◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

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暴落という幸運

2008-08-21 | 会計・株式・財務
本日はこの本。
3月に出た本ですが先日ブックオフ105円コーナーでゲットできました。

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術
橘 玲
ダイヤモンド社

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個人向けの資産運用指南書なのですが、最新の金融動向も丁寧に解説されており、歯ごたえのある内容。ただ初心者向きとしては難しいかも。

著者は金融資産に比べて人的資本が圧倒的に大きい場合、
  原則1:全資産を株式に運用すべきである、   
  原則2:投資にはレバレッジをかけるべきである、
  原則3:全資産を海外で保有すべきである、
と主張しております。

ここでいう人的資本とは一人一人の労働価値で年収を長期金利で割り引くことで
計算できます。
たとえば年収500万円を長期金利2%で割引計算して2億5千円・・・てな具合です。

で、つまるところ、海外に口座を作ってETFなどで運用しましょうよ、
という提案。


ちなみに
純資産(金融資産や不動産資産から住宅ローンなどの負債を引いたもの)

期待資産額(=年齢×年収/10)
を上回っているか、いないかが金持ちか否かの分岐点だとか・・・・。
上回っていればお金持ち(蓄財優等生)。
私は自信を持って、下回ってます。

だとすると、もう少し財産形成に努力しなくてはいけない。
その点で現在起きている暴落は幸運かも知れませんね。



著者は、堅実な投資家にとってサブプライム問題に伴う市場の調整は投資単価を
引き下げる絶好の機会としております。

「企業は倒産するかも知れないが、
マーケットは人類が滅亡しない限りゼロにはならない。」と。
  まっ、そりゃぁそうだ。

さらにケインズの言葉を引用して自説を補強しております。
どういう内容かといいますと・・・・
1929年の大暴落で資産のほとんどを失ったケインズが当時かかわっていた
投資会社の取締役会のために書いたメモから。
その当時、パニックに陥った取締役のほとんどが「株をすべて売り払え」
と叫んでいたからだとか。


①世界が終るのではないかといったようなことを、私も漠然と懸念してはいるが、 そういったことはヘッジできないリスクなのだから、気にしても仕方がない。

②もし売り払えば、私たちのメンタリティは、2度とああいうことはしない、
 ということになり、回復がやっと始っても、完全に大幅に乗り遅れ、
 間違いなく取り残されるだろう。

・・・・・・・

で、結局、ケインズのアドバイスは正しかった。


「暴落という幸運」。うまく資産形成のチャンスにつなげていきたいものです。




で、本日の1曲。
ちょうどサザンオールスターズが節目となる30周年記念コンサート
をやっていることもありまして、この曲を。


サザンオールスターズ「慕情」



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