野の花

ブログ小説、川柳、ジョウーク等です。

都の日暮れ76

2020-01-02 19:58:14 | 日記
友坂理恵は一流企業の航空業界に勤務しているがそれでもいつもセレブに憧れそして実現させようとしている。生まれ育った環境がそうさせているといえばそれまでだが、それは並み並みならぬものであった。それだけに友坂理恵の倉田洋平への思いはただ一つ、ある面では異質の目で倉田洋平を見ているのである。友人は同じ会社の同僚で同中香代子と言った。すこぶる明るい女性だった。洋平も野中もいい女性達に次々に会えて喜んでいた。友坂理恵は来月誕生日を迎えるので洋平にお祝いして欲しいと言った。洋平は喜んでうんとお祝いしてあげます。楽しみにしておきます。と言った。友坂理恵の話しでは宮沢智恵子とは高校時代からの友人でよく会っていると言った。友坂理恵が笑う度に大きな胸が揺れるのが良くわかる。とてつもない豊かな胸をしているとその日もまざまざと感じさせていた。
つづく

都の日暮れ75

2020-01-02 19:56:18 | 日記
週末になった。洋平は野中と例のフランス料理店に行った。客はほとんどいなかった。友坂理恵の姿も見えなかった。洋平達は会社の話しをしながらビールを飲んでいた。野中、スーパーの食材の倉庫と貨物専門船舶会社との業務提携はどうなっているかと聞いた。二つとも難航しているという。ただ長崎県船籍のダイナガ貨物運航会社が業績不振だとの情報があり第二事業部の田掘裕介を折衝に当たらせていると言った。野中、積極的に進めてくれと笑った。暫くして友坂理恵は赤いドレスでやって来た。友人の長沼安子と一緒だった。友坂理恵はかなり強い香水を振り撒いていた。 つづく

都の日暮れ74

2020-01-02 19:54:42 | 日記
週末になっていた。常務、友坂さんと云う女性から電話ですと云う。電話はフランス料理店に行きましょうと云うことだった。洋平は喜んだ。野中と二人で行きますと言った。週末ではあったがまた北海道の生産農家から先に進めていた野菜を中心にした大量仕入れならかなりの低価格で良いとの事だった。週明け社員を行かすので契約をよろしくと野中は言っている。まあまあ倉田総合産業でも積極的な戦略をしていたことになる。
つづく

都の日暮れ73

2020-01-02 19:53:26 | 日記
翌日、倉田洋平は野中を呼んだ。一連の社員の辞表は全て受理する事になっていた。野中、永田人事部長に任せておけ。何とかなる。週末フランス料理店でも行くか。あの友坂理恵さんにも会いたいしな。でも一人では来ないだろうけどねと言った。野中はいや、あの友坂理恵さんのボリュームにはびっくりですね。きっと美容整形を受けていますね、胸のと言って笑った。翌日北海道の生産農家の経営権利の買収について最終的に二億円でまとまった。野中が慌てて洋平に報告に来た。また那覇にイタリアン食材のミニスーパーが五店舗開店している。洋平は各店舗に日曜日にはポイントを通常の五十倍にするよう指示した。
つづく

都の日暮れ72

2020-01-02 19:51:45 | 日記
倉田洋平と永田人事部長は何も言わずに那覇市内にある古いホテルハーバービューに行った。やるせない思いだった。珈琲を飲みながら静かに過ごしていた。そこに野中から洋平に連絡が入った。常務、第一事業部長とその部下数人が今月中に辞表を出したいとの事で人事部長に会いたいそうですと緊張して言った。洋平も慌てた。永田人事部長も慌てていた。倉田友太郎社長が辞める。凄腕の第一事業部長と優秀な社員数人が辞める。洋平は永田人事部長どうしようかと言った。仕方がないですな。後任人事を進めましょうと言った。第一事業部長は別会社を作って独立するのだろうとその時洋平は思った。何、案ずるな、金の力で乗り切るのだと自身に云い聞かせていた。倉田総合産業にもその時嵐が吹き始めていた。
つづく