福島県猪苗代町小川医院

福島県猪苗代町にある小川医院です。

笑い薬

2010-06-16 09:50:32 | Weblog
笑いは副作用のない最上の薬です。


 米国のジャーナリストで、激しい痛みが背骨を中心に


全身の関節に生じる強直性脊椎炎という難病にかかった方がいます。


原因不明の為に有効な治療法がありませんでしたが、彼は決してあきらめず、


気持ちを明るく保つ為に笑うことにしました。


毎日、ユーモアあふれる漫画、映画やテレビ番組のビデオなどを


見て意識的に大声で笑うようにしたのです。


そして、「10分間、腹を抱えて笑うと、


少なくとも2時間は痛みを感じないで眠ることができた」


というような驚くべき効果を経験し、大量のビタミンCの併用と共に


難病を克服してしまったのです。


そのことを一流の医学雑誌に発表して、当時、医師の間でも話題になりました。


 日本では、関西の医師が、がん患者さん数十人をお笑い寄席に連れて行き、


笑う前と2時間笑った後での血液の変化を調べた事があります。


その結果、癌細胞を攻撃する免疫細胞が笑いによって活性化されるのが明らかになったのです。


他に、笑いは糖尿病の血糖上昇を抑えるという研究報告もあります。
 

皆さん、毎日おおいに笑いましょう。


日常生活の中で明るく楽しい面を積極的に探し出して笑いましょう。


「わっはっはっは」。

痛風予防

2010-06-15 09:39:34 | Weblog
痛風は、その殆どが、足の第一趾(親指)の付け根の関節(中足指節関節)が


赤く腫れて激痛を伴う関節炎を特徴とする病気です。


その背景に、高尿酸血症があり、肉類やアルコールを好み


ストレスの多い男性に好発します。


高尿酸血症は、その原因のほとんどが腎臓での尿酸排泄低下によるものですが、


他に体内で尿酸を過剰産生するタイプもあります。


尿酸(プリン体の代謝産物)が体の中に過剰に蓄積しますと、


血液中に溶けていることができなくなり、


軟骨や骨、腎臓などに尿酸結晶として出現する危険性が増えます。


この結晶が関節包内に遊離して生じる炎症反応が痛風発作です。


高尿酸血症の人全員が痛風になるわけではありませんが、


一般的には、飲水による尿量の確保、アルコールの制限(特にビール)、


高プリン食(肉など)の制限、カロリーの制限、有酸素運動の励行がその対策になります。



 あまり知られていない事実に、牛乳(特に低脂肪牛乳)が


高尿酸血症を改善し痛風を予防するというのがあります。


有名な医学雑誌に載った論文によりますと、一日に数杯の低脂肪牛乳を飲む人は、


月に一杯も飲まない人に比べますと、痛風の発生率が約半分ほどでした。


低脂肪ヨーグルトの摂取に関してもほぼ同様の結果が得られました。


牛乳が痛風発作を減らす理由として、牛乳の中に含まれる


カゼインとラクトアルブミンという蛋白質が、腎臓から尿酸排泄を促し、


血中の尿酸濃度を下げることがあげられます。


別の研究によりますと、牛乳を一ヶ月間中止することによって


尿酸値が上昇することも分かっています。



 痛風を一度経験された方はご存知と思いますが、その痛みは激烈で、


松葉杖を必要とするケースもあります。


疾病は予防につきます。


自分自身や大切な家族の生活を振り返り、


健康寿命が一日でも長くなるようなライフスタイルに変えて行って下さい。


痛風の予防対策(例えば、カロリーの是正、アルコール制限、適度な運動の継続)は、


肥満対策、糖尿病対策、高血圧症対策、メタボリックシンドローム対策に相通じます。


 

参考文献
N Engl J Med. 2004 Mar 11;350(11):1093-103.
Am J Clin Nutr 1991;53:665-669
Eur J Epidemiol 1995;11:275-281

呼吸健康法

2010-06-14 15:03:02 | Weblog
喉の痛みを訴えて何度も外来を受診する患者さんがいます。

咽頭扁桃炎を繰り返す方の中に、口が半開きで下唇が厚く、

口元が片方に上がり、眼の大きさも左右で異なる、

いわゆる口呼吸顔貌をしている方を多く見かけます。

いつも口を開いて口から息を吸い、

片側で噛む習慣がある為に顔の筋肉や骨格が変形した結果です。

例えば、オリンピック選手の体型が、重量挙げ選手と水泳選手で違うように、

体にかかる負荷の種類に応じて体型は変化していきます。

顔も同じで、片方の歯で噛む人は、その側の眼は小さくなり口元が

上方に曲がって行き、引き締められない下唇はたらこのようにたるんでゆきます。

空気中には、ほこりやウイルス・細菌、様々な化学成分が浮遊しており、

常に口から息を吸う人は、それら有害物質を、口腔や扁桃、咽頭、喉頭、

気管支に直接取り入れていることになります。

鼻から息を吸う場合には、鼻毛や線毛、

鼻粘膜から分泌される粘液や

殺菌作用のある物質(免疫グロブリンやリゾチーム)で空気を浄化し、

さらに加温、加湿して空気を肺に送るのでより安全です。

口から息を吸う人は、

鼻という超優秀な天然の空気清浄器を使わないので、年中、

風邪や気管支炎にかかりやすくな ります。

人は約60兆の細胞からなります。

例えば、小指の先(一g)は約十億個の細胞からなり、

ボールペンの先端程度の大きさの癌は、約百万個の癌細胞からできています。

人体は、ミクロの細胞が生きて行く為に、ある細胞集団がそれぞれ異なる役目、

例えば眼や心臓、脳になり、

互いに役割を分担して助け合いながら生きて行くシステムです。

口呼吸の人は、その細胞内に感染をひきおこす病原微生物を積極的に

体内に取り入れていることになり、ひいては細胞の機能低下をもたらし

万病の原因を自分で作ることになります。

口呼吸をしていると気付いた方は、

毎日、美しい日本語を(外国語でも構いません)

意識的に鼻から息を吸って声を出して読んでみて下さい。

自分は鼻呼吸と思っている方でも、

話をしている時は口呼吸になっている場合が非常に多いです。

意識的な鼻呼吸を最低三ヶ月間続けることにより、

鼻呼吸が無意識にできるようになります。

鼻呼吸と両噛みで、さらに美しい人になって下さい。



参考文献:「重力対応進化学」西原克成著、南山堂「顎・口腔の疾患とバイオメカニクス」西原克成著、医歯薬出版