Co-BusinessMate

作り手、買い手、売り手、送り手、伝え手さんを一綴りに考える。
ビジネス情報共有ブログです。

猫の額で考える(社長編):大きな箱だけが舞台じゃない

2023年10月11日 08時00分00秒 | 猫の額で考えるマーケ


こんにちは。Co-edit 杉本恵理子です。
前2回、注目されるのが超苦手なカカオ部長が、「注目」 について書いてくれました。
「モノを売るには、注目されニャいことには始まらニャい!」 と、カカオ部長は力説しております。

たしかに 「良いモノを作れば売れる」 という時代は、終わりました。
一定の水準に達した製品や食品が市場にあふれる今、ただ 「良いモノ」 というだけでは売れないのです。
Co-edit はこの事実に向き合い
「販売はコミュニケーション」 という考えを軸に、ものづくり企業様の販路拡大をお手伝いしています。

1.目に留まり、注目され
2.興味をもたれ
3.より強い関心を得て
4.共感・好意からファンを獲得し
5.購入され、リピートにつながる

販売は、この5つのフェイズを一段ずつ経由し、エンゲージメントを高めることでしか成立しません。
この一連の流れは 「コミュニケーション」 にほかなりません。
作り手(売り手)と買い手(使い手)のあいだでやりとりされる、人と人とのコミュニケーションです。
リアルな売場ではもちろん、EC、SNS、メディアプロモーションでも同じです。

話は変わりますが、秋は展示会シーズン。
皆さまの中には、出展された方も多いのではないでしょうか?
東京ビッグサイトのような巨大な会場で開催される大型合同展から、個店の小さなイベントまで、私もなるべく足を運んでいます。
コロナが終わって大盛況!という印象もありますが・・・
少し前からなんとなく感じていたことを、今年あらためて確信しました。
それは 「大きな箱ばかりが、出るべき舞台ではない」 ということです。

展示会に出る目的は言うまでもなく、販路拡大の機会づくり。多くの人に知ってもらい、新たな取引先と出会うことです。
ここでもやはり、5つのフェイズを辿ります。
ブースに目を留め、足を止め、興味をもったら出展者とお話し、名刺やフライヤーを持ち帰り、さらに関心をもったら連絡を取り・・・
具体的な商談までつなげることが大切です。

ただ、大規模な合同展、長年続いている展示会の傾向として、こうしたコミュニケーションがだんだん希薄になっているように感じるのです。
目をひくブースはたくさんあります。豪華なディスプレイ、洗練された製品デザイン・・・目が留まります。
けれど、ちょっと足を止めて出展者とお話しても、その先の関心や好感につながらない・・・

たとえば、ブースに立っているのがブランドの当事者ではなくて、請負業者だったり。
せっかく担当者とお話が盛り上がったのに、いただいた名刺が代表者のものだったり。
事後に届いた御礼メールが、合同ブースをとりまとめていた行政の担当課からだったり。
会社やブランドについて、当事者の思いをお聞きしたいのに・・・
担当者のお人柄も含めて、ブランドの魅力なのに・・・
コミュニケーションが成立しなければ、興味にも好感にもつながらず、商談に到達しません。

一方で、小規模な展示会や新しく立ち上がったイベントは、出会いのヒット率が高い気がします。
出展者自身が設営したブースからは、会社やブランドの個性が見え、お話のきっかけがつかみやすく、印象に残ります。
コンパクトな会場はじっくり回ることができます。
全体のコンセプトが明確で、出る方も来る方もターゲットを定めやすくニーズが合致しやすい。
ニーズが合えばコミュニケーションが成立しやすく、商談の確率は上がります。

もちろん、大型展示会には多くのメリットがあります。
まず来場人数の桁が違う。その分プロモーション効果は高く、出会いの「分母」は大きいでしょう。
セミナーや個別商談会など、関連イベントも充実しています。
ただ、箱が大きくなるとどうしても個々のコミュニケーションが希薄になり、興味~好感まで到達しづらく、打率を上げるのが難しくなってしまう。
これは展示会に限らず、大型商業施設やマスメディアにも通じることではないでしょうか?

箱が小さくても、お客様のニーズを捉え、しっかりコミュニケーションできれば、販売確率を上げることができる。
ただし、コミュニケーションを怠ったら、元も子もないのですが・・・
傍らで、コミュ障のカカオ部長もうなずいております(笑