日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

「麗しのシャトー物語〜ボルドー・ワイン街道を行く〜」

2018-08-09 05:48:00 | 趣味
麗しのシャトー物語〜ボルドー・ワイン街道を行く〜
2017.6.12放送、NHK-BS





内容紹介
麗しのシャトー物語~ボルドー・ワイン街道をゆく~(初回放送:1996年)鈴木保奈美が赤ワインの聖地、フランス・ボルドーのシャトーを旅しながらその魅力を伝える。
ボルドーは、誰もが認める赤ワインの聖地。「マルゴー」「ラトゥール」「ムートン」など、世紀を超えてその名声を不動のものにしてきたのは、シャトー(ワイン醸造者)たちの存在だ。番組は、女優の鈴木保奈美さんがボルドーのシャトーたちを訪ね、歴史に翻弄されながらもワインの品質を守り続けた彼らの情熱と、ボルドーという土地が育む地質から、最高峰に輝く銘酒の条件を探り出す。


初回放送が1996年だから、22年前に作成された番組です。
案内役の鈴木保奈美さんもお若い。
やや過剰気味の演出が鼻につきますが、まあ時代のなせる技でしょう。

内容はとても興味深いもの。
ボルドーの有名シャトーを訪問して巡る旅であり、ワインの名前でしか知らなかったシャトー達が目の前に現れるのですから、ワインファンにはたまりません。

数百年の歴史を持ち、20世紀前半の世界戦争をもくぐり抜けてきたシャトーは、様々な歴史を背負ってきました。

・イギリスとフランスの100年戦争はワイン畑を巡る攻防でもあった。
・1855年の格付けはナポレオン三世によるもの。
・ドイツの宰相ビスマルクが座り、シャトーが手に入るとの確信が崩れ、失望してインクをこぼした伝説の机。
・一次イギリスが所有したシャトーをフランスが取り返したが、その間もイギリスの所有者は敬意を持って管理してくれたのでワインの質は維持された。
・・・等々。

特に、二つのロートシルトを巡るエピソードは誠に興味深い。
以前から“ロートシルト”のスペルは“ロスチャイルド”と同じだなあ、と漠然と感じてきたのですが、その答がわかりました。
ロートシルトはユダヤの雄であるロスチャイルド家のフランス分家が所有しており、ラフィットとムートンを管理する家は親戚同士かつライバルであり、高品質のワイン製造にしのぎを削って今日に至る、とのこと。

なるほど。

ガロンヌ川の上流から、砂地・小石・大きめの小石と堆積するものの大きさにより土壌が異なり、すると同じ品種でも育つブドウの性質も異なり、出来上がるワインの味も微妙に異なってくることがよくわかりました。

これらの豆知識を持った上でワインを味わうとまた格別だろうなあ・・・と思いつつも、健康上の理由でワインを受けつけなくなった私の体が恨めしい(T_T)。