goo blog サービス終了のお知らせ 

 ◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

ヤマダ電機の「1%経常増益」に思う

2008-08-07 | 会計・株式・財務

 私が勝手に注目しているヤマダ電機が1Q決算を発表しました。
短信はコチラから。

http://www.yamada-denki.jp/ir/pdf/kessan/2008/080807.pdf

日経記事
----------------------------------------------------------
ヤマダ電の4―6月期、連結経常利益1%増

 ヤマダ電機が7日に発表した2008年4―6月期の連結決算は、経常利益が
前年同期比1%増の99億円だった。
引き続き薄型テレビの販売数量が伸びたほか、DVDレコーダーなどAV機器も
需要が堅調だった。

ただ、積極的な店舗展開に加え、
積極的な販売攻勢に伴うポイント費用などの増加で販管費が膨らみ、
従来、2ケタ台が続いてきた経常利益の伸び率は1%に鈍化した。

(中略)
シェア拡大を狙ったポイント費用を前倒しで処理した影響もあり、
販管費が3割弱と大幅に増加。これを増収効果でこなし、
営業利益は11%増の66億円だった。  

2009年3月通期については、売上高は11%増の1兆9680億円、
経常利益が12%増の916億円の従来予想を変更しなかった。
----------------------------------------------------------

(コメント)

・失礼ながら、ポイント費用が利益の調節弁になっていませんか?この会社。
 
 成長至上主義の当社の辞書には「減益」はたとえ四半期でもあってはならない
 のだと思われます。
 でなければ、1%経常増益などバレバレの利益調整、しないでしょう?

・で、肝心のポイント引当金ですが、72億円から92億円へ。
 僅か3ヶ月でこうも増えるもんでしょうか?
 
 日経記事では「積極的な販売攻勢に伴うポイント費用の増加」とありますが、
 これまで私の記事で申し上げているように前期末の引当計上額が単に少なくて、
 それをあるべき水準に戻しただけ、と見ることもできるのではないでしょうか。
 
 参考の拙稿 6月20日「ヤマダ電機の08/3期決算に思う」
 http://blog.goo.ne.jp/dancing-ufo/e/bdd79f66680f1159a701b366278f52f7

 もちろん引当金92億円も妥当なものかどうか外部からはうかがい知ることは
 できませんけどね。

・ まっ、この程度の利益調整は多くの企業で散見されますのでどうこう言うつもり
 はありません。ただ、経営トップがかなりアグレッシブな方だけに、今後成長の
 ひずみというか反動が小売業の中で最も恐れられる1社だと思います。


以上、素人の戯言でということで聞き流して下さいね。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« それでいいのか米国会計基準 | トップ | 「監査報酬を安くする方法」... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

会計・株式・財務」カテゴリの最新記事