◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

アクセス制限サイトの「財務系怪文書」を読み解く

2005-09-01 | 財務系怪文書を読み解く
いつもご覧いただき、誠に有難うございます。
余りの面白さとアクセス件数の少なさから、
そのうち有料サイトにしたいくらいです。

さて、このコーナーでは、
「勤務先で業務上見たいんだけれど、
アクセス制限がかかって見ることができない」ような
財務系怪文書を、独断と偏見でご紹介し、勝手にコメントするものです。

「こういうのがあるといいなぁ」という私のニーズから発案しました。
もちろん怪文書ですので、内容の真偽等には一切責任を負いませんよ。


記念すべき第1回は、「論談・目安箱」から少し古いネタ。
http://www.rondan.co.jp/html/mail/0502/050210-1.html
原文オリジナルのコピペです。


*****************************************
近鉄グループぐるみの粉飾決算です
(平成17年2月10日)
差出人: 不明
前略、昨日勤務先の件で電話連絡した者です。
あれから一晩考えましたが、
やはり西武鉄道の例を見ればご連絡する方がいいのかと思い、
メールをすることにしました。

ご相談の内容は当社を含めた近鉄グループぐるみの粉飾決算です。

ご承知のとおり近鉄グループは大日本土木の破綻した時点で
グループの不振は投資家の方々の知るところとなりました。
また去年は球団問題で庶民の方々まで台所事情が知れ渡りました。

当然今期なんて、どう考えても黒字を見込めるはずがないのに
中間配当を据え置いた分通期で検討するなんて
大ホラ吹いてますけどまずムリです。

今私の知る限り、有利子負債だけでも連結で1兆3千億を越える勢いに対し、
売上げは連結でも1兆5千億程度。

しかも簿外負債が数千億あるんです。
どう考えても債務超過です。

隠し方はいわゆる持分法適応外会社に飛ばす手法です。

表向きは経営改革とか言ってますけど、
時間のある方は数百社ある関連会社の主要株主と各社の財務諸表を
見ていただければ辻褄の合わないことばかりなので
ご理解いただけるはずです。

監査法人がハンコを押さなくなる前に読者の方々に
自己責任で株取引してください。とお伝えください。

どうやらこうしてお伝えすることで経理担当者としての
肩の荷がおりました。 草々

***************************************

<勝手にコメント>

不振の連結子会社の出資比率を落として、
持分法適用会社、さらには持分法適用外の会社にしてしまえば、

過大な不稼動資産と有利子負債を抱える連結子会社も、
この手軽な手法で、両建てでバランスシートをスリム化できます。
この粉飾は、十分ありえますね。


しかしこの人は、本当に経理の人なのでしょうか。
「持分法適応外」という表現は使いませんよ。
「時間のある方は数百社ある関連会社の主要株主と
各社の財務諸表を見ていただければ辻褄の合わないことばかりなので」
とおっしゃいますが、
各社の財務諸表が入手できれば苦労しませんよ。

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