タモリ氏といえば、東京では12チャンネルでやっていたあの世紀の珍番組「モンティパイソン」(76年)での前座というか司会のような役割で出演したのがTVレギュラーデビューであったのか。四カ国語麻雀とか、中州産業大学タモリ教授ネタやハナモゲラ語でのパフォーマンスなどをやっていたのを思い出す。当然、これらの芸の入ったレコードも買ったのである。モンティパイソンとタモリという新しいインテリジェンスとアナーキイズム溢れる笑いの出現はダブルパンチで私を襲い、相当の影響を与えてくれている。
あのころからタモリ氏は、筒井康隆氏や坂田明氏などと学術的にハナモゲラ語の体系化作業を進めた「定本 ハナモゲラの研究」を一部出筆するなどしたり活躍の場は一挙に広がった。この本も買ったのだが、彼のを感じたものであった。それは、芸のひとつである中州産業大学という教授芸が影響しているのか。タモリ倶楽部でおなじみであるが鉄道、船等の乗り物系ばかりでなく、料理、職人芸、言語等様々なものへの博識ぶりは相当な物である。
そのタモリ氏が路地ならぬ坂道に並々ならぬ研究をされていたという。その集大成が「タモリのTOKYO坂道美学入門」として発刊された。文・写真 タモリということであるが、立場的には飲み屋で坂の話を部下にとうとうとしていた某社社長とその場で盛り上がり、坂道好きに火がつきついに二人だけで「日本坂道学会」を発足させたそうなのである。そして、TOKYO★一週間での連載を経て昨年の10月に単行本として発刊された。路地裏研究所としても将来はこのような本をと考えていたそのものをやられた(作ってもいないので主張する権利は全くない)。愛情溢れる本である。楽しんでいる本である。また、一般人を楽しませる工夫がある。それが坂の条件と記述されているもので4つある。
1 勾配が急である
2 湾曲している
3 回りに江戸の風情がある
4 名前にいわれがある
坂の写真を見ながら、自分なりに採点してみるのも面白いし、タモリ氏の採点を採点するのも面白い。ましてや、自分の知っている坂であればなおさらであろう。
ホイホイ路地裏研究所も、やはり、皆様のお気に入りにしていただくためにはいろいろの工夫をしなければいけないと反省する今日この頃なのである。
お、それとご報告。本日、春雨のカリー、5年30度、8年43度の3本が届きました。封を開けるのがもったいなくなんてことはないが、写真だけはしっかり撮ってから呑んでみますので、感想はお待ちくださいな。
![]() | タモリのTOKYO坂道美学入門講談社このアイテムの詳細を見る |