東京都 脳腫瘍・頭痛・偏頭痛・腰痛・下肢痛・神経ブロックのペインクリニックの山本クリニック 世田谷 

このブログでは山本クリニック脳神経外科・神経内科相談掲示板から御参考になる過去の御相談と御回答を掲載致します。

「ふわふわ感」について 

2006年03月19日 15時50分01秒 | Weblog
#1
##1

33歳 女性 大阪在中 別居中子供なし

2年前、左耳が聞こえにくくなり、
一度ものすごい回転性のめまいがありました。

その後何度か軽い回転性のめまいがあったものの
難聴と回転性めまいは回復。

しかし、その後、ふらつきが残りました。
そして一番つらいのは頭を枕に乗せると、
船に乗っているような頭がふわふわしたり、
ひっぱられているような感じがでてきたことです。

CT,MRI,耳鼻科のレントゲン異常なしでずっと、
心身症(自律神経失調症のようなもの)として、
ソラナックスやメイラックス、
又フワフワして寝付けないので、睡眠薬も服用していますが、
服用後、少しは楽になるものの治る気配はありません。

ある遠方のめまい科では
小脳虫部症候と仮性ダンディー性という診断
(問診、眼振、動揺検査あり)で、
通院は遠方で無理のため
近辺の大学病院の神経内科にそのことを言うと、
「MRIに全く異常ないので、そのような病気ではない」、
とのことでした。

又ある別のめまい科では
「眼振によりメニエルの痕跡はあるがフワフワ感が残ったりしない。
又小脳虫部症候とは縦にながれるめまいであり、
私のめまい(縦というより横に流れたような)とは違ったのでは?
重心動揺検査からみても正常の範囲内の体の揺れで仮性ダンディー性でもない、
自律神経失調症では?」という診断でした。

こちらの相談者の方の緊張型頭痛という
病名に症状がよく似ているような気がします。

どうか相談にのってください。

症状の特徴を明記します。

・左の頭のほうがふわふわ感、引っ張られ感が強い。

・生まれてから30歳まで大阪在中、神奈川県に引越し
(飛行機の騒音激しい場所でした。)1年後に発症、発症後はすぐ大阪に帰る。

・フワフワ感が強いと、吐き気もある。

・治ってきたかと思うと、又ひどくなったりする。
ストレスをうけると、症状悪化。

・生理前、生理中も症状悪化する気がする。
又30歳頃から不正出血あり。
(婦人科の診断は異常なし、精神安定剤の影響か?
とのことで特に治療していません。)

・たまに耳塞感あり。

・最近肩こりもかなりある。

・結婚3年目で発症、夫婦関係うまくいかず、
ストレスなどためていたと思う。

・大きな病気はこれまで一切したことがありません。

ただアレルギーは少しあり小さい頃、
ぜんそく、アトピー、大人になり、鼻炎ぎみになったくらいです。

現在の治療方法をこのまま続けても完治する気があまりしません。
2年も治らずふわふわの症状が特に悪い時は泣いてしまうほどつらいです。

将来子供も望んでいますし、早く治したい気持ちでいっぱいです。
お忙しいとは思いますが、相談にぜひのって下さい。
よろしくお願いいたします。」
との事です。


#2
##1
御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。

##2
御相談者は「肩こり・頸こり・背中こり」」を御持ではないでしょうか。

##3
もしも御相談者に「肩こり・頸こり・背中こり」」がお強い様であれば。

##4
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」をお持ちであり
「緊張型めまい感」(あだ名です)の「症状・症候」であると
解釈致します。




#3
##1
「ある遠方のめまい科では
小脳虫部症候と仮性ダンディー性という診断
(問診、眼振、動揺検査あり)で、
通院は遠方で無理のため近辺の大学病院の神経内科にそのことを言うと、
「MRIに全く異常ないので、そのような病気ではない」、とのことでした。」
との事です。

##2
御相談者の御相談内容要旨御記載からは
「小脳虫部:しょうのうちゅうぶ」の「症状・症候」は全くみあたりません。
=>即ち
「体幹部失調:truncal ataxia」の「症状・症候」
の御記載はみあたりません。

##3
「仮性ダンディー性という診断」との事です。

##4
「中枢神経系先天奇形:CNS-anomary」である
「Dandy-Worker症候群(DWC)」(ダンデイーウオーカー症候群)
にはtype(タイプ)1・2・3・(4)があります。

##5
「Dandy-Worker症候群(DWC)」
(ダンデイーウオーカー症候群)の「病態」は
いずれも「画像診断」にて診断を得る「病態」です。

##6
「仮性ダンディー性という診断」の
「仮性ダンディー性」という用語について。
=>##7

##7
適切な表現が思い浮かばないのですが
このような
「臨床神経診断学」用語は全く存在しません。
不思議です。




#3
##1
典型的な
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
及び
「緊張型めまい感」(あだ名です)で御座います。

##2
「耳鼻科疾患」「自律神経失調症」「メニエル症候群」
「更年期障害」「頚椎の疾患」「うつ状態・うつ病」・「心療内科の疾患」
等ととよく間違えられます。

##3
皮肉なことに脳MRIから「脳神経外科専門医」の疾患である
「キアリ・アーノルド奇形」「脊椎空洞症」等と間違われます。

##4
「Dandy-Worker症候群(DWC)」
(ダンデイーウオーカー症候群)の「病態」が
が「緊張型」で「強調される事例」は極めて少ないです。

##5
もうお読みになられているかもしれませんが。
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
特徴につき「補足1」に。
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
「症状・症候」発生の時間依存性につき「補足2」に。
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
「緊張型めまい」(あだ名です)につき「補足3」に。

御記載致します。御参考になれば何よりです。





#4結論:
##1
御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。

##2
御相談者の御相談内容要旨御記載からは
御相談者御指摘のように
「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
出御座います。

##3
「緊張型」

治療法ですが筋肉を柔らかくする即効性・持続性のお薬を内服、
外用薬も用いて場合により神経ブロックを施行いたします。
(「神経ブロック」といっても
星状神経節ブロック(SGB)」は全く「効果」がありません)

##4
しっかり治されるためには「頭痛」「機能性末梢神経障害」にお強い「脳神経外科専門医先生」「ペインクリニック専門医先生」
を御受診されるのが宜しいと考えます。

##5
但し「脳神経外科専門医」の先生の中にも「頭痛系の疾患」
が苦手な先生のいらっしゃいます。
このことは何卒覚えておかれて下さいませ。

##6
一刻も早く御相談者の「症状・症候」が寛解される日の来られる事を・
一刻も早いご回復を心より御祈り申し上げます。


##7
何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。