Delusion Theater

聖剣伝説3に登場するキャラクター
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「信愛以上、恋愛未満」

2011-02-20 20:26:28 | 妄想劇場/ホークリ
 私と竜神様が出会って、次の日の出来事です。
 私は何時もの様に起きると、部屋にはもう私一人だけでした。
 竜神様は昨日の晩、私の狭い部屋にお泊りいただいたのですが…やはり、狭かったのでしょう。
 竜神様に心の内でお詫びをしつつ兜の緒を締め、鎧を着、矛を持ち門へと向かおうとしました。
 その時です、おじい様が一人、慌てた様子で部屋へと飛び込んできました。 

 「た、たいへんじゃ。ジェシカ、ジェシカがぁ………」

 後に続く言葉がありませんでしたが、この村唯一の幼子、ジェシカさんの身に何か起こった様です。

 「落ち着いてください。ジェシカさんがどうかしたんですか?」

 「あああ、ああぁ、村の外に……村の外に行ってしまったんじゃ」

 「うそ……」

 思わず私からも言葉が零れます。村の外…?
 村で飼っている食物(まもの)とは違い、凶暴な食物(まもの)がたくさんいる、あの??
 
 私が村の外で、門番をやれるのは理由があります。
 竜神様から授かった、あの竜神様を模っている兜と鎧、そして竜神様の牙で作られた矛を持っている為です。
 大抵の食物(まもの)は私のその姿を見て怖がり近づこうともしません。
 他よりも少しだけ勇気がある食物(まもの)も手足がすくんだ状態で
 私に挑みかかるので追い払うのはいともたやすい事です。

 ですがもし、竜神様から授かった武具を着ていなければ?
 忽ち外にいる凶暴な食物(まもの)によって食べられてしまうでしょう。

 私は部屋の前で慌てふためいているおじい様を残し、部屋を出て門へと向かいます。
 その際、村の中を見渡しましたが竜神様、ホークアイ様のお姿がありません。
 門の近くに住むおじい様に聞いてみても、見ていない様でした。
 その時は急いでいましたし村の中に居ると思い、外へ出ました。


 門の外にはやはり昨日お会いした大きな大きな竜神様がお一人。
 息を切らせながらも私は竜神様にお伺いしました。

 「竜神様、ここに小さな女の子が通りませんでしたか?」

 「ん? ああ、小さき人間なら朝方見たな。」

 「本当ですか?! ありがとうございました」

 失礼のないように竜神様に何度もお辞儀をして、村の門の前に広がる森へと向かいます。
 森へ入るのは初めてでした。いつも食物(まもの)が来るかどうか見続けるだけの森。
 きっと大丈夫、心の中で唱えます。 私の身は竜神様が護って下さっています。
 それよりも今はジェシカさんの事です。 あの娘には竜神様から授かったこの武具を
 受け継いでもらわないといけないのですから。
 本当は若い男性がいればその方が門番をしたのでしょう。
 ですが、この村には若い人は私とジェシカさん、もう二人しかいません。
 ジェシカさんが私ぐらいの歳になり門番を出来る様になれば
 私は他の村から連れてきた男性と結婚し子孫を残さないといけません。

 そうです、今ここでジェシカさんが食物(まもの)に食べられてしまうと
 村は壊滅するかもしれないのです。 そんな、竜神さまの想いを無駄にする事はできません。

 私はそんな事を考えながら、森の中を探し回りました。
 時々、食物(まもの)が襲ってきましたが怖くはありません。
 ジェシカさんを失ってしまう方が怖いのですから…
 夢中で探し回っていると、大きなお花畑に出ました。
 その中央には探していたジェシカさん、と竜神様であるホークアイ様のお姿が。
 私が驚いていると、二人とも私に気がつきジェシカさんは駆け寄って、竜神様は歩いて来ました。

 「はい、リースお姉ちゃん」

 ジェシカさんの手にはお花の冠が。

 「あの、これはどう言う事ですか?」

 差し出された冠には見向きもせず、私はホークアイ様に問いました。

 「こいつが外にある花を見たいって言うからな。連れて………」


  バシンッ! …乾いた叩く音が花畑に響きました。


 ホークアイ様が言い終わる前に、先に手が出てしまっていました。

 「自分が何をしたか解っているんですか。こんな小さな女の子を村の外に出して!」

 自分が言いたい事を言い終わった後になって、誰に言っているのか気がつきました。
 竜神様に手を挙げ、言葉まで………死んで詫びたとしても、たりません。

 「あ、あの………」

 「やるじゃないか人間。 ははっ、確かに当然の反応だな」

 「お姉ちゃん、違うよぉ…」

 心配そうにジェシカさんも私と竜神様の方を見つめています。

 「ジェシカが一人でお外に出たの。 お兄ちゃんはついてきてくれただけだよ?」

 「それでもお姉ちゃんに内緒できちまったからな、仕方ないさ。
   さっ、村の奴らも心配してるだろうし、そろそろ帰るか」

 「うん!」

 ジェシカさんの元気良い返事の後に、お二人は手をつなぎました。
 あの……、私もその言葉と共に手を出しましたが、後悔の念で言葉が続きません。
 ですが、竜神様は私の心のうちを知ってか…

 「ほら、お前どうせ無我夢中でここまで来て道なんて覚えてないんだろ?
   村まで一緒に行くぞ」

 その手を竜神様は優しく取ってくださいました。



 「は、はい。………あの、怒っては?」

 村までの道のりを歩きながら、ジェシカさんに聞こえない様に小声で聞いてみました。

 「怒る? お前は何も悪くないじゃないか。
   それに、人間はアリに踏まれて怒りが湧くのか? 竜にとって同じ事だ」

 「そ、そうですか」

 納得は出来ませんでしたが、要するに竜神様の広いお心で許して頂いたと言う事でしょう。
 私とジェシカさんはそんなお優しい竜神様に護られて、無事に村へと帰ったのでした。


  めでたし めでたし


























あとがき
一話完結を目指すも結局、前編後編で二話書いてるでござるの巻き。
原作では王女様と盗賊でリースさんが上の立場。
狼と参謀では、同じぐらいの立場で、今回はホークアイが上の立場で書いたつもりです。
結果、ワンイーとあまり変わらなくないか?これ。

次は一話完結にします(キリッ



2011-01-27 13:07:46 記事作成
 ~2011-02-20 19:45:26 完成

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (るい)
2011-05-09 19:53:52
初めまして!
続き楽しみにしています
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Unknown (DK)
2011-05-12 10:22:30
>るいさんへ
はじめまして、こんにちは
これの続きですか? 基本的にホークリパラレルは
短編物なので、このお話もこれで終わりです
あまり続きは期待しないで下さい。
続きを考えてなくもないんですが………

もしホークリ全般でしたら……気長に待ってれいばいつか見れるかと
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