大きなニュースが飛び込んできました。
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【日経記事】
米SEC、国際会計基準を14年から順次導入
米証券取引委員会(SEC)は27日、米国の上場企業に国際会計基準の採用を
認める方針を明らかにした。計画案によると、2014年に一部の大企業が採用し、
16年には中小企業も含めて導入を終える計画だ。
義務化するかどうかは11年に最終判断するとしている。
独自の会計基準にこだわってきた米国が欧州主導の国際会計基準採用に
動くことで、日本の導入議論にも影響を与えそうだ。
SECは本部で公開の会議を開き、発行済み株式の時価総額に応じ、
14年に大企業、15年に中規模の企業、16年に小企業という方式で順次、
国際会計基準を使った財務諸表の提出を認める方針を示した。
これまで米国企業に対しては、米国の一般会計規則に基づいた報告を出すよう
義務づけてきた。国際会計基準は欧州を中心に既に100カ国以上が導入しており、
国境をまたぐ取引の浸透からも対応が必要と判断した。
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この手の情報が満載されている長谷川茂男先生「会計コンバージェンスの仕組み」
(中央経済社)を改めて読んでみますと・・・・・・・。
同書P.132などにて著者は、この日の動きを予想しており、その上で
その後の動きをこう展望しております。
<米国>
・SECが海外登録企業に対して調整なしで国際会計基準を認め、
米国内企業に対しても国際基準の適用を認める。
この姿勢は「名を捨てて実を取る」政治的要素の強いもの。
・つまり、FASB(米国財務会計基準審議会)はかなりの数の有能なスタッフを
抱えており、それらの人がIASBに参加し、米国の利益を代弁させていく、
というもの。
・実務上の問題としては、SECはできる限り米国基準と国際基準の差異を
縮小させた上でのソフトランディングを考えていると。
キーワードは「CONDIFICATION(編集)」
2008年の案では、たとえば従来のFASB基準書などを50程度の項目ごとに集め、
1つの基準書を作成するというもので、従来の基準書等の名前は消滅し、
不要なものは除去。
・FASBはCONDIFICATIONによって、米国基準のスリム化を図り実効性を高めた
うえで、今後のIASBとのコンバージェンスに臨む。
著者は、米国で国際基準が強制されるまでには、ほとんどの米国基準と
国際基準の差異が消滅して、基準の名称が変わるだけではないか、との観測。
<日本>
・世界の国で自国基準に固執するのは日本のみとなる。
・そのためか、最近は、コンバージェンス(収斂)ではなく、国際基準の
アドプション(採用)の議論が浮上している。
アドプションは国際基準を全面採用するという意味であり、重要な差異
をなくするというコンバージェンスとは大きく異なる。
・その背景には、コンバージェンスするということは、永久的にに国際基準を
追い続けることになる。つまり新しい基準ができると、関連する基準書を
日本で作成する必要があり、まだろっこしい。
また、1990年代のアジア危機に際してのレジェンド問題など、
ジャパンプレミアムが再燃するリスクも高まる。
↓
どうやら、外堀が埋められた日本も、「全面採用」に傾く可能性が
高まってきました。
であれば、今度は国際基準に「日本的な良さ」をいかに注入して残すことが
できるか。(代表例:のれんの償却問題)
非常にハードルは高いですが、そちらに軸足を移して
何とか一定の発言権は確保してほしいものです。
ところで、ちょうど良いタイミングで財務会計基準機構が国際基準のセミナー
を開催します。ご興味ある方は参加してみてはいかがでしょうか。
セミナーのお知らせ「IFRSの現状と世界の動向」
では本日の2曲。
先日ブックオフで流れていた8年前の名曲。
スケール感がありますし、この曲も間奏が気に入ってます。
曲名は、・・・亡くなったK君にもっともっと早く伝えたかった言葉。
小柳ゆき 「be alive」 (PV)
そして彼女と言えばこの名曲も忘れてはなりません。
小柳ゆき 「REMAIN~心の鍵」 (PV)
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【日経記事】
米SEC、国際会計基準を14年から順次導入
米証券取引委員会(SEC)は27日、米国の上場企業に国際会計基準の採用を
認める方針を明らかにした。計画案によると、2014年に一部の大企業が採用し、
16年には中小企業も含めて導入を終える計画だ。
義務化するかどうかは11年に最終判断するとしている。
独自の会計基準にこだわってきた米国が欧州主導の国際会計基準採用に
動くことで、日本の導入議論にも影響を与えそうだ。
SECは本部で公開の会議を開き、発行済み株式の時価総額に応じ、
14年に大企業、15年に中規模の企業、16年に小企業という方式で順次、
国際会計基準を使った財務諸表の提出を認める方針を示した。
これまで米国企業に対しては、米国の一般会計規則に基づいた報告を出すよう
義務づけてきた。国際会計基準は欧州を中心に既に100カ国以上が導入しており、
国境をまたぐ取引の浸透からも対応が必要と判断した。
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(中央経済社)を改めて読んでみますと・・・・・・・。
同書P.132などにて著者は、この日の動きを予想しており、その上で
その後の動きをこう展望しております。
<米国>
・SECが海外登録企業に対して調整なしで国際会計基準を認め、
米国内企業に対しても国際基準の適用を認める。
この姿勢は「名を捨てて実を取る」政治的要素の強いもの。
・つまり、FASB(米国財務会計基準審議会)はかなりの数の有能なスタッフを
抱えており、それらの人がIASBに参加し、米国の利益を代弁させていく、
というもの。
・実務上の問題としては、SECはできる限り米国基準と国際基準の差異を
縮小させた上でのソフトランディングを考えていると。
キーワードは「CONDIFICATION(編集)」
2008年の案では、たとえば従来のFASB基準書などを50程度の項目ごとに集め、
1つの基準書を作成するというもので、従来の基準書等の名前は消滅し、
不要なものは除去。
・FASBはCONDIFICATIONによって、米国基準のスリム化を図り実効性を高めた
うえで、今後のIASBとのコンバージェンスに臨む。
著者は、米国で国際基準が強制されるまでには、ほとんどの米国基準と
国際基準の差異が消滅して、基準の名称が変わるだけではないか、との観測。
<日本>
・世界の国で自国基準に固執するのは日本のみとなる。
・そのためか、最近は、コンバージェンス(収斂)ではなく、国際基準の
アドプション(採用)の議論が浮上している。
アドプションは国際基準を全面採用するという意味であり、重要な差異
をなくするというコンバージェンスとは大きく異なる。
・その背景には、コンバージェンスするということは、永久的にに国際基準を
追い続けることになる。つまり新しい基準ができると、関連する基準書を
日本で作成する必要があり、まだろっこしい。
また、1990年代のアジア危機に際してのレジェンド問題など、
ジャパンプレミアムが再燃するリスクも高まる。
↓
どうやら、外堀が埋められた日本も、「全面採用」に傾く可能性が
高まってきました。
であれば、今度は国際基準に「日本的な良さ」をいかに注入して残すことが
できるか。(代表例:のれんの償却問題)
非常にハードルは高いですが、そちらに軸足を移して
何とか一定の発言権は確保してほしいものです。
ところで、ちょうど良いタイミングで財務会計基準機構が国際基準のセミナー
を開催します。ご興味ある方は参加してみてはいかがでしょうか。
セミナーのお知らせ「IFRSの現状と世界の動向」
では本日の2曲。
先日ブックオフで流れていた8年前の名曲。
スケール感がありますし、この曲も間奏が気に入ってます。
曲名は、・・・亡くなったK君にもっともっと早く伝えたかった言葉。
小柳ゆき 「be alive」 (PV)
そして彼女と言えばこの名曲も忘れてはなりません。
小柳ゆき 「REMAIN~心の鍵」 (PV)