久々にSBネタ。
本日の日経金融新聞に、ボーダフォン買収後の4-6月期決算を巡る3つの疑問点につき、
当社の経理部長さん(公認会計士)が回答する、っていう特集記事がありました。
その内容をざっくりとご紹介。
----------------------------------------------------
①ボーダフォン連結後の資産増加額が1兆円分少ない
(ボーダフォンのインフラ資産を簿価の4倍近い価格で購入した結果、
多額の償却を強いられているとの証券会社アナリストの指摘あり)
→<SBの回答>
取得時の資産と負債を時価評価するという通常の会計処理をしたまで。
買収代金1.73兆円-純資産0.61兆円=のれん代1,1兆円
ボーダフォン側で減損していなかった資産を当社が時価評価したため、
資産計上額が減った。
②ボーダフォンの減価償却の耐用年数を変更し、利益を水増し
→それはYES。ボーダフォンは8年間の定額法。これをSBの10年に合わせた。
当社では第三世代の資産の耐用年数は8年から10年にしたが、
第二世代の設備は3年10ヶ月で償却する。
年数変更が利益に与える影響額は単純には計算できない。
③何故、アナリストの評価や予想にばらつきがあるのか?
→事業が多岐に亘っているため、収益構造が複雑になり、
分かりにくくなっているのは確か。
業績予想も公表していないし。
対応策としては「実績」の説明機会の増加、
一方、「予想」については社内で検討中。
---------------------------------------------------
(コメント)
・まず3つ目の質問は、これはそもそも経理の人にすべき質問じゃないでしょう。
アナリスト評価にばらつきがあっていいじゃない?、本当の実力も測れるし。
・また減価償却の耐用年数の変更。
これはこの会社の常套手段で、今に始まったことではない。
社運をかけたボーダフォン買収が少しでも業績に寄与している!と見せたいのは
経理・財務なら考えることである種想定の範囲内。EBITDAは中立だし。
・1兆円超ののれん代も、当初から予測されたこと。
ただ気をつけなくてはいけないのは、
のれんの中には取得時の時価評価に伴う含み損も含まれているということ、
そしてそれが20年の長期に亘って処理が先送りされていることだと思います。
・また「収益構造が複雑で分かりにくくなっている」というくだり
では次のことを思い出しました。
1月9日の記事でご紹介した、シドニー・フィンケルシュタイン著
「名経営者が、なぜ失敗するのか?」日経BP社にある
企業経営上トラブルが発生する可能性を見るうえでの17のチェックポイント
には、こう書いてあります。
---------------------------------------------------------------------
<初期警告サイン>
■必要以上に複雑な組織や戦略に気をつけろ!
①組織構造が複雑になっていないか
②本来、単純な問題に対して必要以上に複雑な戦略をとっていないか?
③会計手法が過度に複雑だったり、不透明だったり、非標準的ではないか?
④複雑だったり、非標準的な用語を使っていないか?
---------------------------------------------------------------------
「またかよ?」と思われるでしょうが、重要だと思ったので再度掲載しました。
本日の日経金融新聞に、ボーダフォン買収後の4-6月期決算を巡る3つの疑問点につき、
当社の経理部長さん(公認会計士)が回答する、っていう特集記事がありました。
その内容をざっくりとご紹介。
----------------------------------------------------
①ボーダフォン連結後の資産増加額が1兆円分少ない
(ボーダフォンのインフラ資産を簿価の4倍近い価格で購入した結果、
多額の償却を強いられているとの証券会社アナリストの指摘あり)
→<SBの回答>
取得時の資産と負債を時価評価するという通常の会計処理をしたまで。
買収代金1.73兆円-純資産0.61兆円=のれん代1,1兆円
ボーダフォン側で減損していなかった資産を当社が時価評価したため、
資産計上額が減った。
②ボーダフォンの減価償却の耐用年数を変更し、利益を水増し
→それはYES。ボーダフォンは8年間の定額法。これをSBの10年に合わせた。
当社では第三世代の資産の耐用年数は8年から10年にしたが、
第二世代の設備は3年10ヶ月で償却する。
年数変更が利益に与える影響額は単純には計算できない。
③何故、アナリストの評価や予想にばらつきがあるのか?
→事業が多岐に亘っているため、収益構造が複雑になり、
分かりにくくなっているのは確か。
業績予想も公表していないし。
対応策としては「実績」の説明機会の増加、
一方、「予想」については社内で検討中。
---------------------------------------------------
(コメント)
・まず3つ目の質問は、これはそもそも経理の人にすべき質問じゃないでしょう。
アナリスト評価にばらつきがあっていいじゃない?、本当の実力も測れるし。
・また減価償却の耐用年数の変更。
これはこの会社の常套手段で、今に始まったことではない。
社運をかけたボーダフォン買収が少しでも業績に寄与している!と見せたいのは
経理・財務なら考えることである種想定の範囲内。EBITDAは中立だし。
・1兆円超ののれん代も、当初から予測されたこと。
ただ気をつけなくてはいけないのは、
のれんの中には取得時の時価評価に伴う含み損も含まれているということ、
そしてそれが20年の長期に亘って処理が先送りされていることだと思います。
・また「収益構造が複雑で分かりにくくなっている」というくだり
では次のことを思い出しました。
1月9日の記事でご紹介した、シドニー・フィンケルシュタイン著
「名経営者が、なぜ失敗するのか?」日経BP社にある
企業経営上トラブルが発生する可能性を見るうえでの17のチェックポイント
には、こう書いてあります。
---------------------------------------------------------------------
<初期警告サイン>
■必要以上に複雑な組織や戦略に気をつけろ!
①組織構造が複雑になっていないか
②本来、単純な問題に対して必要以上に複雑な戦略をとっていないか?
③会計手法が過度に複雑だったり、不透明だったり、非標準的ではないか?
④複雑だったり、非標準的な用語を使っていないか?
---------------------------------------------------------------------
「またかよ?」と思われるでしょうが、重要だと思ったので再度掲載しました。
mixiの上場、dancing-ufoさんなりの切り口で取り上げていただけませんか?
まだ分かりませんが2000億の時価総額になりそうなことや、そもそも調達して何をするのか?設備投資いる業態?exitを疑いたくなる何とも言えないIPOとお見受けしてます。
楽天がCyberAgent(CA)などの株売却、CAはmixiの大株主で今回も売り出しするとのことですので、この辺のネット系企業のキャッシュ捻出つながりでも気になるところです。
以上、失礼しました。
噛み合ってないインタビューだなあ、と。
どこかの証券会社ではありませんが、目標株価900円も頷けてしまいます。
あと、「何故、アナリストの評価や予想にばらつきがあるのか?」という質問は、dancing-ufo様ご指摘の通り、経理部長に聞くことではありませんね。
日経記者による(特定のフィールド内限定ですが)かの有名な経理部長への皮肉でしょう。あんたの応対が悪いせいもあるんだよ!と。
横レスで恐縮ですが、mixiは
ストックオプションが上場日から行使可能だったり、
ベンチャーキャピタルのロックアップ条項がなかったりするのをみると、ちょっと引いてしまいますね。
小生財務等の難しい事は判りませんが、人の言動や思想等を見ています。
財務に関っている方々の意見、視点、感性等々理解していけたらなぁと思っています。
そこで今回思った事は不必要に複雑難解よりも単純簡単な方が良いと言う事なのだと思いました。