小さい頃、田舎に遊びに行くと
帰りに駅まで送ってくれた祖父が
売店でおもちゃの水筒に入ったこんぺいとうを買ってくれた
肩から斜め掛けにすると本物の水筒のようで
ピンクやグリーンのこんぺいとうは美しく甘く
毎日少しずつ食べるのも楽しみだった
その祖父が軍服(立派な感じじゃない、多分二等兵とか?)を着た写真を見た事がある
坊ちゃん育ちでおっとりした祖父
私が生意気な事を言っても
困ったような顔で「おませさんだね」と静かに笑う
そんな人が戦争に駆り出されるなんて、、
きっとやりたくない事をさせられ
見たくないものを見たのだろう
戦前はテーラーだったらしいが
終戦後の混乱の中で背広を仕立てる人なんかいないよね
私が物心付く頃は違う仕事をしていた
祖父は、私が中学生の頃に亡くなった
形見に洋服ブラシを貰ったが
プロ仕様なのか長持ちで
色褪せた洋服ブラシは今でも健在