日本散策記

色んなところ行きたいね。

さいの木神社

2012年06月20日 | 神社
神社の中には菅原道真や明治天皇など、実在の人物を祀るところが多くあります。
その由来は様々ですが、歴史上有名な人物の他にも江戸時代に一揆や直訴など行って死罪になった人物などを義民として地域の人達が神として祭るという形式の神社も少なくありません。


JR新大阪駅の近く、ビルに囲まれた一角に小さな神社があります。

当地の義民を祀った「さいの木神社」

正面の冠木門

神殿

祭神の役行者像

境内にある御神木

さいの木神社 大阪府大阪市
祭神: 行者神変大菩薩、西尾六右衛門(山口村庄屋)、澤田久左衛門(大道村庄屋)、一柳太郎兵衛(新家村庄屋)

大阪にあるさいの木神社です。江戸幕府4代将軍徳川家綱の時代、西成郡(現在の大阪市の西半分周辺の地域)では低地の為にたびたび淀川の氾濫による被害に苦しんでいました。
そういった現状を見かねてこの神社の祭神となっている3人の庄屋が幕府に治水工事を直訴しました。その結果、治水工事の許可は降りたのですが、その費用は全て土地の百姓が負うという当時不作に悩んでいた農民にはとても受け入れられない内容でした。
これに対して補助を幕府に求めましたが、受け入れられず治水工事も無かったことになってしまいました。
延宝六年(1678年)、3人の庄屋は幕府の許可無しに治水工事を始め、土地の農民達の手助けもあって、ついに4月8日に「中島大水道」の掘削を完成させました。
その後、許可無しに工事を行った責任を取って3人の庄屋は自決しました。そうした経緯で農民の神として祭られたそうです。

社名の「さいの木」とは「細目木」で3人の庄屋が自決した場所の名前らしいです。
祭神の行者神変大菩薩は修験道の開祖「役行者」が光格天皇から賜った諡号のことです。
祭神が行者神変大菩薩、3人の庄屋は「合祀」とあるので、元々ここには役行者を祀る祠があり、そこに義民として3人の庄屋を合祀したのだと思います。
小さな社ですが社内のレリーフには「昭和五十四年度新大阪駅周辺区画整理に伴い移転再建する移転対策委員」の名簿などがある為に何度か移転したものだと思います。
現在は地元の「西町開運講」が管理されているとの事です。

狛犬・獅子も居ましたが、神殿の鈴はお寺の鐘のような形になっていました。
また社に併存する形で日光地蔵、首無地蔵、辻地蔵、子授地蔵なども祀られています。


中野天満神社

2012年05月23日 | 神社
太平洋戦争ではアメリカ軍による東京や大阪などの各都市への空爆で多くの犠牲者を出し、文化財も含めて多くの建造物なども被害に遭いました。
しかし、戦後有志によって再興した寺社は多く、その建築様式は被害に遭う前の姿を再現したものや、新たな姿で再興されたものもあります。


道路沿いから、奥の階段を上ると境内に入れます

2階の境内部分からはさらに階段を上ります

本殿

境内社の後藤芝山神社、他にも筆塚や撫牛などもあります


中野天満神社 香川県高松市
祭神: 菅原道真公、境内社(後藤芝山神社等)

香川県庁の近くにある中野天満神社です。中野天満宮、大天神などとも呼ばれています。ご祭神は学問の神様菅原道真公です。
戦前は約2000坪もの社地を持つ大きな神社だったのですが、1945年の高松空襲によって社殿などが全焼し、その後の1969年に現在の社殿として再建されました。
また境内には高松藩の藩儒、後藤芝山を祭る後藤芝山神社もございます。
後藤芝山は藩校である講道館の初代総裁で、「四書五経」につけた訓点は後藤点として広まりました。漢文で良く見るレ点や一二点のことですね。

社殿はコンクリート製のとても近代的な感じでした。
境内も2階にあり、さらに3階に本殿があるという形で、下から見上げる形になりとても大きく感じました。

サムハラ神社

2012年05月08日 | 神社
大阪府警察の機動警ら隊の隣にカタカナで書かれた神社の看板があります


サムハラ神社の「サムハラ」は神字の為に書けません。

正面

拝殿

建立者であられる田中富三郎氏

サムハラ神社 大阪府大阪市
祭神: 天御中主大神サムハラ神璽、高皇霊産大神、神皇霊産大神

大阪にあるサムハラ神社です。岡山県出身の田中富三郎氏が小さな祠を再興したのが本社の起源だそうで、津山市加茂町にあるその祠は奥の院ということになっています。
「サムハラ」という文字は古くから護身用に使われてきた不思議な言葉で各地に残っています。
(京都にある鎌達稲荷神社に参拝した時にサムハラの文字入りお守りがありました。)
田中氏は上記の三神の総称でもあるサムハラ大神を篤く信仰していたそうで100歳で逝去されるまで毎朝参拝していたそうです。

出来ることならいつか美作加茂の奥の院に行ってみたいです!

桃太郎神社

2012年04月22日 | 神社
「桃太郎神社」と聞けば珍スポット好きの人は浅野祥雲氏で有名な愛知県の桃太郎神社を思い浮かべる人も多いと思いますが、今回は香川にある桃太郎神社の紹介です。


鬼無にある桃太郎神社

坂を上った先にあります


獅子・狛犬

拝殿

拝殿前にある観光地によくあるアレ

絵馬

桃太郎・犬・猿・雉・お爺さん・お婆さんの墓!

こちらは境外にある鬼ヶ塚

熊野権現桃太郎神社 香川県高松市
祭神: 伊邪那岐神、伊邪那美神、稚武彦命、境内社(金刀比羅宮・天満宮・社稷五大神)

香川県にある桃太郎神社です。桃太郎伝説の発祥地といわれる所は各地にあります。
この盆栽の町としても有名な香川県高松市鬼無町鬼無では、「桃太郎が鬼を退治して鬼がいなくなった」ということから「鬼無」という地名になったといわれています。
このあたりに関してはこちらのサイトでなかなか興味深い話を載せているので参考までに…。

追跡!桃太郎の子孫

桃太郎と家来のお墓が勢揃い「桃太郎神社」【香川】

また、この神社には桃太郎、犬、猿、雉、お爺さん、お婆さん、退治された鬼達等の墓・塚があり桃太郎伝説へのロマンがかきたてられます!
さらに最寄駅のJR鬼無駅にはハドソンが寄贈した某ゲームの石像がありましたww

飛行神社

2012年04月19日 | 神社

京阪八幡市駅近くの飛行神社

なんとなく飛行機感のあるステンレス製の鳥居

ギリシャ風な拝殿

飛行神社 京都府八幡市
祭神: 饒速日命、祖霊社(航空殉難者の霊・航空業功績者)、薬光神社(長井長義、武田長兵衛、田辺五郎、塩野義三郎、白龍神など)

京都にある飛行神社です。人の乗れる飛行器の発明を目指し独自に研究を続けたもののライト兄弟に一歩先をこされ、その後神職となった二宮忠八が建立しました。
飛行神社は名前の通り、前回の航空神社同様航空界の神である饒速日命と航空事故犠牲者などを祀っていますが、この神社には忠八が製薬会社に勤めていたこともあって、医学・薬学関係の方も祀られています。
日本薬学会初代会頭で日本薬学の父ともいわれる長井長義をはじめとして、
「タケダ薬品」こと「武田薬品工業」の武田長兵衛、
田辺製薬、現在の「田辺三菱製薬」の田辺五郎、
「シオノギ製薬」とカタカナの通称が有名な「塩野義製薬」を創業した塩野義三郎などが祀られています。
また境内には博物館もあり、二宮忠八関係の展示品が多くありました。