豊島家でのアルバイトは なんと 茅葺職人の弟子でした
保管小屋から茅束を担いで 屋根上の仮置き場に
目的の量になれば 師匠の足元に茅束を堀上げる
次が怖い作業に
屋根裏の梁の上に組まれた 杉足場板(幅25cmほど)に行き
安全施設は皆無の中 師匠が屋根上から 荒縄を通した槍を刺し
其の荒縄を外し声を掛ければ抜いて 横木を介して荒縄を掛け直す
ミシンの要領の如く 休みなく繰り返しが続く
豊島家住宅の北面だけの作業でしたが 重労働の連続
寝たら直ぐに朝がやって来る日々
茅葺の師匠(大西康之さん)は 伊勢神宮式年遷宮に参加する
立派な屋根茅業(紀州)の頑固親爺さんで
豊島家の屋根組は「八棟造」と呼ばれる複雑なかたちなので
各業者が辞退し請負が決まらなかったので声が掛かり
仕事を請け負ったと言っていました
昭和49年02月 愛媛県 松山市井門町にて撮影