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♪ 牛丼 have to  worry, worry  ~資産除去債務会計に”ねらわれた外食”

2010-08-04 | 会計・株式・財務
週刊東洋経済8月7日号に「外食業界は大混乱 資産除去債務の襲撃」
というレポートがありまして、この中で興味深い事実がわかりましたので、
後学のためにメモとして残しておきます。


まず、資産除去債務会計基準に関しては、以下のサイトをご参考下さい。

  ⇒資産除去債務会計基準(基準そのものです)


  ⇒資産除去債務・環境債務の開示動向(結構、奥が深い)

 また、実務書では新日本監査法人さんがこのような本を出されております。
   
資産除去債務の実務―対象債務の抽出と会計処理
新日本有限責任監査法人
中央経済社



要するに、外食企業において、
この新会計基準が適用されると、賃借物件から撤退する際、原状回復などにかかる費用を事前に見積もり、
財務諸表に反映させなければならない


2011年3月期から強制適用ということで外食各社、特別損失の予定額などが明らかになっているのですが、
各社によって費用計上の考え方が大きく異なっていると



特に対照的なのは、牛丼2社。ゼンショーと松屋の処理

■ゼンショー=全3,934店のうち3~4割にあたる定期借家契約(店舗の退出時期が決まっている)のみを資産除去債務の対象としており、
       退出時期を任意に選べる普通借家(6~7割)は対象外としている。
       この結果、特損はわずか3億円に過ぎない。(あずさ監査法人)

■松屋フーズ=全791店のうち定期借家(全体の1割)に加え、普通借家(9割)も資産除去債務の対象としており、
       特損は1.8億円とゼンショーと大差ない。
      (監査法人はトーマツ)

ゼンショーは自ら「世界一臆病な企業」と言っているだけあって、資産除去債務にかかる損失計上もおっかなびっくりなのでしょう。
まぁ、将来に損失を先送りしなければいいんですけどね(とは言ってもさほど大きな額でもないか・・・・)



ところで、牛丼とくれば吉野家を忘れてはいけませんが、
店舗の収益性悪化などから前期は減損損失▲86億円(のれん含む)とケタ違いの損失を計上。
資産除去債務会計以前の問題でした。何でこんな差が開いちゃったんですかね。

これはあくまで個人的な直感ですが、「ハンバーグ」がグループも含めてメニューにあるかないかが大きいのでは?
要するに、牛肉の有効活用という観点。ゼンショーは傘下のココス、松屋は本体で提供してますから。
一方、吉野家ではこれといって見当たりません。
有効活用はいいですが、まさか「リサイクル」はないんでしょうけどね(シャレになりませんから)。




いずれにせよ、企業サイドが曖昧な解釈の余地を逆手に取り、恣意的な運用をする可能性が残る、との指摘はその通り。
でもすでに私は慣れてますけどね、減損会計で。割引率がやたら低い企業とか。


最後に個人的な願望を言わせていただければ、
資産除去債務会計もいいですけど、牛丼の多すぎる脂身。これをなんとか除去して欲しいですね。
(私はいつも7~8分ほど時間をかけて、脂身を外して食べています。だったら食うなと言われそうですが。)


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■本日のネタ元となった曲■

「守ってあげたい」松任谷由実  <歌詞> 





聞こえませんか? 冒頭のフレーズ。
「牛丼 have to worry、 worry」って。


コメント (1)    この記事についてブログを書く
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1 コメント

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おもしろい! (今日は、金曜日ですね。)
2010-08-27 05:50:54
 おもしろい。
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