父の為に流せる涙の理由

今まで良いことは何もしてこなかった父
私も父との思い出は良いものは無い
ただ親だから面倒みてきた

子供は親を選べないし

親も子供を選べない

生まれて来たのはお互い運命

ただ親だから

ただ父親だから

後は何も理由はない

母の様な感情は父には持てないし
母みたいに父を愛してもないし
母みたいに父を好きじゃない

だけど親だから今まで父の世話をしてきた

どんな腐った親でも

親は親だから

自分にそう言い聞かせて
父の世話をしてきた

嫌いな父だけど
今の父を見ているとかわいそうに思える
やっと息をして
やっと生きている

父からは今まで何も学ばなかったけど
歳をとった父からは
生きる事が大変な事だって事を
父は教えてくれてる様な気がする

父から酷い事ばかりされて
散々苦労させられて来たから
父が死んでも絶対に泣かないって
今まで思っていたけれど
こんなに長い事
父の世話をしてきたからこそ
多分私は父が亡くなったら
父に泣いてあげられるだろう
その涙が何の涙かは分からないけど
父が亡くなったら
私は泣くだろう
涙が出るだろう
今は分からないけど
その時
何で泣いているのかが分かるだろう

父がこの世から消えそうになってる
いつかはその日が来ると思ってたけど
そのいつかが現実になろうとしてる
心の準備をしておく時が来たのかな…