昨日感想を書こうと思っていたのに
午前中にクレープを焼いていたら時間が無くなってしまった。
クレープはいつ誰が焼いても失敗することのないスイーツだと思う。
焼き終って1枚だけブルーベリージャムをたっぷり塗って試食。
う、うまい!残りはラップに包んで小分けにして冷凍。
木曜にはオレンジソースを作ってスゼットにしてIさんと食べよう♪
おうちで焼くクレープ、おススメです(^^)
さて、「ディア・ドクター」
多分、一番ちゃんと見なければいけないのは
地域医療の現状を描いているってことなのだろう。
鶴瓶さん演じる伊野は4年前から医者のいない村の診療所で雇われ、
村の人々にかなり信頼されている。ところが、実は伊野は免許のない
偽医者で、最初の場面は伊野が失踪して二人の刑事がやってくるところから
始まり、この二人の刑事は随所に現れ、過去の伊野の様子と
現在の捜査の状況が交互に映し出される。
伊野は偽医者ながら、患者一人一人に寄り沿うような緻密な診療を
していて、これこそ医者のあるべき姿!と思わせるのだけれど
かなりの部分をベテラン看護士に頼っているのも事実で
この看護士を演じているのが、余貴美子さん。さすがですねぇ。
余さん、凄くいいです!特にどこからか滑り落ちたかして
体中痛がる患者が運ばれて来て伊野はうろたえているのだけど
この看護士が気胸ではないかと空気を抜くようアドバイスして
その針みたいなものを打ち込む場所を目で支持するとこなんて
ほんま見所です。
研修医としてこの診療所へやってきた相馬を演じているのが瑛太くん。
彼もまたいいの。ベンベ乗り回しているボンボンなんだけど
案外まっすぐな奴で伊野を尊敬し始めてて研修を終えたら
またこの村に戻って来たいって言うの。この相馬の台詞が
表の部分の伊野をよく言い表していると思う。
「偽医者や」と告白する伊野に対して「資格のあるなしに
関わらず、金のことしか考えてないような自分の父親より
よっぽど本物の医者だ」みたいなことを言う。
そしてここで告白する伊野の台詞が伊野の裏の部分を
よく表していると思った。
だから医療の問題を扱っていることよりも
「人間」を描いているってことの方が印象が強かった。
脚本家の方も監督さんも人間をとてもよく見ているんだなあって。
人の弱さも優しさも狡賢さやしたたかさも
人間てこんなもんだよなあってことを描いていると思う。
医薬品セールスをやっている男を香川照之さんが演じていて
「あちこち回ってると少しずつ知識が身に付いて
手伝ったりなんかすると患者に喜ばれる、直接喜ばれると
やっぱ医者だよなって思う」って、だからずるずる偽医者やってる
伊野の気持ちが分かるって言ってるのもまた印象的だった。
鶴瓶さんは、最初は、あーいつもの鶴瓶さんだとしか思えなかったけれど
中盤からとても惹き込まれた。鶴瓶さんだから良かったのかもと思えた。
いろんな人の力の結集した素晴らしい作品でした。