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積み上がる「のれん」の落とし穴に思う

2016-03-08 | 会計・株式・財務
週刊エコノミストに「米国&IFRS採用企業 積み上がる「のれん代」の落とし穴」という記事がありました。
言わずもがなですが、M&Aの結果、発生する多額の「のれん」には減損リスクはつきまといます。
この記事では、米国基準またはIFRSを採用している日本企業のうち、「のれん非償却」の結果、のれんを含む無形固定資産が自己資本を上回っている潜在的に財務リスクの高い企業を、その比率の高い順にランキング。
詳細は現物で確認頂くとして、ここでは上位企業をざっと列挙していきましょう。お馴染みの会社が出てきます(無印はIFRS。※印は日本基準だが2016年3月期以降、IFRS採用予定)。太字は私が時折取り上げる会社で、他意はありません。

ホットリンク
ソフトバンクグループ
すかいらーく
テクノプロ・HD
コロワイド(※)
日本板硝子
そーせいグループ
サントリー食品インターナショナル(※)
ノーリツ鋼機
電通
LIXILグループ(※)
楽天
ネクスト
武田薬品工業
東芝(米国基準)
日本たばこ産業(JT)
クラリオン
マネックスグループ
DMG森精機
エーザイ
SBIHD
エムスリー
アドバンテスト(米国基準)
アサヒHD(※)


ソフトバンクの孫社長が、なりふり構わず(のれん発生原因である)スプリント社の再建に奔走している理由、よくわかるでしょう?そして、やはりといいましょうか、東芝とかLIXILといったお騒がせ企業もランクイン。

あくまで一般論ですが、のれんを減損した場合に自己資本が大きく毀損するリスクの高い企業は、どうしてもそれを避けようとする。
減損回避のために無理な将来計画を立てる・・・・といった具合に、今後の決算に無理が生じる可能性は高い。
上記企業については、のれん発生の対象となった子会社群の業績について注意深く見ていく必要があるでしょう。

そして、もう1つ忘れちゃぁいませんか?

「持分法適用」の投資にも多額ののれんが含まれていることを
連結子会社のように表立って出てきませんけど、これこそ潜在的な財務リスクかも知れませんよ。
 

どなたか整理していただけると大変助かりますが。


最後に。
何度も書きますが、のれんは、財務の火薬庫、不正の温床となりうる危険な資産。
資源価格等の下落から、今度の決算は「減損」が大きなキーワードになってきます。一昨年、KPMGが「巨額ののれん減損はなぜ起きたか、どう防ぐか」というニュースリリースを出しております。日本基準は米国基準やIFRSと比べて減損損失は出にくいなど、なかなか渋い分析もされており、よくまとまっていると思います。知識を深めて、来るべき「暴風雨」に備えましょう。

またいきます。

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