越澤明(越沢明)と都市政策、歴史・文化のまちづくり

歴史・文化の都市づくり、都市再生、危機管理を取り上げます。Prof.Akira KOSHIZAWA,PhD

京都市広報2017年3月8日  京都市:「古都保存法施行50周年記念シンポジウム」を開催しました!

2017年09月18日 | Weblog

写真著作権 京都市役所

http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000215246.html

京都市:「古都保存法施行50周年記念シンポジウム」を開催しました!

2017年3月8日

「古都保存法施行50周年記念シンポジウム」を開催しました!

 平成28年は,古都保存法が議員立法として制定されてから50年という記念すべき節目の年でした。これまで,古都保存法の理念に基づき,自治体や寺院,その他の様々な主体が適切な管理を行ってきたことで歴史的風土が保存され,現在では貴重な観光資源として多くの方々の心を魅了しています。しかし一方では,歴史的風土を構成する樹林地や農地等の自然的環境や景観の変化等により,古都の風土を取り巻く状況に新たな課題が生じてきています。

 改めて,古都保存法がこれまで保存区域やその周辺の景観保全に果たしてきた社会的な意義及び役割を振り返るとともに,今後の古都保存行政のあり方について,展望すべき時期を迎えています。これを受け,古都保存行政を担う自治体により構成する「古都保存連絡協議会」では,古都保存の普遍的価値を次世代に継承していく機運を高めるとともに,各自治体における代表的な取組,関係者や有識者からのメッセージ等を広く発信するため古都保存法施行50周年記念シンポジウムを開催しました。
古都保存法とは

 全国的に都市周辺の丘陵地等で開発行為が激しくなった昭和30年頃,宅地開発の波は,京都や奈良,鎌倉の古都にも及ぶようになりました。特に昭和39年に生じた京都の双ケ岡及び鎌倉の鶴岡八幡宮裏山の開発問題は,古都の景観を守ろうとする世論を高め,それらを背景にして,当時の知事や市長らが働きかけ,昭和41年に歴史的意義が高く景観上も重要な地域を保存するため,議員立法として,「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(古都保存法)」が制定されました。

古都保存法施行50周年記念シンポジウムについて


 平成28年12月10日に京都嵐山の小倉百人一首殿堂・時雨殿において,古都保存法施行50周年記念シンポジウム「古都の保存・継承における次世代への展望」を古都保存連絡協議会の主催,古都保存連絡協議会加盟自治体との共催,国土交通省,(公財)古都飛鳥保存財団の後援で開催し,一般参加者,関係団体,関係自治体を含め,180名の参加がありました。

[第1部 シンポジウム]

オープニングセレモニー 舞妓・芸妓による舞の披露(上七軒)

 オープニングセレモニーでは京都の伝統文化である舞が披露されました。



演目:「御所のお庭」「北野小唄」
.
開会挨拶


 古都保存連絡協議会代表委員の門川大作京都市長から開会の挨拶がありました。

報告 「古都保存に関するこれまでのあゆみ・今後の取組」


 国土交通省の梛野良明大臣官房審議官から,古都保存法がこれまで保存区域やその周辺の景観保全に果たしてきた社会的な意義や成果の報告があり,今後の古都保存行政のあり方について,行政だけではなく,多様な主体との連携・協働の推進による古都保存の維持,向上に向けた取り組みを進めていくべきとの提言がありました。

パネルディスカッション「古都の保存・継承における次世代への展望」

 パネルディスカッションでは,古都にゆかりの深い,公益財団法人鎌倉風致保存会理事長 兵藤芳朗氏,京都市「DO YOU KYOTO?」大使 鈴鹿可奈子氏,東京藝術大学名誉教授(洋画家) 絹谷幸二氏,門川大作京都市長の4人のパネリスト,コーディネーターには北海道大学名誉教授 越澤明氏を迎え,「歴史的風土の保存」の意義・成果や古都保存行政の今後の課題,さらに歴史的風土の価値を次世代へ継承していく上で必要な考え方や取り組みについて提言を受けました。

門川 大作 氏


 古都保存法がなければ,古都指定都市の観光資源も守れなかった。そういう意味では,古都法は偉大な法律である。古都法制定時に立ち返って,自然・歴史・文化を大切にし,志を同じにする多くの皆さんと頑張っていきたい。文化で日本を元気にしていきたい。

絹谷 幸二 氏

 古都を残すということは,日本の文化を残すということである。伝統を守るだけでなく,伝統の中に新しいエッセンスを入れることにより,古都は輝き続けていく。

鈴鹿 可奈子 氏

 私自身も海外に留学して初めて京都の魅力に気づいた。古都の美しさや素晴らしさをもっと身近に住む京都の人も知る必要がある。50年後,100年後の未来の子供たちに何を残せるのか。真剣に考えていかなければならない。

兵藤 芳朗 氏

 鎌倉風致保存会の活動・実践を通して,市民の皆様や来訪者の方に緑の大切さ,自然や歴史,文化財との触れ合い,保全活動の重要性を肌で感じていただきたい。これからも活動を続け,古都を守っていきたい。継続は力なり。

越澤 明 氏

 歴史の持つ力,文化の持つ力が重要であるということがパネリストの共通の意見であった。これまで古都保存法により,日本の良さが守られてきた。これからも古都法指定都市が先頭に立って,歴史と文化のまちづくりを引っ張っていってほしい。



右から,国土交通省 梛野良明大臣官房審議官,
公益財団法人鎌倉風致保存会理事長 兵藤芳朗氏,
北海道大学名誉教授 越澤明氏,
東京藝術大学名誉教授(洋画家) 絹谷幸二氏,
京都市「DO YOU KYOTO?」大使 鈴鹿可奈子氏,
門川大作京都市長
.
閉会挨拶

 古都保存連絡協議会委員の小林昭鎌倉市副市長から閉会の挨拶がありました。

最新の画像もっと見る