Penguin's Nest

音楽の話を中心に徒然なるままに...。

今、欲しいもの、の巻

2005-04-25 22:21:50 | コラムと音楽
欲しいもの、というとキリが無いものなのだが、僕の場合ン十万円する高価なものが多い。例えばMac。やっぱり極力ハイスペックなものがいいし、メモリもフルで積みたい。で、ライブでも使うからPower Bookということになる上、OS-Xを導入すると周辺機器や一部ソフトも対応しなければならない。そうするとそれだけですでに....ふう....。それに最近試奏してすっかり惚れ込んでしまったフレットレス・ベースがあるのだが、これがまたオールハンドメイドの高級品。この2つとそれに関連するものだけで軽く7桁。ふう...。

おまけに僕はある時期からローン、カードの類いを一切使わなくなったので、買うとしたら「ゲンナマ」なのである。そう考えたらちょっとした宝くじに当たるか、書いた曲が運良く大ヒットするとか、さもなければ空いている時間に肉体労働でもしまくって貯めるか...まあ、どれも現実的では無い。じゃあ、実現可能なレベルで、と考えるとせいぜい2~3万円がいいところ。さてこの範囲で、というとこれまたキリが無いが、仕事で使う音楽関係のもの以外だとすると少し絞られて来る。その中での1番は「デジカメ」である。

今どきデジカメが欲しい、というのもどうかとは思うけど、持っていないからしょうがない。オジサンはデジカメが欲しいのだ!デジカメ、と一口に言ってもこれまたピンキリ。でもそこは贅沢言わない。コンパクトなやつで、光学ズームが3倍、できればデジタルズームと合せて10倍くらいで、500万画素くらいあったら充分である。で、何がしたいかと言うと、普段から持ち歩いて気になったモノを撮りたい、というそれ以下はないだろうというほど平凡な事なのだ。

神戸の実家に居た頃は兄と共有の一眼レフ(懐かしのオリンパスOM1)があって、庭に咲く花やら近所をぷらついて目に入ってきた風景、それに旅行先などをよく撮っていた。例えば...

Turip
これは庭に咲いたチューリップ。父がチューリップが好きで毎年色んな種類のものを咲かせていた。'79年撮影。


sakura
これは実家の近くの保久良山山頂付近の桜をわざと西日の逆光で撮ってみたもの。大して効果は無いのだか、当時山道が輝いてその向こうに咲き誇る桜の図、と悦に入っていた気がする。'80年撮影。


midorishijimi八ヶ岳の標高1200mくらいのところで撮影したミドリシジミの一種。偶然撮ったのでははく、この頃('74~'76年頃)僕は長兄と一緒に蝶の採集に凝っていて、これは採集の合間に生態観察記録をつける為に接写したもの。この写真では分からないが、この種類の蝶は表側がエメラルド色に輝いていて「空飛ぶ宝石」とも言われている。そして下の写真は、その八ヶ岳の登山道から見た富士山。パノラマのつもりで撮影したが、なんだかいびつに。30年経ってようやく合成してみた。
fuji
と、いうように目に入ったものを撮影するのが好きだったので、無趣味な僕としてはせめてこれくらいのことでも「趣味です」と言いたいわけである。そしてデジカメならいくら撮っても失敗したら消せるし、取り扱いもデータだから簡単なので、こりゃええわい、と興味を持って早数年。そろそろ買っても良いかな、とネットでスペックや価格を比較しながらニヤついているこの頃なのである。

でも、きっとやっているうちにやっぱりフィルムの一眼が欲しくなるんだろうな。そうしたらまた桁が違って来てしまう。困ったもんである。

★Eberhard Weber Colors『SILENT FEET』
e_weber
久しぶりにECM。Eberhard Weberはドイツ出身のベーシスト。このアルバムの頃には当時珍しかったエレクトリック・アップライトベース(板状のボディーにウッドベースのネック、そしてマグネットピックアップ装備、ウッドベースとフレットレスベースの中間のような音)を弾いていた。本作品はColorsというリーダーバンド名義のもの。内容はといえば非常に美しい音世界が繰り広げられて、浸って聴いていると何か田園風景の中にいるような、心があらわれてゆくような気がする。メロディアスなPat Metheny作品が好きな方などにはぜひお勧めしたい逸品である。



Ukulele Clubを観る、の巻

2005-04-21 01:17:37 | 音楽
今日は休みにしていたので、相棒He-Iz君と一緒にライブを見に行って来た。"Ukulele Club"という2人組でライブ会場がコーヒー屋さん、というちょっと変わったライブだった。

実はUklele Club、そのメンバーの一人が僕の従兄弟なのである。従兄弟といっても僕よりもずっと年上で、僕がまだ関西で学生だった頃に、もうスタジオでギターの仕事をしていた。以前にジャズのライブは見た事があったのだが、その時はかなりハードなジャズコンボだったので「ウクレレを弾いている」と聞いてもピンと来なかった。でも実際に聞いてみたら「なるほどなあ」と思ってしまった。

基本的にはジャズなのである。「よしだ屋珈琲店」という正真正銘の珈琲屋さんで生音だけで繰り広げられる演奏は、ジャズ喫茶に無理矢理楽器を入れて行われるライブを彷佛とさせる。そして選曲もビバップやジャズスタンダードが中心になっていてそれなりのインタープレイもあったりするのだが、楽器がウクレレとガットギターなので、なんともいえないゆる~い雰囲気なのである。勿論そこが最大の魅力でもある。

今回は「六文銭」の及川恒平さんがゲスト。何でも今回のライブが50回目を数えるということで、特別ゲストとして参加されたとのこと。ジャズとフォークでは全くジャンル違いではあるが、そこは「人のつながり」、今年夏には一緒にレコーディングも予定しているとのこと。僕自身は六文銭という名前は知っていたものの予備知識はほとんど無く、かろうじて小室等さんがいるフォークグループというような事を知っている程度(まあ、Ukurlele Clubそのものの音楽の予備知識も皆無)だったが、目の前で聴くやさしい歌声はとても心地よかった(でも良く聴いていると歌詞はアバンギャルドだったりするあたりが60年代~70年代のフォーク出身の人の特徴なのかな?)。

ジャズ的な演奏あり、本物のフォークあり、そしてちょっとユーモラスな歌入りのオリジナル曲あり、と生音だけで繰り広げられる和やかなライブは、僕にとって最近はあまり接する機会がなかった、かなり新鮮なものだった。最近は従兄弟もスタジオの仕事以外にもPCと向き合って音を作っていることが多いらしいのだが、このライブをとても楽しんでいるようだった。アコースティックはやっぱりいいなあ、と、僕もいつかこういうライブにも参加してみたいと思った次第である。

Ukulele Clubのよしだ屋珈琲店でのライブは定期的に毎月第三水曜日に行われているので、興味がある方はぜひ。勿論、おいしい珈琲や手作りケーキなどが楽しめるので、女性にもお薦めである。

★Ukulele Club HP ⇒http://www.ne.jp/asahi/juke/box/



4/19報告、無事終了!

2005-04-20 16:17:23 | コラムと音楽
「LIVE YOGA」が盛況の内に無事終了した。御来場いただいた皆さんにはあらためてお礼申し上げたい。

タイトルを見た友人からは「いつからインド音楽の人になったんだ?と思っていた。」と言われたが(笑)、SOULOGICのテーマであるクロスオーヴァーという意味から言うと『それもあり』で、実際インドの楽器のサウンドも使ったりしている。それと今回の「YOGA」に直接の関係はないのではあるが、ヨガもラテンダンスもその他の様々なタイプのダンススタイルも垣根を越えてパフォーマンスを行っている馬塚三枝子さんと、色んな音楽的要素のクロスオーヴァーから独自のグルーヴのクリエイトを目指すSOULOGICが、これまた「クロスオーヴァーしたパフォーマンス」の、良いプロトタイプを作る事が出来たと思う。

今回僕が特に感激したのは、僕らのアルバムから「Standing In The Shades Of Love」というインストゥルメンタル曲に振り付けをしてもらったこと。馬塚さんのアイディアで実現した企画だったのだが「朝目覚めると隣に寝ていたはずの彼がいない、彼女は彼の残り香を抱きしめて....」という場面をダンスパフォーマンスで表現するものだった。これは、もうモダンダンスとかモダンバレエの領域で、僕はまさか自分の音楽がそういう使われ方をするなんて想像もしてなかったので、驚くと同時に感動したのだった。

この曲、メインがトランペット+フルートで、諸事情により今回のライブに演奏メンバーをそろえられなかったので、トラックで踊ってもらうことしかできなかったが、次の機会にははぜひ演奏とダンスのコラボレーションを実現させたい。

また先に「プロトタイプ」と書いたが、僕はSOULOGICのライブをトラックプレイ(DJ)、ヴォーカル、演奏、ダンス、そして映像などがシームレスに結合したショウにしたいと考えているので、そのいい予習になったという意味である。今回やってみて分かったこともたくさんあるし、手間も時間もかかるかもしれないが、ぜひ実現させたい。

最後になってしまったが、今回こういう機会を作ってくれた馬塚さんにあらためてお礼を言いたい。ライブの最後は予定に無かった馬塚さんの「ラテンダンス講座」になって、お客さんも参加してフロアーは大盛り上がり、御本人は「インストラクター魂に火が付いた」と言って笑っておられたが、そういうグルーヴを大事にする、楽しんでもらう事にサービス精神を発揮する姿勢は僕も大いに共感している。またぜひ一緒にライブを作ってみたい。

★馬塚三枝子さんのHPはこちら⇒Passion Of Mieko Mazuka


★念を押してもう一回告知

2005-04-18 21:18:34 | 音楽
以前にもお知らせしたが、明日は、ダンスパフォーマー馬塚三枝子さん監修、イラストレーター川島千草さん著『恋するヨガ』(イーストプレス)出版記念パーティーライブ「LIVE YOGA」当日。今回SOULOGICが音楽面をバックアップしている。

Koi_Yoga
■日時:4/19(火) 19:00~21:30

■場所:六本木GARDEN  03-3475-6969

■料金:¥4000(1drink)




今回はヴォーカル&コーラスに僕らのアルバムにも参加しているMargo(マーゴ)を迎え、MAZUKA クルーによるダンス&パワーヨガ&ファッションショウとSOULOGICのライブの正真正銘のコラボレーションになる。勿論僕達のアルバム"Voyage To Funktasia"からも数曲、また未公開の新曲もお披露目予定だ。

お時間のある方はぜひ。

さらに詳しくは⇒SOULOCIC WebSOULOGICのホームページにて!



静かに2年目に突入、の巻

2005-04-13 21:02:07 | コラムと音楽
このブログをはじめて1年が経った。思えばあっという間だったが、少しばかり環境に変化があったりもした。そして相変わらずの貧乏暇なし生活ではあるが、何とか少しずつ前へ進んで来れたし何よりブログをはじめた事がとても良かったと思っている。

ブログをはじめて良かったなと思う事のNo.1は、何と言っても音楽好きな人たちのブログを覗いたり、コメントしたりされたり、そんなに密度が濃いわけではないけど刺激になることが多いことだ。一例を挙げるなら、左サイドバーにリンクもあるJapan Music BlogのJMさんのブログ"jm's my Taste"。恐らく世代的には同じくらいと思われるJMさんのブログには、毎日何かしらのエンタメ情報を書き込まれていて、音楽に関してだけ取ってもオーソドックスなJazzから先端のClub Musicまで幅広く(なおかつ視点がぶれずに)紹介されていて、僕にとっては貴重なニュースソースにもなっている。そしてそこに訪れる音楽好きの皆さんのブログの楽しいこと!20年近く音楽業界にいて、時には「本当に中高生や若い人しか音楽を買って無いのか??」と不安になることもあったが、そんなことはただの取り越し苦労であった。 仕事をして、家庭もあって、でも皆さんいくつになっても音楽を生活の一部として楽しんでいる!それが確信できたとき「消費されて行くばかりでは無い価値あるものを作りたい、つくることに関わっていたい」という思いを一層強くした。

一方、このブログを始める時に切っ掛けとなったブログ、"Skin Tight"のGingerさんのように自分自身もクリエイターで、なおかつ音楽マニアである若い世代の人たちからもとても刺激を受けている。古いものから新しいものまで、僕らが知らず知らずの内にジャンル分けしてしまっていたものの垣根を「センス」という羽で飛び越えてしまっていて、僕が地上の4ツ足動物の視点だとすると、それは鳥の視点だともいえる。同じものを見ていても見ている角度が違うのである。僕もアタマを柔らかくせんとアカン!コンテンポラリーで有り続ける事とは、流行りの音を追い掛けて行く事では無くて、時代の空気をしっかり吸ってそこにある「匂い」を嗅ぎ付ける事だ。

これを書きながらいつも思う。こんな長ったらしい文章を誰が読んでくれるのかと。でもここまでやってきて、こんな風にブログを書いている事はやっぱり楽しい。これからも気まぐれにこの調子で書きなぐって行きたい。そんな僕の「公然たる独り言」にこれからもおつき合いいただければ幸いである。

★Tony!Toni!Tone! 『HOUSE OF MUSIC』
Tonies
1周年記念ということで迷いに迷ったが、コレ!最初の頃は流行りのNew Jack Swingをやっていてちょっとアイドルっぽかったが、このアルバムではそんな面影は欠片も無い(良い意味で)。古き良きR&B、Soul、Blues などから吸収したエッセンスを見事にコンテンポラリーな作品に昇華させた傑作である。このあたりの彼等をNew Classic Soulとカテゴライズしているのを良く見かけたが、本人たちにとってはどうでもいいことだろう。仲の悪そうな(笑)ラファエル・サディーク(vo,etc)のHipHop世代感覚とドウェイン・ウィギンスの絶妙に古臭いギタープレイのブレンド具合が、他に類を見ないサウンドプロダクションの核だ。

実はこのアルバムには思い出がある。僕があるアーティストのミックスダウンでL.A.のスタジオに行った時、となりのスタジオからやたらとカッコイイ音が聴こえて来たので、誰か?と訊ねたら彼等だった。ちょうどこのアルバムの"Loving You"という曲を録音している最中で、たまたま僕らのエンジニアがトニーズの前作を手掛けた人だったので「好きなんだったら紹介してあげるよ」といってラファエルに引き合わせてくれた。当のラファエル君は突然わけのわからん東洋人を紹介されてキョトンとしていたが。残念だったのは、僕らが外出していた数時間の間にシーラ・Eが来てコンガを録音して帰った、と聞かされた事だ。ま、ただのミーハーなわけで...。