週末、またMBO案件が発表されました。
外食・小売のレックス・ホールディングス。
今回のプレスリリースはこちらから。
http://www.rex-holdings.co.jp/ir/release/index_tmp.html
で、最近のIR資料等を見た印象をつらつらと・・・・。
ただし今回は定量分析ではなく、定性的な側面に注目しました。
まずは前期決算(05年12月期)の決算説明会資料
http://www.rex-holdings.co.jp/ir/images/pdf/2005_presentation_large.pdf
強気計画のオンパレード。
「2011年 外食日本一」
「2016年 小売日本一」・・・・・。
今思えばこの時期が当社の絶頂期でありました。
ところが、半年後の06年12月期中間決算資料を見ますと、事態が暗転。
http://www.rex-holdings.co.jp/ir/images/pdf/earnings_060825.pdf
「収益構造そのものを見直す経営革新が必要」
これが僅か半年前に大風呂敷を広げた同じ会社とは・・・・・。
しかも資料p.2には、
「リアルタイムで経営課題を知る体制の未整備」と言い訳がましく記載。
これがまさに急成長会社の落とし穴。
短絡的かつ邪推の域を出ませんが、
期初計画は、全社的問題を把握していないままバーンと打ち出してしまった
のかも知れませんね。
で、今回、今流行のMBOで非上場化ですか・・・・。
この会社の見通しの悪さには呆れるばかりです。
でも、変わり身の早さも「日本一」かも・・・・。
結果論ですけど、 財務への負担も増す中、徒な拡大路線を修正した点は、
当然と言えば当然。
これも結果論で誠に恐縮ですが、素人的に見て、
コンビニ、高級スーパー買収はやるべきではなかったと思います。
確かに買収を実施したことで、直近2年程度の成長ストーリーを演出・維持することが
できたと思いますが、その分、コア事業(居酒屋業態)のリストラが遅れてしまった。
(記者会見でもこれらの売却可能性について質問がありましたっけ。)
そして何よりも気になるのが、成長から一転、リストラへの方針変換で振り回される現場。
モラールに与える影響が気がかりです。
そして株主さんも。
で、最後はご参考までに、1月10日付 拙稿
「経営の失敗に関する「初期警告サイン」とは?」に当てはめて見ておきましょうか・・・・。
http://blog.goo.ne.jp/dancing-ufo/e/5995fd5a0c4d414f0725ee3d14cbed29
■トップの“暴走”に気をつけろ!
⑤経営陣には、自社の成長スピードを管理するだけの十分な経験があるか?
⑥経営陣が見過ごしていそうな、小さいが見過ごせない問題がないか?
■過剰な“誇大宣伝“に気をつけろ!
⑭期待のM&Aが、単なる“誇大宣伝“である可能性は無いか?
⑯深刻な問題の予兆となるスケジュールの遅れや目標不達成が最近無いか?
・・・・・ここら辺があてはまっているような。
そして同書では、M&Aの誇大宣伝が芸術の域まで高まっているジャンルの一つと。
『度重なる失敗、コストを過小評価して収益を過大評価するパターン、
巨額の買収プレミアム、巨大取引に立ち向かうCEOたちの英雄気取りなどを
背景に、買収劇をうまく見せたいという当事者の願望は否が応強まる。』と。
この結晶が05年12月期決算説明会資料での大風呂敷だったんでしょうね。
ではまた。
より一層の奮闘を期待します。
よよよさん。
いつも有難うございます。
西山社長ウォッチャーでもいらしたんですね。
そーでしたか。
ちょっと、生き急いでしまいましたね。
急成長外食にありがちな
パターンに見事に嵌ってしまった印象がします。
さあて、次はどこなのかなぁ?