
DCDCコンバータは、電源投入時に過大な電流な流れたり、
出力電圧が設定値よりも高い電圧が発生したりします。
このようなことが起きないようにするためにソフトスタートという
機能を使います。
ソフトスタートとは、電源投入時の短い時間だけDuty maxを抑えるものです。
なぜ、Dutyを抑えるかというと、電源投入時は、出力電圧は0Vです。
DCDCはDutyMax(90%程度)で動作することになります。
いきなり、90%のDutyで動作するとコイルに流れる電流は、
⊿Icoil=⊿ton×(Vin-Vo)/L となります。
off時の電流の低減は ⊿toff×(Vo+Vf)/L となりますので、Voが0Vですと
ほとんど低減しません。VfはDiodeの順方向電圧です。
次のパルスでは、また⊿Icoilの電流が追加されるため、どんどん大きな電流となります。
出力電圧が規定の電圧になってVc電圧が低下してもコイル電流は大きな電流となっているため、すぐには低下しないため、出力電圧は上昇してしまいます。
その対策のため、出力電圧が規定になるまでDuty maxを制限しようというものです。
下記に前回の回路のC1(出力平滑コンデンサ)のinitial Conditionを0Vにし、Simulationをしました結果です。6.4Vまで上昇しています。
ソフトスタートの回路は、Duty maxの回路を追加し、その抵抗と並列にコンデンサを追加します。その回路を下記に示します。
R9、R8、U4がDutyMAXを決めるものです。
V1は信号源です。100kHzの鋸波で振幅は2.5Vに変更しました。
Dutymax=(V4×R8/(R8+R9))/2.5V となります。
今回の回路では、Dutymaxは90%にしました。
C5がソフトスタート用コンデンサです。Dutymaxが徐々に大きくなるようになっています。
U2は今回追加しました。これは、DutymaxとPWM信号のANDを取っています。
SIMUALTIONした結果を下記に示します。
ソフトスタート機能を追加したのが、下の青のLINEです。
出力電圧は5.24Vまでになっています。
電源が安定するまでの時間は長くなります。
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