楊枝秀基(ようじ・ひでき)の「タイガーチャージ」

デイリースポーツ阪神担当記者のファンキーリポート

今岡、夢みたい…

2008年09月12日 | Weblog
 今でも信じられません。
 こんなことってあるんやなと。
 11日のヤクルト戦での今岡選手の大活躍。
 同点ホームランに、決勝の押し出し四球。
 しかも34歳の誕生日に
 3ヶ月以上ぶりに登録されたその日に。
 やっぱり信じられません。

 僕は05年に虎番記者になってから、何かの縁で今岡選手を担当してきました。活躍したときには必ず、いい原稿を書こうと思ってパソコンに向かいました。
 そうこうしているとある日、今岡選手から「デイリーを読んでいたらいい記事を書いてくれてるなあと思って。うまいこと書きますよね。お礼を言いたいなと思ってたんですよ」と声をかけられたことがありました。そういうことを言うタイプの人ではないと思っていたので、印象に残っています。
 そういったやり取りから、選手と記者の信頼関係が築かれていくものだと思います。コミュニケーションの積み重ねで、記者の選手への思い入れも深まっていきますよね。

 今岡選手の打球がスタンドに入ったときには実は涙が出ました。
 周囲には「別に何も思いませんでしたよ。普通です」と話しておきましたがウソです。
 僕は取材時や執筆時には、熱い思いを持ちながら、主観を大切にしつつ客観的に現象を観察することを心がけています。過度の思い入れや、入れ込みは仕事に支障をきたすと考えています。
 なので、涙が出ましたが、次の瞬間にはどんな表情をしているのか、どんな動きをしながらダイヤモンドを一周するのか、ファンに伝えるために必要な情報を冷静に見ることに集中しました。思い入れのある選手の活躍に興奮しすぎて、ベストな仕事ができないなんて最悪ですからね。あと、涙をみせたから熱い気持ちで取材しているとか、人にアピールするようなしょうもないことをしたくないですしね。
 
 かといって、新聞を読んでくれている方々には僕がどんな思いで取材して、原稿を書いているかは伝わりにくいとは思いますので、自分の思っていることを自由に書けるブログに書いておこうかなと思いました。虎番記者っていうのは、紙上で世の中へのアピールをしたほうがいいんですかねぇ。こんなに熱い取材をしていますという自分のことなんてどうでもいいので、選手がどれだけ頑張っているのかを伝えるほうが優先やと思うのが当たり前ですよね。どうでしょうね。僕はなんかおかしいことを言ってそうですか?

 うーん、もしかしたら、まだまだ仕事への思い入れが足りないのかもしれないですしね。
 一生懸命、取材してたら思い入れも深まるはずなんですが、頑張りが足らんのですかねえ。

 でも、理屈ぬきに今岡くんのホームランはほんとにうれしかった。
 ひそかに今岡くんを応援してきたみなさんもそう思ったでしょ?

やっとこさ

2008年09月07日 | Weblog
 勝ちましたーっ。
 4月、5月のころには当たり前になっていたこの喜び。
 ここまで負け続けると勝利のありがたみが身に染みます。
 七回からアッチソン、藤川、久保田とつないで延長十二回の激戦の末、白星。
 広島の記者席でガッツポーズしてしまいました。
 いままで、JFKが完璧に抑えすぎていることが奇跡だったのに、なんかそれが当たり前のような感覚になってきて…。久保田くんのことを調子が悪いとかいう人も多いですけど、あれだけ投げてあれだけ抑えてくれるピッチャーはほかのチームにはどこにもいませんからね。
 前日の5日に栗原にホームランを打たれて「自分に力がないからです」なんてコメントしてましたけど、10割抑えられたら神様ですからね。きょうは十二回に先頭打者を出塁させてしまいましたが、次の打者の栗原を三塁ゴロ併殺に打ち取ってチャンスの芽を見事に摘んでましたよ。試合後には「チームの勝利が何よりです」と話したいた、あのなんか野球に対して実直な感じはほんまに最高ですね。

 オリンピックから帰ってきてどうも消化不良だった球児もしっかり投げてましたね。九回、十回を無安打で無失点のリリーフは圧巻でした。前回、投げたのが8月28日の中日戦で1点リードの九回に同点に追いつかれたんですよね。そこからまた久々の登板になりましたが、微妙なブランクを感じさせない力投でしっかり抑えてくれました。ほんまね、よかったです。球児の元気な顔をずっと見てなかったのでえ、本当に安心しました。

 しかし、ここからですよ。マジックは22になりましたけど油断は禁物です。
 みなさん、応援の手を緩めんとってくださいよ。

広島でも…

2008年09月06日 | Weblog
 悪い流れは変わりませんでした。
 初回に2点を先制したときにはいけると思ったんですけどね。
 下柳さんの調子がいまひとつでした。
 広島戦では今季、5試合で4勝1敗、防御率も2点台と相性はよかったんですけどね。チームも連敗中だし普段とは違う力が入ったんでしょうね。
 いつもはコメントをあまりしない人ですけど
 きょうは試合後に取材にいくと
 「俺が悪いだけや」
 と悔しさを表情ににじませていました。
 次はしっかり下柳さんらしいピッチングで虎党を喜ばしてくれると思います。
 
 あと、打線は心配ですね。
 一回に2点を取った以降は八回までヒットが出なかったんですね。
 打線は水物とよくいいますから、打つときにはまた打ち出すと思いますが…。
 去年は打てなかったことが敗因で、なんかそのときと同じような空気が流れているのが気になります。
 しかし、逆に追う巨人の立場からすればそう簡単には追いつけるもんじゃないですからね。なんとか立ち直ってほしいです。苦労してこそ勝ったときの喜びも増えるというもんですから。
 ドラマがあったほうが原稿を書く側としても仕事のやりがいがありますけど、あまんまりヒヤヒヤしたくはないですね。
 あしたは15時からデーゲーム。広島の暑さに負けず選手にはがんばってもらいです。

いよいよ9月

2008年09月01日 | Weblog
 甲子園での巨人との3連戦には負けてしまいましたが、これはこれで巨人ファンのみなさんにわずかながらも望みというか、ささやかな楽しみを与えてあげたと思っておけばいいでしょう。もちろん、油断はいけませんがしっかりタイガースらしい戦いをしていけば、優勝へのカウントダウンは確実に刻まれていくはず。ちょうど疲れが出てきたのかなと。最後の最後にクライマックスシリーズ、日本シリーズにピークを持っていけばいいのではないかと。僕はそう思って虎ナインを見守っています。
 1日には横浜に移動して遠征に出てきます。デイリースポーツも最後の追い込みをかけて取材していきますので、今月もよろしくお願いします。