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足りないのは「企業不正を見抜く力」だけか?

2016-03-09 | 会計・株式・財務
金融庁「会計監査の在り方に関する懇談会」においては、平成27年10月より、計4回にわたり、会計監査の信頼性を確保するために必要な取組みについて、幅広く議論を行ってきまして、3月8日に下記提言を発表しております。読まれた方は多いでしょう。


「会計監査の在り方に関する懇談会」提言―会計監査の信頼性確保のために―

(参考)施策の全体像

読んでいて特に違和感はなかったのですが、気になった箇所が1つありました。
11枚目(ページ8)から抜粋しますと・・・・
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3.企業不正を見抜く力の向上

最近の不正会計事案においては、

・製造原価がマイナスとなる異常値を監査チームの担当者が認識したにも関わらず、 更なる検証や上司への連絡を行わなかった

・製造工程における多額の原価の調整について一方の工程の仕訳 について 企業側から説明を受けながら、当然必要となるもう一方の工程の仕訳を確認しなかった

・工事進行基準が 適用される事案について、経営者が使用した重要な仮定の合理性や見積りの不確実に関して当然行うべき検証を行わなかった

など、会計士個人としてまた組織として、企業不正を見抜く力が欠如していたことが指摘される。
 

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ちょっと待って下さい。コレって「企業不正を見抜く力」の問題ですか?  

それ以前の問題ですよね?たとえば1つ目などは所謂「ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)」ができていない、言い換えれば、社会人としての基本動作ができていないことかと。その他も単なる不注意レベルの体たらく。


恥の上塗りとならないか、この提言書。
こりぁあ根が深いと思ったのは、私だけでしょうか?

またいきます。


<ご参考> 東芝監査の問題点を具体的に指摘しております。
粉飾決算 ―問われる監査と内部統制
浜田 康
日本経済新聞出版社

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