小学生の頃、小さな村に住んでいた。
犯罪もなく、平和なところだった・・・。
テレビで強盗のニュースを見るたびに、「どうして、お金を取るんだろう・・・??」と、不思議に思っていた。
ある日、学校に貯金箱を持っていき、先生に「僕は毎年、お年玉を貯めてるし、小遣いも少しづつ貯金してるから、泥棒さんがお金に困ったら、これを渡してください!!」
そんなことを言ってたっけな・・・
いつからだろう、人を恨み、人を憎しみ、人を傷つけ、自分さえも、心も体もズタズタにし始めたのは・・・
人間なんて、所詮裏切る生き物・・・金で何でも解決できる・・・
そう、自分に信じ込ませていた・・・
そんな人間に、誰も近づいてくることはなく、みんな離れていった・・・
いつしか、「ひとりぼっち」に慣れてしまい、何もかもがどうでもよくなっていた・・・
人生とは不思議なもので、そんな俺に「きっかけ」が訪れた。
それが、今の会社との出会い。
いろんな人が、いろんな障がいを抱え、それでも必死に頑張って、生きている。
入社当初は、あまりそんな事は考えなかった。
相変わらず、自己中心的な発言や行動で、みんなを怒らせたり、呆れ返させたりしていた。
今年で3年目になるが・・・何かが自分の中で変わっていくのを感じる。
「最近、お前変わったな~!!」
そう、言われる事が多くなった。
そして、なぜかいろんな人から慕われるようになってきた。
「幸せな生活」とは、無縁の人生だったため、妙に「幸せ」が不安に感じる事すらある。
今が、きっと「幸せ」なんだろう・・・これが、「幸せ」って事か・・・
そんな事を、ぼんやり考えながら毎日過ごしている。
「貯金箱を持った少年」が、ようやく俺に微笑んでくれてるようだ・・・