アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

『ハーティー 森の神』でひととき避暑気分

2022-08-02 | インド映画

今日も、ものすごい暑さでしたね首都圏。昨日の午後はクーラーを入れて自宅で仕事をしていたのですが、それでも右腕の掌から続く部分にアセモがパーッと出現してびっくり! パソコンの上にずっとかざす格好になっていたので、熱で毛穴がふさがってしまってたのでしょうか。夜になるとモーレツなかゆさで困りました。それに懲りた今日は、一番暑い午後の時間は映画館に「避暑」に行くことにしました。もちろんお目当ては、オンライン試写でしか見ていなかったインド映画『ハーティー 森の神』(2021)です。シネコンの大画面であの山の景色を見たら、幾分かは涼しくなるはず、と思って昼過ぎに出かけたのですが、一歩外に出ただけで、パン焼き窯の中かここは! と思うような暑さ、いや、熱さで参りました。「高齢者は外出を控えて...」というご注意、まったくごもっともです。

よく冷えたシネコンの小さめの劇場は、3割ほどの入りでした。昨日は8月1日、明日は水曜サービスデーでどちらも料金が安くなるため、混むかもと思って今日にしたのでしたが、観客同士の距離が十分にあってシメシメでした。いつでもシニア料金で見られるありがたさ、ですね。というわけで、冒頭からインドの山地の360度パノラマを堪能した(ジャールカンド州の山地でしょうか? かなり標高が高い感じです)のですが、実際の撮影地はもう少し低地のようで、生えている木が違う感じです。その後に登場する、ドローンで真上から撮影された山の風景は、1本の木がカリフラワーかブロッコリーのように見えて、とても面白いです。これは多分広葉樹林帯の景色であろうと思いますが、カリフラワーがたくさん集まっている風景は壮観で、思わず手を出して引っこ抜きたくなってしまいました。

大画面で見ると、象の迫力も一段と増します。上の写真は、クムキ(囮の象のこと)として連れてこられたチョートゥー(チョトゥ)で、その象使いが左にいるシャンカル(プルキト・サムラート)なのですが、この象牙があとで悪人たちの関心の的になったりするんですね。チョートゥー以外の出演象たちには雌象が多く、それがわかるのが、最初の方で象たちが水飲み場に姿を現すシーンです。それぞれの象の姿にかぶせて、ヒンディー語文字で名前が出てくるのですが、子象のボーラーを除いてみんな女性名でした。ここの名前をカタカナ表記にするお手伝いしたので、名前が読みやすく出してあってホッとしたものの、日本の観客はそれを読んでも女性名だということがわからないですよね...。カタカタ表記の後に♀印を入れてもらえばよかったかも(ボーラーは♂印)、とちょっぴり後悔しました。でもまあ、象の性別はストーリーには直接関係してこないのでよけいな情報になるかも知れず、これでよかったのかも知れません。

今回大画面で見直してみて、もう少し脚本が上手に書かれていたらよかったのに、とちょっと残念でした。いいシーンは多いのに、流れがいまひとつというか、もっと面白く作れたはずでは、と思う点が目に付きました。コロナ禍で撮影が途切れたりして、いろいろ大変だったのかも知れません。でも、ラーナー・ダッグバーティはこれまでにないキャラクターの演技を見せてくれて、これはこれで見応えがあることから、ラーナーさんファンの方は120%満足できると思います。え? 格好がちょっと汚いって? 森の神ですから、これぐらい野性味がないと、ということで許してあげて下さいね。実物に近いラーナーさんが見たい方は、ショップで販売されているパンフレット代わりのポスタグラム(¥400)をお求め下さい。この記事の最初に使った画像のシーンなんですが、デザイナーさんの修正がうまくて、下のようにステキなラーナーさんがアップで迫ってきます。

ポスタグラムというだけあって、開くとA2判大のポスターになります。上写真がその4分の1で、全貌が見たい方は公式サイトをどうぞ。このラーナーさんを表にしてたたんであるため、ファンの方はA4判が入る袋を用意していき、汚さないようにお持ち帰りいただければと思います。その他、裏側というか、折った中側に当たる面にも、ラーナーさんの写真が満載です。8月4日(木)の舞台挨拶はオンラインなので、これにサインをもらうことができないのが残念ですが、全員が持っていて、バッとかざして見せたら壮観かも知れません。あと、ラーナーさんの右側に当たるページも凝っていて、ヒンディー語文字(デーヴァナーガリー文字と言います)でタイトルが書いてあるのですが、象の牙が覗く上、象の皮膚みたいな地模様にしてあるデザインなのです。「デザイン:ドラゴンフライ」とありますが、スグレモノのトンボさんですね。このタイトル部分もスキャンしてしまいしょう。

なお、「हाथी」こと「ハーティー」を主人公の名前と勘違いしている人がいる、と友人が教えてくれたのですが(ツィートを見ていて気づいたのだとか)、「ハーティー」は「象」のことです。「イー」という語尾の単語ではありますが男性名詞なので、厳密に「雌象」と言いたい時は「हाथिनी(ハーティニー)」を使います。ついでながら上のヒンディー語単語を解説しておくと、「हाथी(ハーティー/象)」「मेरे(メーレー/私の)」「साथी(サーティー/友人、仲間)」で、「象は私の友だち」となります。では、4日のオンライン舞台挨拶に参加される皆さん、ラーナーさんにどうぞよろしくお伝え下さい。このブログへのコメントで、当日の様子などを教えて下さると嬉しいです~♥。

 


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