鞦韆院落

北京で過ごすインディペンデント映画な日常

台湾紀行 その6

2014-10-29 03:40:46 | 旅行記
緑島は1泊するくらいがちょうどいい。
小さな島だし、海水浴も基本的に禁止されているし、これといったアトラクションもない。
食べ物としては鹿肉とトビウオが名産品らしい。



鹿は島内で育てているもので、レストランなどでも鹿料理を提供しているが、多分そんなに美味くないので食べなかった。
トビウオは揚げ物や干物にされてよく売られている。
屋台で売られていたトビウオのフライ(NTD100)を食べてみたが、硬くなっていて美味しくなかった。
日本のアジフライみたいなのを作って店を出したらさぞ売れるだろう。



少し洒落たバーでは、スパゲッティを出していたのだけど、トビコのクリームスパゲッティというのがあって、つい頼んでしまった。
だが、市販のレトルトのクリームソースにトビコを乗せただけで、スパゲッティの茹で具合もユルユルで、NTD330も払う価値は無かった。



帰りの便は14時半発なので、それまで自転車で島を一周する。
天気が良くなってきたので、海の色がきれいだ。









朝日温泉に入ってみる。
ここはサンゴ礁から出てくる海水の温泉で、こうした海底温泉は世界的にも珍しい。
朝日を見ながら入れるから旭温泉と日本人が名づけたものが、今に至っている。
水着着用で入ることになっていて、帽子も被らないといけないらしい。
私は水着を持っていなくて、そのことを民宿の主人に話したら「短パンで入ればいい」と言われたので、本当に短パンで入ってしまった。
若い女性がたくさんいるかと思ったら、ほとんど誰もいなかった。
NTD200のチケットが高いからだろうか。

海の近くの露天風呂はただの海水で、温かくもない。
近くを魚が泳いでいたりする。
屋内の方は湯加減は良かったが、匂いも色もなくて、ただの海水みたいだった。





温泉を出て磯遊びをしていたら、あっという間に船の時間になっていた。
レンタサイクルを返して、船に乗る。
帰りの船は嘘みたいに静かで、誰も酔っている人はいなかった。

できるだけ先を急ぎたいので、台東についたらすぐ高雄へ移動することにした。

宿の予約を取っていなかったので、高雄に着くとすぐに駅のそばのホテルを探した。
怪しげなホテルも多いが、少し歩くと日本語でいろいろ書いている地味なホテルがあったので、フロントのオバサンに値段を聞いたらNTD700だという。
これまでドミトリーでも650も払ってきたので、風呂付きのシングルでその値段なら安い。
ということで、早速チェックインをすべくパスポートを出すと、「あなた日本人だったの?」とオバサン。
「大陸の人みたいだねえ。あまり舌を巻いて話さないほうがいいよ」という。
中国人に間違えられると損だということだろう。
確かに、さっきまでの態度とうってかわって、日本語を交えながら楽しそうに話している。

台湾に来た時からずっとそうなのだ。
私が日本人だと分かったとたんに、みんな笑顔になる。
この人たちは中国人がよほど嫌いなのだろう。まあ、好きな人などどの国にも稀だが。

高雄はかつて打狗と呼ばれていた。
ダーゴウの音がタカオに変わって、日本人が高雄と字を変え、その字が残ってガオションになった。
打狗とはまた穏やかではないが、台湾には極めて犬が多い。
飼い犬も多いし、野良犬も多い。



高雄を観光するつもりはなかったのだが、せっかく来たことだし、近くの町へ行ってみることにした。
旗山という、高雄からバスで1時間ほどの、バナナの産地として有名なところだ。
古い町並みがある所としてガイドブックにも載っているし、週末は台湾の旅行者で賑わう。





ここには使われなくなった旗山駅の駅舎がある。
日本統治時代、ここに大きな砂糖製造工場が作られたため、物資を運ぶために鉄道が引かれたのだが、その後徐々に砂糖の値段が下がり、工場も縮小していったため、路線は廃止された。
駅舎は文化的価値から観光資源として生かされている。



駅から伸びる老街は、いかにも観光地といった感じであまり面白くない。
ただ、少し離れた砂糖工場まで行ってみると、誰もいないダチョウ園があったり、台湾糖業公司が作っているアイスが売られていたりして、寂れた感じがとてもいい。
台湾糖業公司は今や他の食品や観光業など多角経営で成功しており、サトウキビによる砂糖製造はほとんど過去のことになっている。




夕方、高雄に戻るもまだ時間があったので、夕日でも見ようと西の海岸まで行ってみることにした。
途中で地下鉄を利用したのだが、驚いたことにこの地下鉄の車内アナウンスで国語(北京語)、台湾語、客家語、英語、日本語が流れている。
日本からの観光客に気を使ってのことだろうか。少しやり過ぎな気もするが。



ここの海岸は夕日の名所らしく、カップルがたくさんいる。



すぐそばに打狗英国領事館の跡があるので見に行ったのだが、これが失敗だった。
中国からの団体ツアー客でごった返していたのだ。
辺り構わず痰は吐く、タバコは吸う、食事はする、ゴミは投げ散らかす、展示品に勝手に触る、芝生に入るといった具合で、実におぞましい。
これからは中国人と間違われないように、日本語だけで旅をしてやろうかと思った。


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