日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

「自分」

2023-10-29 14:25:26 | 趣味
人は誰だって 不安になるときがある

君と話しているとき
表情やしぐさ
見ていると 私の心は迷子になって
うずくまってしまう

でも顔が緩むその表情
君がまるで
大丈夫と言っているように思えて
私は立ち上がって
ひとつ ひとつ
足を踏み出す

人は誰だって 不安になるときがある

あなただって あの子だって
自分の道が見えている
私には まだ見えない

皆に置いてけぼりにされると
私は焦ってしまう

でもその生き生きとした表情
私も夢を見つけられたら
あんな風になるのかと思えて
自分なりに道を見つけようと
ひとつ ひとつ
足を踏み出す

不安を希望に変えるために

(長女が中学生の時に書いた詩です)

boy meets girl part-3

2022-11-30 22:47:41 | 小説
50年前に出会った少年と少女。
二人が別れてから、
40年もの歳月が経っていました。

少年の魂は半身をそがれた喪失感を抱えたまま、
さまよい続けました。

大人になり、
何人かの女性と近しくなりましたが、
喪失感は満たされませんでした。

縁あって、ある女性と夫婦になり、
子どもをもうけ、
幸せな日々を与えられました。

それでも欠落した体の痛みが時々うずきました。
気がつくと、初老の男になっていました。

「この癒えることのない痛みは何なんだろう?」

少女に会いたい、
彼女に会わなければ・・・

ほとんど切れかかっていた赤い糸を懸命にたぐり寄せ、
少女を探し出し、
とうとう再会を果たしました。

少女も初老の女性になっていました。

彼女も家庭を持ち、
子どもをもうけ、
幸せに暮らしていました。

そして二人とも、
命にかかわる大病を経験し、
満身創痍の体になっていました。

二人は並んで歩いた青春の日々を懐かしみました。
話し出すと、フッと昔の空気感に戻りました。

ふだん無口の彼から言葉があふれ、
そして彼女の話をウンウンうなづいて聞きました。

彼は彼女と話をしていると、
自分が素直になるのがわかり、
心が落ち着きました。

ふたりはタイムスリップして、
少年と少女に戻ったかのよう。

彼は、
「ずっと一緒にいたかったのに・・・
 なぜ突然いなくなってしまったの?」
と問いました。

彼女の目から涙があふれてきました。

「私も一緒にいたかった・・・
 けど、あなたの輝く未来には、
 いずれふさわしい女性が現れるはず」

「あなたに幸せになって欲しかったから、
 私がいない方がいいと思った」

・・・なんということでしょう。

初老の男は愕然としました。
昔、彼が指さしたゴールが彼女にとっては遠すぎて、
それに耐えきれず消えた、
と思い込んでいたのでした。

彼は自分のことしか考えていなかったことを恥じました。
自分の幸せを願って消えた彼女の愛に、
涙があふれて止まりませんでした。

うれしくて、悲しくて・・・
ああ、なぜこんなに魂を揺さぶられるんだ。

彼女は大病を患った時のことを話してくれました。

2週間意識が戻らず、
意識が戻った後も言葉が出ず、
記憶も失われて・・・
家族の名前もおぼつかない状況の中、

「でもね、あなたの名前は忘れないで覚えてた」
「文字も書けなくなったのに、
 あなたの名前だけ書けたんだよ」

と打ち明けてくれました。

この時、二人が別れてからすでに30年の月日が経っていました。

「私の中にはいつもあなたがいるの」
「だから会えなくても大丈夫だった」

と彼女は言いました。

別の人生を歩んでいたにも関わらず、
少年の心には少女が、
少女の心には少年が、
40年もの間、ずっと存在し続けてきたのでした。

この世の中に、
これ以上の幸せがあるでしょうか。

彼がそのことを知り得た瞬間、
ずっと抱えてきた欠落感・喪失感が消え失せ、
体の疼きがすうっと消えたのでした。

彼は少年時代に彼女からもらった、
初めての手紙を思い出していました。
そこには、

「あなたが好きです。
 この気持ちは一生変わりません。」

とだけ、書いてありました。
少年14歳、少女14歳の秋のことでした。


boy meets girl part-2

2022-11-30 22:37:19 | 小説
途中でゴールした少女は、
そこで出会った男性と夫婦となり、
子どもをもうけ、
幸せな日々を送りました。

少年と過ごした青春の日々を、
思い出すことも少なくなってきました。

それから30年の月日が流れました。
彼女の子ども達は独立し、
人生の節目を迎えました。

そのタイミングで彼女は体調を崩し、
寝込んでしまいました。

大病の前兆でした。

ある日、彼女は意識を失い、
病院に運び込まれました。
昏睡状態でした。

家族が見守る中、
2週間が経過しても、
彼女の意識は戻りません。

彼女は夢を見ていました。

誰かが私の名を呼んでいる・・・
懐かしい声、
温かい声、
でも少しもの悲し声・・・

そう、“あの少年”の声です。

「私はここ、ここにいるよ」
と答えた瞬間、
彼女は目を覚ましました。

白い天井が見える・・・ここはどこ?
彼女は病院のベッドの上に横たわっている自分に気づきました。

まわりには慌ただしく動く人たちがいました。
医師や看護師、
彼女の家族と友人達。

家族に声をかけようとしました。
でも、声が出ない、
家族の名前が出てこない。

私はどうなってしまったの?

彼女はハッと気づきました。
・・・少年の名前は覚えている。
そばにいないけど、
彼女の心の中に見える。

ああ、彼が呼び戻してくれたんだ。

一命を取り留めた彼女は、
リハビリテーションをはじめました。

文字を書く練習をしているとき、
不思議な体験をしました。

ほとんどの文字を忘れているのに、
少年の名前は書けたのです。

遠い昔、
心の奥深くに封印した青春。
少年は彼女の体の一部となり、
そこで生き続けていたのでした。

私の中には彼がいる。
いつでも会うことができるから、
私は大丈夫。



boy meets girl part-1

2022-11-30 06:57:32 | 小説
50年ほど昔のお話です。

少年と少女が出会って、
意気投合しました。

多感な思春期を、
仲良く手をつないで歩きました。

二人は楽しい時間を、
たくさんたくさん過ごしました。

交換日記をはじめ、
汲めども尽きぬ話題を語り合いました。

思い込みや誤解ですれ違い、
ケンカをすることもありましたが、
仲直りをするたびにさらに絆が強くなっていきました。

ふたつの魂は共鳴し、
まるで磁石のようにピタリと重なりました。

歩き続けて思春期が終わる頃、
広い平原にたどり着きました。

眼前には、夢と希望と、
不安と危険に満ちた未来が広がっていました。

「これからもゴールに向かって一緒に歩こう」
と少年は遠くを指さしました。

けれどそのゴールは遠すぎて、
少女にはよく見えず、
不安な気持ちが芽生えました。

少年がちょっと手を離した隙に、
少女は突然、走り出しました。

彼女は走るのが速かったので、
少年は彼女を見失ってしまいました。

途方に暮れる少年。

少女はほどなくゴールを見つけ、
そこに飛び込みました。

でもそのゴールは、
少年が指さした遠くのゴールではありませんでした。

少年は遅れて追いついたものの、
少女の姿はすでになく、
いつまでもいつまでも探し続けたのでした。


男らしさの裏側には 〜アーネスト・ヘミングウェイ〜

2022-10-17 13:57:46 | 趣味
NHK-Eテレの「100分de名著」で、
ヘミングウェイを取りあげた月を視聴しました。

マッチョなイメージがあったのですが、
この番組を見終えて、
イメージが変わりました。

取りあげた作品は、
①「老人と海」
②「敗れざる者」
③「移動祝祭日」
の三つ。

すべての作品に共通するのは、
・ピークアウトした男性が主人公。
・かつての力強さはなく、人生の負け戦が続いている。
・それでも「自ら負けを認めなければ負けたことにはならない」と戦い続ける。
・その後ろ姿を次世代が見て学ぶ。
等々。

そう、「敗れざる者」の心意気です。
そこが読者の心をくすぐるのでしょう。

アメリカの作家、フィッツジェラルドとの交友関係が紹介されました。
フィッツジェラルドは、ヘミングウェイの出世作「日はまた昇る」の草稿を添削し、出版社を紹介した恩人だったのですね。

<参考>

新型コロナ予言の書「復活の日」 by 小松左京

2021-09-23 16:24:40 | 趣味
私は中学高校時代、SF小説を読みふける、ちょっと変わった少年でした。
海外の作品がメインで、日本人SF作家による作品は少なかったのですが、
光瀬龍、眉村卓、小松左京はお気に入りでした。

小松左京は短編をよく読みました。
そのストーリーの壮大さに度肝を抜かれることしばしば。
今での印象に残っているワンシーンがあります。

子どもの探検ごっこで、ちょっとした洞穴のようなところに迷い込み、
その先にあった光景は・・・「赤茶けた土埃が舞う廃墟」だった。
背中がゾクゾクしたことを覚えています。

小松左京の代表作である「復活の日」「日本沈没」も本棚にはあったのですが、
映画化されて話題作になったため、天邪鬼の私は敬遠して読まなかったような気がします。

さて、NHK-BSの「アナザーストーリー」で小松左京が取りあげられました;



“復活の日”の衝撃〜コロナ“予言の書”(初回放送:2020.9.1、2021.8.19再放送)
新型コロナウイルスの猛威を半世紀以上前に予言した小説があった!
小松左京のSF小説「復活の日」。人を死に至らしめる未知のウイルスが世界中にまん延し、人類が滅亡の危機に立たされる!
小松は「日本沈没」でも大震災後の日本の危機を予見。なぜここまでリアルに未来を予想できたのか?そして、現実がその小説世界を後追いしたとき、彼はどうしたのか?原点となる戦争体験、絶望の果てに見た未来への希望を解き明かす。

彼の知人たちの“小松左京論”が次々と紹介されます。
SF作家仲間の豊田有恒、筒井康隆、
ウイルス学者の畑中正一、
文化人類学者の加藤秀俊・・・
知人たちの分野が多岐にわたり、私は“京都学派”という言葉を思い出しました。
狭義には西田哲学の流れを指しますが、より広く派生した京都学派の私のイメージは、
「専門分野の垣根を越えた学問を創り出す学風」。
専門分野をひたすら追求する東京大学と違って。
例えば、梅原猛、例えば、梅沢忠夫。

小松左京も博識で、専門家も唸らせる科学的知識に裏付けされたSF小説を得意としました。
彼の自伝で、ノーベル賞学者の湯川秀樹博士のインタビュー取材をしたことがあり、
湯川博士と同じレベルで会話ができるのでたいそう盛り上がったと書いてありました。

前置きが長くなりましたが、小説「復活の日」。
これはウイルス兵器が漏れ出して世界に広がり、人類絶滅の危機を迎えるというストーリー。
ウイルスによるパンデミックの状況を細部まで描写し、
それがあまりにもリアルなので50年以上たった今、
「予言の書」と呼ばれるようになりました。
一方で「細菌兵器による戦争」という側面も持ち合わせます。
そして難局に残された1万人弱のサバイバルがはじまるという結末。

彼の世代は終戦を経験しています。
空襲の焼け野原に焼け焦げた死体の山が目に焼き付いている、と云います。
小松左京がSF小説を書くキッカケになったのは、やはり戦争体験であることを番組は紹介していました。

彼が晩年に残した、阪神淡路大震災の取材記、
それと東日本大震災の手記を読み直してみたいと思いました。


“加齢臭”とその対策

2021-09-19 07:18:32 | 趣味
中年男性の気になるニオイ、その2。
“加齢臭”です。

前項と同じく。NHKラジオの「健康ライフ」から。

“一般的に加齢臭は、「枯れ葉・古本・古い畳のようなニオイ」と表現されることが多いです。・・・加齢臭の原因は、皮脂(ひし)、つまり皮膚の脂が太陽の光などを浴びて変化してできる「2-ノネナール」という成分です。”

キーワードが出てきました。
「皮脂」+「太陽光」→ 「2-ノネナール」
“おじさん臭”の、
「汗・乳酸」+「細菌」→ 「ジアセチル」
とは別物なのですね。

果たして「2-ノネナール」の実態は?

“加齢臭は、大体50代を超えると気になり始めます。年齢を重ねると皮脂の分泌量そのものは減っていきますが、脂の種類が変化して、2-ノネナールができやすくなるんです。・・・これはすべての人に当てはまりますので、皮脂が酸化すれば加齢臭が出てしまうんです。女性は皮膚の脂の量が男性の8割ほどといわれていますが、男女でそんなに差がありません。・・・若い人の脂は変化してもにおわないけれど、年齢を重ねた人の脂は変化したときににおってしまうのですね。”

なるほど、皮脂の組成が加齢と共に変化してニオイやすくなる(2-ノネナールができやすくなる)のですね。女性も例外ではないと。
ではその対策は・・・身体を念入りにゴシゴシ洗って皮脂を落とせばよい、と考えがちですが、そうでもないらしい。

皮膚の脂を落としすぎると、加齢臭対策としては逆効果なんです。そもそも皮膚の脂は皮膚を守るために分泌されているものですから、落としすぎてしまいますと逆に分泌量が増えてしまうんです。・・・体を洗うときは、泡立てたせっけんを体全体に手で伸ばすように、優しくマッサージするように洗うほうが加齢臭予防には効果的です。せっけんをつけて洗えば、優しく洗っても加齢臭のニオイ成分は十分洗い流せます。”

それから、食事でもある程度予防できるようです。

“抗酸化作用の高いものを食べることで皮脂の変化を防げることが分かっています。イギリスで行われた研究ですが、抗酸化作用がある「アントシアニン」を多く含んだカシスという果物を1週間毎日6グラム食べると、加齢臭の原因の2-ノネナールが47%も減少しました。・・・カシスに近い果物ですと、ブルーベリーにもアントシアニンが多く含まれています。生で食べなくてもいいので、例えばブルーベリージャムといったものでも効果が期待できます。1日にスプーン1杯でも食べれば十分です。パンやヨーグルトと一緒に食べてみてください。”

んんっ、ここまで来て耳慣れた「アントシアニン」「カシス」「ブルーベリー」の名前が出てきました。

それから、香水の上手な使い方も指南されています。

“例えば加齢臭。枯れ葉や古本のようなニオイです。シトラス系や森林調の香水で爽やかな香りを補うと、いい香りになります。ウッディ系の香水やムスク系のような甘くて上品な感じの香りは、加齢臭をマスキングできず、かえって変なニオイになってしまうことがあります。”

んんっ、森林調とウッディ系ってどこが違うの?とツッコミたくなる記述ですね。
こちらを読むと、「フゼア・フレッシュ」がよさそうです。
でもこちらを読むとちょっとニュアンスが違う・・・よくわからなくなってきました(^^;)。

アラ還の私はまさに“おじさん臭”の“加齢臭”の当事者です。
汗をこまめに拭き、レストランではおしぼりで顔を拭き、身体は優しく泡で洗い、ブルーベリーを食べて人に嫌われないよう努めます(^^;)。
でも「朝シャン」はなあ・・・。



“おじさん臭”とその対策

2021-09-19 06:59:16 | 趣味
「おじさんは臭い」
「お父さん、臭い」
と嫌われ者の中年男性。
このニオイの正体とは?

こんな記事が目にとまりました;

汗臭さが充満する「中年男性臭」

健康ライフ」はラジオのNHK第一放送の朝5:38分頃から約5分間の番組。
私は出勤時間が早く、通勤中に聞くことが多いです。

“中年男性臭は、と一緒に出る「乳酸」という物質を皮膚表面にいるが分解したときに出る「ジアセチル」がニオイの成分のもとになっています。乳酸は筋肉を使うとより多く分泌されます。中年男性は特によく汗をかきますので、「中年男性臭」といわれているんです。”

キーワードが出てきました。
「汗・乳酸」+「細菌」→ 「ジアセチル」
ですね。
対策として、まず敵を知ること。
ジアセチルの発生が多い時間帯もわかっているそうです。

“中年男性臭のニオイ成分、ジアセチルが発生している時間帯を調べたところ、よく出る時間が1日のうちに2回ありました。・・・朝と夕方です。
夕方は、より正確に言いますと、午後4~5時の間がジアセチルの発生量が多いんです。1日活動してかいた汗から発生していると考えられます。
朝は6~7時の間です。ちょうど目覚めるくらいの時間に汗の量が増えてくるんです。寝ている間にかいた汗からも、夕方と同じくらいの量のジアセチルが発生しているんです。”

朝起きたときはもうにおっている・・・その対策としては“朝シャン”。

“朝出かける前にもシャワーを浴びて、ニオイの対策をする・・・ジアセチルは、朝にシャワーを浴びることで3分の1にまで減らせることが実験で分かっています。・・・きちんと頭も洗うことです。ジアセチルは、特に後頭部から多く発生することが分かっています。髪の毛にも付着していますが、頭皮で発生していますので、頭皮をきちんと洗い流すことが大事です。”

それから・・・レストラン・喫茶店のおしぼりで顔を拭く所作は“おじさん”の定番ですが、実はおじさん臭対策としては〇なんだそうです。

汗はかいたらこまめに拭くことが大事です。・・・もしハンカチを使う場合には、ぬらして使ったほうがいいです。また、市販の汗拭きシートも便利だと思います。・・・特に顔や首筋の汗は、放っておかずにこまめに拭きましょう。
レストランなどで、出されたおしぼりで顔を拭いているおじさん・・・実はこれ、体臭ケアとしてはとても有効です。”

さらに香水の上手な選び方も;

“中年男性臭はヨーグルトやチーズのような発酵食品に近いニオイなので、フルーツ系の香りならマスキングできます。ただし、シトラス系の香りだとマスキングできません。グリーンアップルやパイナップルなど、シトラス系以外のフルーツの香りがおすすめです。あとは、加齢臭にもおすすめの森林調の香りは中年男性臭とも相性がいいので、森林調の香水で爽やかな木々の香りをまとうといいかもしれません。”

むむっ、おじさん臭+加齢臭の解決策は「森林調香水」(=グリーン系?)一択とな!?
私の好きなシトラス系はダメかあ。
私はペンハリガンとかクリードなどの老舗ブランドが好みなので、「エンディミオン コロン」(ペンハリガン)などが候補かも。
個人的にはサンタマリア・ノヴェッラの「ノスタルジア」が好きなのですが、クラシックカーをイメージした「焼けたゴム臭」「ガソリン臭」「ウッディ」は合わなそうですねえ、残念(T_T)。
こちらもお気に入りのパパスのオードトワレは大丈夫かな。

ちなみに、“おじさん臭”と“加齢臭”は別物だそうです。
“加齢臭”については次項で。


富士フイルム「X-S10」購入(2021.8.16)

2021-08-16 14:14:27 | 趣味
買ってしまいました、新しいデジカメ。
品番は富士フイルムの「X-S10」。

ポイントは、
・手首の負担にならない軽いカメラ。
・バリアングル。
・フジのフィルム・シミュレーションを使いたかった。
・カメラ内手ぶれ防止機構
に集約されます。

私は手首を痛めているので本体もレンズも重いフルサイズセンサーは諦めています。
まあ、三脚を使えばいいという意見もありますが、
まだ初級者で「数打ちゃ当たる」レベルなので、
短時間でたくさん撮影するため三脚はちょっと・・・。
だから、本体はAPS-Cセンサーが上限、
レンズも高価な重いものではなく、あえて軽いものを選択しています。

私の撮影対象は「巨樹」。
大きな木に対峙すると、その迫力に圧倒されますが、
標準レンズで写真に撮ると、その空気感が伝わりません。

人物を入れるという選択もありますが、1人での撮影行ではめんどうです。

あるとき、巨樹に近い場所の低い位置から広角レンズで撮影すると、
その雰囲気が出やすいことに気づきました。

それが可能になるカメラはバリアングル液晶、なので選択肢が狭まります。

これまでに、バリアングル搭載のデジカメを使いつないできました。
・Nikon D5100
・Canon D70
・Canon D80
・Canon EOS Kiss M

しかしこれらのカメラで jpeg で撮影した写真は発色が今ひとつで、
フォトレタッチソフトでお化粧しないと見栄えが悪い。
RAW現像ではHDの容量を食うし、たくさん撮影するので時間がかかる。

あるとき、キレイな巨樹の写真をインスタグラムで見つけた際、思い切って
「どんなカメラをお使いですか?」
と聞いてみたところ、
「フジのフィルム・シミュレーションを使ってます」
「 jpeg でもまあまあの絵になりますよ」
というコメントが返ってきました。

デジカメ創生期の四半世紀前頃にフジのカメラを複数台使っていた時期がありました。
確かに発色がよかったなあ。
その頃は3種類くらいだった種類(ベルビアなど)も、現在は増えている様子。

いつしか「フジのカメラが欲しい!」という思いを抱くようになりました。
しかし、一つハードルが・・・
フジはバリアングル液晶搭載カメラを作っていなかったのです。

ところが先日、カメラのキタムラに」立ち寄った際、
何気なく陳列されているカメラを眺めていたら、
この X-S10 が目に入りました。

フジでバリアングル!?

オマケにカメラ内手ぶれ防止機構搭載。

願ったり叶ったりの仕様に驚喜しました。
贅沢を言えば「防塵防滴」も欲しかったけど、
それを搭載すると大きく重くなってしまう(X-T4)のでガマンガマン。

早速ネットで調べてみました。
YouTubeでこのカメラを紹介する動画を見まくり、
私の期待を裏切らない内容ばかりで安心しました。

通販で安く手に入らないかな、と検索したところ、
納期待ちばかり・・・そんなに人気があるのかな?
と思いきや、部品調達に滞りがあり流通量が減っているらしい。
きっと半導体関連。
値切れそうな家電量販店へ行っても、フジの一眼を扱っている店舗は見つからず。

でもキタムラにはあった・・・その店舗へ行き、ダブルズームセットをゲット。
店員さんの話では、
「これが最後の在庫で、次の納期は3ヶ月後です」
と言われました。

おお、私に買われるために残っていてくれた1台だったのです。


占星術に魅せられて〜日本の星の方言

2021-08-08 13:21:18 | 趣味
録画してあった番組を連休中に見ました。

コズミック フロント☆NEXT 「占星術に魅せられて~星座をめぐる物語~」
 日々、生活の中で目にする12の星座による星占い。誰しもちょっとは気になるはず。その歴史は古く5000年ほど前のメソポタミア地方に始まる。人々がなぜ占星術を脈々と受け継いできたのか、その秘密を現代の占星術大国イギリスに探る。エリザベス女王の運勢を星から読みとく占星術サークルの女性たち、占星術で修士号のとれる大学などなど、そこには私たちの知らない、占星術の深い世界が広がっていた。
出演:鏡リュウジ ほか

「占星術」というと、現在では科学・学問の分野から外れる余興的なものというイメージですが、
中世ヨーロッパの名だたる天文学者(ガリレオ、ケプラーなど)たちはみな占星術も行っていたそうです。
英国では今でも占星術師養成専門学校があるそうです。

星座はギリシャ神話の時代からありますが、
歴史の中でいろんな人がいろんな星座をつくってきて、
あるときその数が100を越え、収拾がつかなくなったため、
1926年に世界会議を開いて88の星座に絞ると共に世界共通の星座にしたという歴史があります。

私は9月生まれの乙女座ですが、番組の中で興味深い乙女座のエピソードが紹介されました。
ギリシャの農業神デメテルとその娘ペルセポネの物語です。
ペルセポネが妖精たちと共に花を摘んで遊んでいたとき、
以前から彼女に惹かれていたプルトーン(冥界の王)が一瞬で彼女をさらって冥界へ連れて行ってしまいました。
悲しみに暮れるデメテルが家に引きこもると、
自然界は太陽が昇らなくなり、それがずっと続いてしまい、農作物が取れなくて民は困り果てました。
神々の長であるゼウスがこれを見かねてプルトーンを諭し、ペルセポネを地上界に戻してもらいました。
しかし、ペルセポネは冥界の食べ物(ザクロを4粒)食べてしまっていたので、
1年のうち4ヶ月は冥界にいなければならないという決まりに縛られることになりました。
その4ヶ月間、デメテルは悲しんで引きこもってしまうので、
太陽のない寒い季節が毎年訪れるようになりました。
これが冬、そして四季の始まりとされています。

この話、日本神話の天照大神の天岩戸伝説に似てますね。

さて、番組では日本の星座も扱っていました。
そこで懐かしい名前を聞きました。
日本の星の名前を採集して本を書いた野尻抱影氏です。
実は私、高校生の時の彼の著書を読んで憧れた一人です。
当時、望遠鏡で星を眺め、SF小説を読みあさる宇宙に憧れた少年でした。
しかし部活動のテニスにも熱中して練習に明け暮れました。
その結果、インターハイにも出場できました。
大学に入り、テニス部をとるか天文部に入るか迷いに迷ったのですが、
結局テニスを選んだため、私は自分の星空を失って今日に至ります。

そうそう、今年はペルセウス座流星群がもう見えるそうですね。
高校生の時、友人を誘って「ペルセウス座流星群観測会」を開きました。
アパートの屋上に4名が待機し、3人が三方の空を担当し、
一人が記録係になり、1時間ほどずっと空を眺めていました。
合計100個以上の流れ星を観察することができました。
一人30個以上です。

そんなことを思い出しながら番組を見ていました。
番組では野尻抱影氏の後を継ぐ北尾浩一氏が紹介されていました。
ああ、もし大学で天文部に入っていたら、
私自身が日本の星の名前を採集していたかもしれないなあ。