そう、わんちゃん!
大の犬派のわたしは、犬を飼う思慕は諦めきれないけど、今となっては時間がゆるされないと聞く。現在では登録のチップは義務だし、犬の余命と飼い主の余命が合わないと飼えないらしい。一番の問題は飼い方に責任を持つことだけど、自信もないので他所様のわんちゃんを見て満足することにしている。
で、この暑さでは極力、コウモリみたいに夕刻にならないと買い物に出掛けないことにしているが、たまの用で仕方なしで家を出た。
そこで、信号待ちしていると、年配の女性が日傘を差しながら丸々とした黒柴をリードに繋いでやって来た。たぶんわたしの視線が、毛、暑いね、暑くない?足の裏、熱いでしょう、火傷しない? 顔でそう言って語りかけていたんですかね。
するとその女性は、「この暑いのに散歩に行くというんよ、ホント暑いのにねえ、行きたい行きたいって」とわたしに向かって言う。犬を飼っていると、犬の気持ちってわかるもんね。この飼い主さん、犬とわたしの気持ちが読めるんだ。
黒柴は確かに暑そうな素振りも見せず、まわりをウロウロしている。
いやはや動物は環境に順応するのが人間とは格段に違って柔軟なんだ。