現行モデルのレッツ・レッツバスケット・アドレスV50(スズキCA4AA・CA4BA)のエンストについて言及いたします。
まず、初期モデル2015年式はサービスキャンペーンと改善対策に該当している場合があります。以下のサイトを参照ください。
- https://www.suzuki.co.jp/recall/motor/2016/0630/
- https://www.suzuki.co.jp/recall/motor/2018/0330/
- https://www.suzuki.co.jp/recall/
これ以降のモデルではすでに改良されており、エンストは起こらないはずですが、実際エンストすると時々耳にします。それは何故でしょうか?
どうやら旧モデルのレッツ4系のエンジンと異なり、燃料システムのコントロール(排ガス調整)がシビアなので、使い様によると若干融通が利かない処があり、エンストする場合があるようです。
それではどういった状況でエンストするのか解説して行きましょう。
概ねエンジン始動時の操作の問題が考えられます。
以下に問題を引き起こしやすい始動時の操作の例を示します。
- エンジンキーをONにして、黄色い警告灯が消えないうちにスターターボタンを押すこと。
- スターターボタンを押す時にアクセルグリップを回す(アクセルを吹かす)こと。
- エンジンが掛った直後に走り出す(暖機をしない)こと。
1番はまずエンジンが掛からない場合があります。掛っても直ぐ止まったり、不調な回転になります。警告灯が点いている間はシステムをリセットしている時間だからです。
2番は古いバイクから乗り換えた方、特にヤマハの2サイクル車(ジョグ、ポシェ、ビーノ、アプリオなど)の掛け方で手癖になってしまっていることが多い。4サイクル車(トゥデイ、ディオ、レッツ4など)でカーボン噛みに依る始動困難を経験し、応急処置でアクセルを吹かして始動することを教わったため、その後平常時でもアクセルを吹かして始動するのが習慣になってしまった例などがあります。
3番はエンジンが暖機完了した状態であっても、始動直後はエンジンの回転が整うまで数秒間待機が必要です。
このような所謂せっかちな掛け方をした後は偶然走行出来ていても実際エンジンは調子が整っておらず、一時停止した時にエンストする場合があります。
特に2番と3番を同時に行った場合、アスセル開度センサーの数値とアイドリング回転数との間にエラーを生じていますので、云わばエンジンのゼロ点調整が合わないまま走行しているわけで、一時停止でアクセルを閉じて停車したときにセンサー数値がマイナスカウントとなるため燃料がカットされてエンストするのではないかと思われます。
- キーをONにして、メーター内の黄色い警告灯が消えてから
- アクセルグリップには触れず、スターターボタンを一秒間しっかり押す
- エンジンの回転が落ち着いてから走行してください。
この話はレッツのみならず現行の原付車両全般に該当しますので、他車(社)の同ケースでも参考になると思います。
追記(2021年3月改善対策)