取材日記

税金のむだ遣いについて取材過程を書いてます。かなりきわどいことも書いてるので他言無用。

架空予算など95件118億円 計算方法が違えば結果も違う。

2005-09-02 | Weblog
しつこいようだけど、今日も予算の架空請求の話。今日の読売、産経、東京新聞の各紙に同じような見出しで架空予算が合計で118億円あったという記事が載っている。

昨日の日記の35億円という数字とかなりかけ離れているが、これは計算の方法が違うと結果も違ってくるという良い例。

どういう計算で118億円になったのか確認してみた。一番、金額の多い事業を例にとってみる。

平成16年度(昨年度)の国際エネルギー消費効率化等モデル事業(名前はどうでもいい)の予算額は約55億円8千万円だった。しかし、実際に使った金額は4千800万円。したがって、55億円8千万円-4千800万円=55億3千200万円が架空予算だったと読売、産経、東京は計算しているのだ。

昨日の日記の計算方法は、この事業の平成17年度予算額は35億9千400万円。そして、今回の見直しを受けて行われた平成18年要求額は31億8千500万円。差額の4億900万円が今回の見直しで減額されたという計算。

要するに読売、産経、東京は平成16年度予算額-平成16年度実績を合計した数字を使っているのに対して、昨日の日記は平成17年度予算額-平成18年度要求額を合計した数字を使っている。

筆者は過去の架空請求の額も大事だが、今回の見直しでどの程度予算が効率的に使われることになるのかを考える方が重要だと考えたからこのような計算方法を使った。見た目の数字が小さくなっても本当に大事なことを伝えることを優先した。