Delusion Theater

聖剣伝説3に登場するキャラクター
ホークアイ×リース(ホークリ)応援サイト。
その他動画やアニメ、音楽の紹介など。

「食料以下、恋人未満」

2011-01-27 13:07:23 | 妄想劇場/ホークリ
 世界は「ひし形」で出来ています。 頂点に御座すは「竜」。
 私達は竜神様とお呼びさせて頂いています。
 これは、私、ひし形の世界の底辺にいる人間 リースと
 世界の頂点に君臨するある方との出会いのお話です。



 あれはそう、何時もと変わらないお昼の事。
 私は、自分の使命である村の門番をやっておりました。
 私が門番をする村は高い高い塀に囲まれた小さな村です。
 その村の唯一の出入り口である門を護るのが私の使命でした。
 そう村の外からやってくる食物(まもの)から村を護る。
 たぶん、これも見ている方の世界では食物の事をそう呼ばないと思います。

 どうして食物と書いて「まもの」と呼ぶかは…すぐにわかる事かと

 話を戻しまして、何時もの様に私が使命を行っていた所
 天から大きな大きな、私と村をひとのみ出来るくらい大きなモノが降りてきました。
 一目見てそのモノが何なのか判りました。 そう竜神様です。
 竜神様から見れば、私たち人も食物(まもの)の一部。
 私は一瞬で悟りました、ああ、遂に食べられてしまうのだと。
 私たちも食べる為、生きる為に自分より弱い食物(まもの)を飼っています。
 その食物(まもの)の食べられる気持ちが、その時の私にもわかりました。

 きっと、この気持ちごと竜神様は食べて下さるのですね。
 せめて、私の様な人間を食べてお腹を壊さないようにと、目を閉じながら祈っていました。
 ですが、待てども待てども一向に食べられる気配はありません。

 「おい」

 食べられて貰える前の幻聴か、はたまた死ぬ前に見ると言う走馬灯でしょうか。
 でも、走馬灯だとしたら少しおかしな気がします。
 私の記憶の中では、若い男性の声と言うものは無いはずです。

 「おい!」

 気のせいではありません、その声は私の耳にしっかりと届いています。

 「おい! さっさと目を開けろ。人間!!」

 私は恐る恐る、その声の言うとおりに目を開けました。
 するとそこには、黒い肌、銀髪の男性…?だと思う方が立っていました。
 その後ろには大きな大きな竜神様。 私は何が起こっているのかがまだよくわかっていません。

 「あ、あの」

 私は目に続き、口も開きましたが言葉が続きませんでした。

 『驚くのも無理は無い』

 目の前の男性…?の方は口を開いていません。頭の中に声が聞こえてきました。
 すぐに気がつきました。 頭の中で聞こえた声は、男性…?の声では無く
 その奥にいる大きな大きな竜神様の声なのだと。

 「ああそうか、この姿じゃわからないよな。後ろにいるのがイーグル。
   で、俺がホークアイ。ホークアイズナイトドラゴン、でホークアイな」

 「ホークアイ、さん? ドラゴン…竜………竜神、様?」

 「正解」 『人間も中々、頭はいいものだな』

 私は目の前の男性…?の方も竜神様だと気がつき、次の瞬間
 私の手と頭と膝は地面についていました。まさか、こんな小さな村に竜神様がお二人も。
 私は頭を地面に擦り付けながらも、その中で食べられる前に失礼な言動が無かったかを考えていました。

 「お、おい、どうした? 頭あげろよ」 『人間は面白いな』

 「申し訳ありません。こんな小さな村に居る村人と私では竜神様、お二人のお腹を
   満たす事が出来ないでしょう…本当に申し訳ありません。」

 私たちの村はほとんどがおじい様、おばあ様がいる村です。
 比較的、若い人は私と数年前に生まれた女の子がいました。
 どう前向きに考えても、竜神様お二人のお腹を満たす事など出来ません。
 村にいるおじい様、おばあ様方にこの村は竜神様によって護れていると
 子供の頃からよく聞かされていました。
 その事は今の私も肌身を持って重々承知しております。
 その竜神様がお二人もこの村においでになったと言うのに、十分なおもてなしを出来ないとは…

 「おい、いいから早く頭を上げろ」

 「は、はは、はい!」

 少し苛立った命を受け、私は頭を上げました。

 「何か勘違いしてるようだが、俺たちは別にお前らを食う為に来たんじゃない」

 「え?」

 「俺は、俺たちの王から命令を受けて、ここにやってきたんだ。
   『人間の村に行き、そこを護る者と一緒に暮らせ』ってな」

 「私たちの村に、ですか?」

 「ああ、そうだ。お前が村を護ってるんだろ。だったらお前と暮らす事になるな。
   短い間だろうが宜しく頼む」

 「は、はい! 宜しくお願いいたします!!」

 その時の私は緊張して何を喋っているのかわかりませんでした。

 「あ、あの、イーグル様はどう致しましょうか?」

 男性…?の姿をしたホークアイ様は村の門から入れます。
 しかし、大きな大きな竜神様であるイーグル様はどう考えても門から入れない状態でした。

 『私の事なら気にしなくてもよい。こいつが王の命令をちゃんと、やり遂げるかの
   監視に来ただけだ。村の外で監視すれば良いだけだからな』

 「わ、わかりました。では、ホークアイ様、村にご案内致しますね」

 村の外には食物(まもの)がたくさんいます。 ですが、竜神様が私達、人の様に
 取って食われる心配はありません。 食物(まもの)達も竜神様のお力は理解している事ですから。

 まさか、竜新様にお会いすると言う大それた事が出来るとは
 ……以前の私には想像もつかない事でしょうね。
 私は如何なる時も護ってくださっている竜神様のお力に感謝しながら
 門をゆっくりと開け竜神様を招き入れました。


















あとがき
もう一話、この続きの話を考えていますが、ここでいったん一区切り。
どうしてリースさんが執拗に「竜神様に護られている」と書いているのかの理由を
どこかに入れられなかったのが悔やまれます。
その理由についてた続きの補足話で書こうかと。

2010-12-21 21:05:57 ~ 2011-01-27 13:05:56 書き始め~書き終わり。
2011-01-27 16:48:00 修正。

コメントを投稿