10月30日の日経に「FRB、「債務超過」10兆円でもなぜ無風? 日銀への教訓」という面白い記事を見つけました。
ぜひ本文をお読み下さい。
記事の前半部分をざっくりまとめると
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①米連邦準備理事会(FRB)の実質的な債務超過は10兆円規模。だがドルは急落の気配がなく、米国債がFRBの財務悪化で売られているわけでもない。
②FRBは急激な利上げに伴う「逆ざや」に直面。余剰マネーがたまる準備預金などに払う利子を高クした結果、支払金利(付利)は5%強。これに対し、保有する米国債や住宅ローン担保証券(MBS)の利回りは今年前半で2%前後。
③赤字は昨年9月から発生。今年3月ごろに自己資本を上回り、単純計算では10月末時点で700億ドル(10兆円強)。
④ここからが凄い。
会計上は、損失が出るとその分を未払いの国庫納付金と認識して「繰延資産」として計上するので、累積赤字が資本を超えても債務超過とはみなさない。FRBは「金融政策の遂行には何の問題もない」と強調する。
その起源は、2011年に、期間損益が赤字となった場合には累積赤字を繰延資産として計上するといった手当てを行ったこと。
⑤FRBは利益の大半を国庫に納める義務があるが、累積赤字が残る間は猶予してもらえる。本来支払うべき納付金を免除されたと考えれば、その分は資産として扱えるということだろう。利益が出るようになったら少しずつ取り崩し、ゼロになって初めて納付を再開する。将来の利益を先食いして資産項目に立てているといえる。
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凄いスね。
「赤字」を「資産」にすげ替え、国庫納付を一定期間、凍結するような手法ですか。
直観的には、「繰越欠損金に係る繰延税金資産」に似ていて、これをFRBが堂々と行ったってワケですね。
釈迦に説法ですが、繰越欠損金は、一定の要件を満たせば、将来の課税所得と相殺することができ税負担を軽減させることができるため、貸借対照表の借方に「繰延税金資産」として計上することができます。しかし資産計上できるのはあくまで相殺によって減額できる税金相当額ですから。FRB版は赤字がそのまま資産ですからね。
会計上はとても褒められた処理ではないが、FRBは繰延資産というイリュージョンで市場参加者を黙らせている感覚があります。
翻って日銀。今のところこのような処理方法は導入していないが、将来に向けて、仕込むべきマジックの種ではなかろうか。
市場参加者を黙らせることができるかどうかは別だが。
ぜひ本文をお読み下さい。
記事の前半部分をざっくりまとめると
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①米連邦準備理事会(FRB)の実質的な債務超過は10兆円規模。だがドルは急落の気配がなく、米国債がFRBの財務悪化で売られているわけでもない。
②FRBは急激な利上げに伴う「逆ざや」に直面。余剰マネーがたまる準備預金などに払う利子を高クした結果、支払金利(付利)は5%強。これに対し、保有する米国債や住宅ローン担保証券(MBS)の利回りは今年前半で2%前後。
③赤字は昨年9月から発生。今年3月ごろに自己資本を上回り、単純計算では10月末時点で700億ドル(10兆円強)。
④ここからが凄い。
会計上は、損失が出るとその分を未払いの国庫納付金と認識して「繰延資産」として計上するので、累積赤字が資本を超えても債務超過とはみなさない。FRBは「金融政策の遂行には何の問題もない」と強調する。
その起源は、2011年に、期間損益が赤字となった場合には累積赤字を繰延資産として計上するといった手当てを行ったこと。
⑤FRBは利益の大半を国庫に納める義務があるが、累積赤字が残る間は猶予してもらえる。本来支払うべき納付金を免除されたと考えれば、その分は資産として扱えるということだろう。利益が出るようになったら少しずつ取り崩し、ゼロになって初めて納付を再開する。将来の利益を先食いして資産項目に立てているといえる。
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凄いスね。
「赤字」を「資産」にすげ替え、国庫納付を一定期間、凍結するような手法ですか。
直観的には、「繰越欠損金に係る繰延税金資産」に似ていて、これをFRBが堂々と行ったってワケですね。
釈迦に説法ですが、繰越欠損金は、一定の要件を満たせば、将来の課税所得と相殺することができ税負担を軽減させることができるため、貸借対照表の借方に「繰延税金資産」として計上することができます。しかし資産計上できるのはあくまで相殺によって減額できる税金相当額ですから。FRB版は赤字がそのまま資産ですからね。
会計上はとても褒められた処理ではないが、FRBは繰延資産というイリュージョンで市場参加者を黙らせている感覚があります。
翻って日銀。今のところこのような処理方法は導入していないが、将来に向けて、仕込むべきマジックの種ではなかろうか。
市場参加者を黙らせることができるかどうかは別だが。