森田のフィルタ

現役エンターテイメント空間演出家による娯楽のアイディア箱

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記98

2006年08月31日 18時24分01秒 | 奮闘記
「現場現場現場⑤ ~人のこと 2.~」
素晴らしいものは、素晴らしい人との出会いで創られます
もちろん、物理的な現実を言えば、それが「数」であり、「質」であり、
結果的には「予算」であったりするものですが、いくら予算があっても出来ないことは山ほどあります。
それが、人との「出会い」と「付き合い方」なのではないでしょうか。

高いお金をもらえるという理由で集まる人と、目的がプロジェクト自体にある人とでは、
創り上げるものが違うかもしれません。請負の立場で言うならば、いかに現場に
「やりがい」を見つけられるか、いかに自己実現目的へ「変換」出来るかが鍵になります。
クライアントともなればその逆で、シンクロするキーワードをいかに投げかけられるかです。

モチベーション管理、目標指針、役割分担
「人をつなぎとめる」為には様々な配慮が必要とされました。
自分は独りよがりだったのだろうか、自分のやり方が間違っていたのだろうか、人は本当に大切だと、
様々な劣等感が巡る時間や、自責を探すタイミングは数多く存在しました。
でも、人は巡るということを「当たり前」だと感じる出来事も、時には必要です。
「このプロジェクトに、こんなすご腕が集まるなんてね。これも熱意の成果だろうな。」
次のステップへ進み行くスタッフは、こんな言葉を残してくれました。

今回は私自身、自分がどんな存在として周りに映っているのかを考える余地はありませんでした。
それが独りよがりなら変えるべきであり、どこか目的と反しているのなら気付くべきです。
でもこうして、周りからの言葉を得られるのは、本当に嬉しいことでした。
これまでも今後も、沢山の人との出会いが確信を作ってくれていることは言うまでもありません。

人との出会いが全てのレベルを上げます。出会いとは、初めて会った一瞬の出来事ではなく、
それ以降の様々な出来事を含めた「ライン」としての人付き合いのことなのではないでしょうか。

                                       2006,08,28

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記97

2006年08月30日 18時16分45秒 | 奮闘記
「現場現場現場⑤ ~人のこと 2.~」
今回は、判断を間違った分のリスクを背負った場面もあれば、
伝え方次第で先が開けていくだろうと感じた場面もありました。
「観る力」の次に重要なのが、「伝える力」です。観る力と伝える力の効果は、直結します

「相手がしたいと思っていることじゃないと伝わらない。」
オープン前日に話したマネージャーの言葉に、ハッとしました。
人は、脳が命令を出して初めて行動に移る。脳が興味を示し、命令を下さなければ行動には移らない。
相手の希望を観て、それについて話の着地点を見つめる、彼は人との話し方についてそう言いました。
お金以上のつながりがあり、「ありがとう」と言いながらお金を払える関係が理想的。
そんな話は、私が人付き合いについて形成して来た考えを「いいのだ」と思えたキッカケでした。

実務経験のあることしか人に頼まない様にしているのも、自らが出来なければ説得力に欠け
経験したことがなければ苦しみを理解できずモチベーションを下げてしまう実感があるからです。
でも果たしてそれは、人を想っているが故の判断だったのだろうか。今一度、感じ直してみました。
実現する為の技術を知るというのは、相手の興味のキッカケをひっぱり出すためなのか。
現実的な方法論をひっぱり出し、一歩踏んでもらうためなのか。この判断のキッカケは、元上司に紹介頂いた、
ディズニーランドはなぜお客様の心をつかんで離さないのか』の著者、芳中 晃さんとのお話からでした。

「最近は「皿を素早く綺麗に洗え」と"言う"だけで、実際にお皿を素早く綺麗に洗う様
 "やって見せられる"人が少ない。私は、現場で一緒にお皿洗いをして教えます。」
その通りだと思いました。口だけでは、人の心は動かせない時があるからです。
一緒にスタートラインに立つからこそ芽生える原動力がある

                                       2006,08,28

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記96

2006年08月29日 17時44分44秒 | 奮闘記
「現場現場現場⑤ ~人のこと 1.~」
人には、ゴールを共有する為の「伝える力」と、実現を実感し成果を受け入れ合える
「褒める力」
をプレゼントすることが何よりではないか。などと思いながらやってみました。

協力者が全員いなくなってしまったら元も子もない
そんな然るべき危機感を感じたのは、仲の良い業者さん達の笑いながらの一言でした。
「私がお付き合いしているのは、個人的に恩ある方々がいるからです。」
「うちのデザイナーが、あの方の仕事はしたくないなんて言っちゃって。」
この頃から業者さんとは、立場関係なく、"遠慮を捨てた付き合い"を心がける様になりました。

「バックヤードの人にもサプライズを与えられる仕事がしたい。」
楽しげなバックヤードが人の心を動かすオンステージを創る
今回目指したのは、そんなチームワークです。
意識が高まった時、責任感が高まった時、親身に感じた時。
「当事者意識」はどの様に生まれるのでしょう。

ディレクターのレベルを示す大きなテクニックは、「人を観る技術」でもあります。
ここで言う「観る力」とは、目の前の人が「何をしたい人なのか」を観る力のことです。
技術はどうか、仕事の取り組み方はどうかというのは、1回の会話で理解出来るとは限りません。
でも、興味は引き出せます
それは、デザイナーを観る時も同様。目の前の人がやりたいと思っているデザインと、
自分達の求めているデザインは、一致するだろうか。目に見えない、フィーリング
大切な世界だからこそ、向かう先や目指しているものはとても重要になって来ます。

                                       2006,08,28

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記95

2006年08月28日 17時26分24秒 | 奮闘記
「現場現場現場④ ~調整のこと~」

「人に興味を持たないものは上がれない。」
調整の全ては、本部長の言っていたこの言葉に集約される。

今回のプロジェクトを推進していく立場となってからは、「ピン」で動くことが増えました。
スタッフが増え、しっかりしなくてはと業務範囲を広げたのがキッカケです。
言われたことをこなすポジションから、進んでやるべきことをこなすポジションへ。
それは表面的に、上司の部下としてではなく、私個人としての顔を見せることになります。
言われたことだけをやっているのではダメだ、自分の思うがままを突き通していたのではダメだ。
リアライズすることが沢山ありました。「半人前」「一人前」の違い。

迷いが生じるのは、自分の業務範囲外と感じる「予想外の仕事」が巡って来た時です。
実際、今回の仕事は「やらなければいけない義務」が10割に対し、
「やりたいと思っていたものの実感」が1割の結果でした。それでも、1割の実感が
かけがえのないものであったことが、10割の義務を難なく受け入れる結果となりました。
そして改めて言われます。「調整こそが、自己実現への道だ。」と。

現実を身体で飲み込むまでには、まだまだ経験も時間もかかりそうなのは確かです。
「それでもやる。」と言い通せる確信や、人々を動かす先への確信、判断結果への確信などは、
経験がものを言うのでしょう。

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記94

2006年08月27日 20時59分51秒 | 奮闘記
「現場現場現場③ ~マネージメントのこと~」
全てが初めての出来事。大変じゃない、大きく変わることはないと自分に言い聞かせました。(笑)
1番の舞台となったのは、マネージメントです。猛スピードで進むプロジェクトに、より近い位置にいる
スタッフからは、日々嘆きの声が聞こえて来ます。私は、その全てを「理解する」ことにしました。

やるべきことが出来ない環境や、時間と業務量に追われたり、形にしなければいけない責任
を負ったりした時のストレスというものは、簡単なものではないからです。
例えそれが一般的な「仕事」という事実であっても、今はそれを伝えるべきではないと感じました。
その場の感情で指摘する様なことはしない。あくまでそれは、ディレクターとしての私の感情だから。

すみませんと言うのなら始めからやらない。こうするべきだと言うなら言う前にやっておく。
さんざん言われて来て、自らの仕事範囲内に関しては、こう思う様になりました。
これからは、どこからどの様に伝授していくかが課題でした。

そして迎えたオープン当日。
お客さまの動線を変える必要があったり、どしゃぶりの雨が降ってきたりと、
秒単位で変化する現場で大切なのは、「臨機応変さ」です。
普段と違う環境では、アセりも倍に感じたりします。
アセっている時に追い討ちをかける様に仕事が舞い込んでくるなんてことはお決まり。
それでも冷静に頭を使えば、効率的に仕事が出来る。現場ではそんなことを実感しました。
解決への近道は、とにかくアセらないこと

例え一緒に働くスタッフ達がそんな状態にあっても、彼らは先を読む意識があり、
どんな場所にも入り込もとする素晴らしい能力があります。私の役目は、自らが
ゆっくり行動し、ここはゆっくりして良い場所なのだということを感じてもらうことでした。

そしてもう1つ心がけたのは、特にテンションを必要とする仕事だからこそ、
悪い雰囲気も吹き飛ばすほどのムードメーカーを目指し、テンションを上げる事。
新たな課題は次々に発生します。責任が一揆に迫って来る時もあります。
それでも「それが責任てもんです!」と笑っていることで、いくら装いの冷静さであっても、
それはどんなレベルまでも押し通せるものだと過信しました。

マネージメントで起こる結果の全ては、あぁ、冷静でいてよかった、という結末につながります。
助けてくれるのは、いつだって人だから

                                       2006,08,25

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記93

2006年08月26日 20時37分37秒 | 奮闘記
「現場現場現場② ~ディレクターのこと~」

「ポケさんがこの現場のディレクターですか?」
現場で初めてお会いしたサウンドメーカーさんにこう言われて、そうかと思いました。
例えば、グラフィックデザインのディレクターはデスク上で指揮します。
作ったものが良いのか悪いのか、どこをどう変えればいいのか
私が今まで一緒にやってきた映像ディレクターも同様です。
でも空間はちょっと、違います。
空間に入り、その場で「人」そのものを動かし、360度を見る目でディレクションする
ディレクションとはその言葉の意味する通り、
部分を指差し、検討して、判断して、伝えることを言います。

でも、今回「ディレクター」に込められていた要素はそれだけではありませんでした。
プロジェクトを邁進させるにはまず、チームの形成が何よりの土台になってきます。
今回はそれも、ゼロ地点からでした。モチベーション管理、目標指針、役割分担
傍らで管理をしてくれるマネージャーはいません。

「人をつなぎとめること」
ここで言う演出・デザインとは作業をするだけのことではなく、人をつなぎとめることそのもの
その為には、自らマネージメントをやり、データ制作作業をやり、調整役もやり、
業者と予算と工程の管理役もやり、現場と共に進めていく
必要がありました。
…ここまでして、ディレクターをやるか。そんな迷いは1度や2度ではありませんでした。
一部となって技術に徹することへの願望が見え隠れしたのも確かです。

私の本質はどこなのだろうと思いました。
それでも、人を引っ張るのは自分と全く関係のない世界だと感じたことはありません。
そもそもこれまでの仕事は、ゆくゆくゼロをイチにする立場を目指すためにやって来ました。
あれから数年。確かに今は、ゼロから考え、伝達し、まとめる立場にいます。
その実感が痛感の量より上回っていたからこそ、迷いの先にはいつも答えがあったのだと感じます。

良いものを作るには人の協力が必要で、理解が深く、思い入れが深く、
深い絆を持てた人との協同が理想的。それを創り上げるのも、今回のディレクターとしての仕事でした。
実際、それが実現したと実感できたのは、照明チームが揃った時でした。
照明のプロデューサーは、ゴールへ向けた希望に技術者としてのプライドを活かしてくれました。
デザインのプライドや、企画力のプライドは、時にクライアントの心を失ってしまいます。
必要とされているプライドを見極め、活かせる人が、多くの需要に愛されるのだと感じました。

この現場は、頭を痛め、体を蝕む仕事でした。
もう一度やりたいかと言うと、今すぐには少しパワーが必要です。
それでも物件はまわって来ます。部に求められているのはスピード。
でも社長は、「これでもかという程こだわれ」と言います。
調整しながらも創作力を継続させる。それが私のプライドなのでしょう。

オープンの立上げが終わった今でも、すれちがう人は皆、お客さまに見えます。(笑)
私には、この人たちを楽しませ、ワクワクを提供する責任がある。そう、改めて感じました。

                                       2006,08,25

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記92

2006年08月25日 20時13分03秒 | 奮闘記
「現場現場現場① ~はじめに~」
来る8月22日(火)。ようやく子供(ディレクションした空間)がオープンの日を迎えました。
感想は、一言で言うと「怒涛」でした。
ゼロから関わった店舗のオープンに立ち会うのは、今回で3店舗目です。
その他、改修や立上げ支援などはチョコチョコとあったものの、
今までのオープンは私にとって、仕事と言う前に「イベント」でした。

オープンはお客さまの姿が見れて感動する
オープンは活気があって楽しい
オープンはたくさんのイベントがあっておもしろい
そんな感想でした。実際、運営という立場ではない私から見ると、
オープンは「ゴール祝福」の様に思えたのでしょう。

でも今回1番感じたのは、「責任」でした
新規事業の立上げ担当者としてオープンに立ち会ったのは私1人。
当然の様に、店舗側からはたくさんの要望が来ます
依頼されたことにただ答えると言うよりは、物事を円滑且つ和気藹々
進めていくための「調整」、すなわち「おもてなし」が1番の業務内容となりました。

現場では、すぐに答えを出さなければいけません
その分、お客さまは計画にすぐ答えてくださります
キャパシティ、マネージメント、調整、デザイン、ディレクション…。
様々な判断事項を一度に被った現場は、目まぐるしさを通り越して「怒涛」でした

現場入りはオープン前日から。
実は、その時私の疲れはピークに達していました。
でも、笑いは心の笑いを呼ぶことを実感していたので、
とにかく人と接し、笑い、疲れをふっとばしました。(笑)
これから書くのは、そんな現場での様々な視点から見た出来事です。

                                       2006,08,23

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記91

2006年08月24日 19時59分05秒 | 奮闘記
「花火職人」
今日は、地元の花火を観て来ました。
こんな瞬間は特に、花火職人さんが素晴らしく見えるものです。

私は、上がった花火はもちろんのこと、花火が上がる発射部分を見るのが好きです。
職人さんの影が感じられて、感動してしまう。
私もあの場にいれる人間にならなくてはと思います。
そして次に見るのがお客さま
感動したり、話題にしたりしているお客さま達を感じると、またしても感動です。

最後に、花火の演出です。連発の仕方や、彩りの取り方
ニコニコマークやハートなどは、定番化して来ていますが、
あの裏に見える、職人さんたちの"楽しませたい"と言う気持ちに、じ~んと来ます。

                                       2006,08,19

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記90

2006年08月23日 19時30分35秒 | 奮闘記
「今一度、企画とは」
人は、技術を取り入れた「形」に初めて目を向ける
企画というのは、それを実現する力量があって初めて成り立つもの。

入社当時、私はさっぱりわかっていませんでした。
企画した案がどんな風に実現されるのかも、どんな偉い人が企画するのかも。
そして、今年の新卒さんが会社説明会の時、私の絵を見て言いました。
「あ。これ、社長さんが面接で言ってたやつですか。」
彼女がこの会社への入社を決めた理由は、"言ったことが形になる会社だから"だそうです。

この会社で散々聞いた言葉。
「こんなの企画じゃない。」それは、当事者意識という言葉に合わせて使われます。
「~がいいと思います。」「~をするといいんじゃないですか。」
そんなの企画じゃない、要望だよ。ということだったのでしょう。
要望を話すと、「やれば?」と言われるのはそんな理由です。
だから今回は、やってみました。
これをやるならこれが必要で、これをこうしてこうしなきゃという段取りです。
実現出来ると確信をした上で、当時社長が考えていた案をより良くするための案
として企画提案しました。

「言いだしっぺが責任者。」…その通りに物事が進みました。
企画とは調整することであり本気で考えることであり責任を負うことであり、実現すること

                                       2006,08,18

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記89

2006年08月22日 23時48分55秒 | 奮闘記
「目が覚めた②」
譲ること、皆協力者だということ、人が満足してやってくれること、
人の歴史に刻まれること、そんなシナジーに本望を感じました

大切なのは、たった1つの「こだわり」
ここだけはゆずれない、でも、他のところは好きにやって欲しい
この場で仕事をしている理由を「仕事だから。」にしたくない、そんな気持ちでした。
あの人の現場は楽しい、あの人の現場に入りたい
始めはもちろん難しくても、最終的にはそんな風に言われるオーラが最高ですね。
少なくとも、今回現場を楽しんで頂いた人たちはそれぞれ「こだわり」があり、
決まった箱内で自分を活かす方法を良く知っていたのではないかと思います。

                                       2006,08,18

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記88

2006年08月21日 23時33分15秒 | 奮闘記
「目が覚めた①」
人とやりとりをする仕事の方が合ってるのかな、なんて感じる時があります。
大変だ大変だと思っていても、いざそこに行ってみるとふとした一言で笑いが起こったりする。
そんなレスポンスを感じると、自然と自分の心も踊っているものです。

8月に入って忙しさもやっと落ち着き、久しぶりの気抜けタイムに、ふと気付きました。
今までの活性剤は「実感」だったのだと言うこと。
感じるはずのストレスを、実感という感謝の気持ちがガードしていてくれたのだと。

謙虚さ。感謝。自尊心に勝る、そんな素晴らしき想いを実感し、伝えたい。
人に寄りかかったまま当事者意識も持てないようではいけないと、
自ら仕事を作っていこうと進んだ先には、

みんなで1つのものを、みんなのものを1つに。
それぞれの力を最大に活かして作ることの尊さがありました。


誰のために、何のために仕事しているのか。それは、会社の事業のため、
お客さまの感動のため、そして最後に、自己実現のためだと感じます。
優先が反転すると、時にそれは「作品」になってしまいます。

空間は、「人」によって作られる
人々とうまくやってくことが、良いもの創りのゴールにつながります。
作ると一言で言っても、直接手で触ることばかりではなく、
口や、手や、表情や、オーラで人を動かし、心を動かして、
大きなキャンパスに彩っていくのが空間作りだったりします。

                                       2006,08,18

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記87

2006年08月20日 23時01分11秒 | 奮闘記
「デザイン監修②」
妥協やこだわりの欠如、時にそんな自分が後ろめたくなったりもします。
今まで見て来たディレクターは確かに、揺るがなかった

時間や予算、作り手への気遣いを捨てる必要があると言われる時もあります。
あのウォルト・ディズニー氏でさえ、ディズニー・ランドを創る時は、
出来上がった一部の現場を全てやり直せと言い、多額な追加費用
多くの退職者を出させたというお話があります。
こだわりの結果、オープン初日はコンクリートがまだ固まっていない場所や、
トイレに我慢出来ないゲストがいて、それはもう大変だったのだとか。

でも今思い返せば作り手にとっては大変なことだったけれど、ディレクターの
こだわり続けたそのゴールは全て、お客さまに良いものを提供する
という目的につながってるのだと言うことを、違う視点から感じました。

                                       2006,08,18

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記86

2006年08月19日 23時43分19秒 | 奮闘記
「人・人・人」
昨日は、2週間ぶりに現場へ行って来ました。
今回は、エネルギーを戻してくれる様な出張になりました。

やはり、現場で感じるのは 「人」 です
人を感じ、集結を感じ、チームを感じ、出会いを感じた日
自分のデザインには、全く満足していません。
でも、出会いには心から満足しています

「暗いから、照明を真っ白にしてもらえませんか?」
現場では、営業の目線意匠の目線が行き交います。
店は明るい方が良い。商品がハッキリ見えた方がいい。
この業界に憧れていた頃、ドキュメンタリーで同じ様な光景を観たことがありました。
何しろ憧れていたので、早くこんな時が来ないかと待ち望んでいた程でした。(笑)

実際には、判断に頭を悩ませます。営業の意見のまま設定すれば、
雰囲気はなくなってしまう。意匠ばかりを気にしていても、
本来の営業効果が消えてしまっては元も子もない。
中途半端なものになることのない様に、営業担当とは前もって入念な打ち合わせを
しておくのですが、現場で新たな要望が生まれるのは珍しいことではありません。

「この黄色味を活かして、目で見る明るさを作ってみましょう。」
「そう、真っ白だと殺風景になっちゃうものね。」

設定した空間には、もちろん照明の色にも意味があります。
結果、ライブエンターテイメント業界の素晴らしいキャリアを持つ方と、
意匠としての意気投合が出来、営業の了解も得られたのが嬉しかったです。

営業的に見る目線の先に、デザインは見えていないことは殆どです。
だからこそ、意匠の責任者は自分の口で変えなければいけません

現場で初めてお会いした、統一された技術を持っている方々を前に、
私がディレクションしました、と紹介した空間を見せるのは恥ずかしいことでした。
徹底出来ているかというと、まだまだそうじゃない
統括しているかというと、どちらかと言えばそんな方向性かなと答えてしまいそうな空間。

それでも、最近はこの施設を観た方々に
「アミューズメントがやりたいんだね。」
「方向性はラーメン博物館の様な感じなんでしょうね。」

と言われたことが、次への自信とつながりました。

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記85

2006年08月18日 23時17分10秒 | 奮闘記
「余裕づくり」
私自身、いやがおうにも現在は、人に目を向けられる「余裕」を広げる
ための実現をしています。早く余裕をつけて、<v>皆でクオリティ高いものを創りたい。
それには、沢山の実行と経験が必要なのだと感じます。

とにかく、考える前にやること

今回も、演出は「技術あって」ということを痛感しました。
直接の表現を創り上げる技術こそが、演出のペンシルとなるのです。
それを言葉だけで伝達するのは難しい。
「演出」と一言で言っても、何を使ってどんな演出をすると言えるようにならなければ、
真のスペシャリストとは言えないのでしょう。

                                       2006,08,16

ポケのイマジネーションドローイング奮闘記 Vol.制作日記84

2006年08月17日 20時17分06秒 | 奮闘記
「プロジェクトの中で」
以前、私たちの作ったアニメーションを観て、こう言ったディレクターがいらっしゃいました。

「我ながらすごい。」

こだわりを持ったデザイナー程、携わった人人を乗り越え、出来た作品を
"自分のもの"を思う傾向があるのかもしれません。

自己アピールではなく、万人を楽しませたい
お客さまが楽しんでくれるものは何か、関わる全ての方が楽しんで出来るものは何か。
そんな追求を日々の課題として、仕事をしています。
まわりからは、腰が低すぎると言われることもあります。でもこれが、私のやり方なんです。

良いものを創る為、物事を進めていくには、何よりも先に「~したい」という希望が必要です。
業界は、アイディアを求めています。統括を求めています。
「~はどうするんだろうね」「~は誰がやるのかな」「あれはこうした方がいいのに」
当事者意識の有無が邁進力に直接影響を与える中、こういった意見はたくさん聞いてきました。
だからこそ、有言実行のみが形を成すのだと思います。

人の意見をまとめるだけではなく、ただ1本のすじに乗ったことを、協力してくださる方々
ゴールをわかりやすく伝えながら進めていくモチベーションを統一するのも1つの役割です。
責任、理解、判断、全てのプレッシャーに覆われる職業です。

実際、今回1番このキーワードを実感したのが、人のモチベーション管理でした。
その人が実現したいと思っていることを理解して、出来る限り発揮してもらう。
誇り高いキャリアとして表現してもらう。
俗に言う「WIN-WIN」の法則には、そんな察知能力が必要とされます。
だからこそ、ディレクターは全てのジャンルの理解をしていなければいけない。

人を評論するのなら、模範解答をやってみせなさい。

私は自分に常にこう言い聞かせています。
希望だけでは叶いません。実現には、それ相応の方法が必要です
そして、ディレクターは、それに関わる誰よりも明確なビジョンがなくてはいけません。
現場は「判断」を求めてきます。誰かが意図して方向性を示さなければ、ゴールは見えてきません
そして、「判断」をする立場になった感じた瞬間が、演出をやっていると実感した何よりの瞬間でした。

「やはりみんなで現場を作り上げるのは楽しいですね。」

現場ではいつも、関わった方々からのこういった声が聞けます。リアルな感動が始まる瞬間です。

                                       2006,08,16