ただ日常をダラダラと‥

車谷長吉の世界を歩く 3

着いたところは、日本医科大学附属病院高度救命救急センターである。もう深夜である。すぐに車椅子に乗せられ、集中治療室で運ばれた。煌々と電燈の輝いた、白々しい部屋である。

飄風より



今だから話そう。
去年のちょうど今頃、アタシは車谷長吉が入院した日本医科大学附属病院で肺癌の摘出シリツをした。
3月の区の癌検診で肺癌の疑いが指摘され病院で精密検査となり、近所にある都立の駒込病院と日本医科大学附属病院の2つのうち(どちらもウチから同じくらいの距離にある)アタシは迷わず車谷長吉が入院した後者を選んだ。
ソコで初期の肺癌と診断されシリツをしたのだが、癌と診断されシリツで取ったモンの病理検査の結果は癌ではなくて過去に起こした炎症の痕(良性のポリープ)‥。
まあ、誤診だよね。
アタシが車谷長吉の本を読んでおらず、都立の駒込病院を選んでいたらモヒかして誤診されず、勿論シリツなんぞされる必要もなかったのでは‥?と思ったりもするが、既に後の祭りで大きな傷跡とすぐにゼイゼイしてしまう身体だけが残った。




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