日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

「アオイホノオ」

2016-08-28 04:00:35 | マンガ
テレビ東京の深夜ドラマ
原作は島本和彦のマンガ。



<内容紹介>
主演:柳楽優弥×脚本・監督:福田雄一!原作者、島本和彦の大学時代をベースに、1980年代のクリエイター志望の若者たちが“ まだ何者でもなく、熱かった日々”を描いた群像劇!
舞台は1980年代の初め、大阪の大作家(おおさっか)芸術大学。主人公、焔燃(ホノオモユル)は漫画家を目指していた。「自分の実力ならいつでもプロデビューできる」と自信過剰な性格をしていたが、豊かな才能に恵まれた同校の学生達や、あだち充、高橋留美子といった若手漫画家の台頭を目の当たりにして自信を揺るがされる。それでも焔はプロの漫画家になるため歩み始めるのだった。


たまたま間違えて録画されているものを、消す前にチラッと見たら・・・引き込まれてしまい最後まで観てしまいました(^^)。

ハチャメチャな内容ですが、主人公の自意識過剰振りと、スリリングな展開が秀逸です。
当時の人気漫画家であるあだち充や高橋留美子の批評も面白い。

島本和彦と言えば『炎の転校生』(1983-1985)が記憶にありますね。

浦沢直樹の「漫勉」(NHK)

2016-08-28 03:27:54 | マンガ
録画してあった番組を年単位の遅れで視聴しました(^^;)。
漫画家の製作現場に乗り込んで撮影し、手の内を暴く(?)という内容。
文句なしに面白い!
世界中の日本漫画ファンから注目されること間違いなし。
こういう視点で紹介する番組は今まで皆無だったので、新鮮でした。



漫勉とは
世界中に熱狂的なファンを持つ、日本の「マンガ」。
漫画家が、白い紙にドラマを描き出す手法は、これまで門外不出のものだった。
さらに漫画には、決められた手法はなく、漫画家それぞれがまったく違うやり方を、独自に生み出していると言う。

この番組は、普段は立ち入ることができない漫画家たちの仕事場に密着。最新の機材を用いて、「マンガ誕生」の瞬間をドキュメントする。
そして、日本を代表する漫画家・浦沢直樹が、それぞれの創作の秘密に、同じ漫画家の視点から切り込む。

日本の漫画家のペン先を、世界に届ける。
それが「漫勉」。


第一回は2人の漫画制作の現場を撮影。

1.かわぐちかいじ



代表作は『沈黙の艦隊』。

まず、漫画家がシャーペンを使っていることに驚きました。
鉛筆を使っているものとばかり思い込んでいましたので。
かわぐち・浦沢ともに「B」のシャーペンだそうです。
一時、浦沢がHBへ変えてみたら「どうもしっくりこない」とすぐにBに戻したとか。

浦沢:「○○作品あたりで、眼が大きくなりましたよね。その時、あ、この人SFが描けるんじゃないか、と思った矢先に沈黙の艦隊が登場しました」
かわぐち:「編集者の意見で、眼を大きくした方が表情が豊かになりわかりやすいと言われ、描いてみたらなるほどなと思った。すると、海外を舞台にしたマンガも書けるような気がしてきた」
と興味深いやり取りがありました。

あと、鼻の描き方はマンガの鬼門で、正面の顔は難しいという話題で盛り上がりました。
江口寿史(『すすめ!パイレーツ』)は鼻梁を描かず、小さく鼻の穴の陰だけで表現した。これは漫画界にとって大きな変革だった。
なるほど。



つげ 忠男(つげ義春の弟)の名前が出てきたり、漫画界の知られざる歴史も垣間見えました。



2.山下和美
代表作は『天才柳沢教授の生活』。



少女マンガから少年マンガへ移行した珍しい作家。

製作現場は、まさに“産みの苦しみ”を体現している、凄まじいものでした。
同じ年の浦沢直樹と「うんうん、このつらさよ〜くわかる」という同級生トークが面白かった。
影響を受けた漫画家の中に岩館真理子さん(『ふたりの童話』が好きでした)の名前も出てきて、懐かしかった。

このシリーズ、他にも録画していたかなあ。