわけです。

鮎は賢い魚で、網に入ったと悟ると、じっとして逃げ道を探します。逃げ道が無い場合は、そのままじっとして網が頭上をすり抜けてゆくまで待つのです。
網師はただ網を引くだけではなく、打つと同時に水に潜って網の上から鮎を探し、網に追い込んだりギュッと掴んで無力化させるようなことをします。

網を花火のように咲かせて悠々と鮎を捕るような風物詩的な風景。
実際は、水に押され、網は絡まり、投げては潜り、ハアハア言いながらはいつくばってようやく鮎を手にします。

他のベテラン軍団は去年1日で200捕ったと言ってました。
チームでの数です。
私は半日やる前に50くらい捕ってます。しかも一人ですから。

ベテランたちから情報を得て、私の技術も上がります。ベテランたちから情報を得るためには、初心者であり続けるの良い方法です。
みんな優しいし親切です。

河原で一番悪いのは、ベテランから情報を抜き取る私かもしれません。


しかしいい趣味です。
30から70歳までのきかん坊たちがいつまでも川で遊んでる。パチンコや街遊びよりずっとすてきです。
夢中で川に入って鮎を捕まえるためにできること全部やって遊んでる。
なるほど、そりゃあ親切で優しいおじさんおじいさんになります。

都会育ちの私のあざとさとずる賢さが恥ずかしくなります。











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