アジア映画巡礼

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『ガリーボーイ』発見ノート③いよいよ公開!素敵な脇役にもご注目!!

2019-10-18 | インド映画

2019年期待の1作、インド映画『ガリーボーイ』がいよいよ今日、18日(金)から公開です! 皆様、もうお席の予約は済みましたね? 大画面で、爆発するMade in Indiaラップの数々をお楽しみください。公式サイトはこちらです。


この映画、もちろん主演のランヴィール・シンとアーリアー・バットの目の覚めるような演技(文字通り。特にアーリアー・バットの演技が衝撃的です)は最大の見ものなのですが、脇を固めている助演陣にも魅力的な人がいっぱい! 公式サイトにも、MCシェール役のシッダーント・チャトゥルヴェーディー、スカイ役のカルキ・ケクラン、ムラド(ランヴィール・シン)の父親役のヴィジャイ・ラーズ、そしてムラドの友人モイン役のヴィジャイ・ヴァルマーの紹介がアップされていますので、まずはこちらをご覧下さい。


中でも、超注目株なのは、MCシェール役のシッダーント・チャトゥルヴェーディー。テレビドラマに出演していて、その打ち上げパーティーでゾーヤー・アクタル監督の目にとまり、「あなた、俳優なの? うちの映画のオーディション、受けてみない?」と監督直々に声を掛けてもらって採用となったのだとか。テレビドラマもチラと見てみたのですが、『ガリーボーイ』に比べると全然オーラを発していません。こちらの「Inside Edge」予告編で確認してみて下さい。ルーキーのクリケット選手役で出ていますが、エッジが薄いです...。でも、その薄さがピッタリだったのが以下のCF。『ガリーボーイ』で一躍人気者になったので、今後CF出演も増えることでしょう。

Coca-Cola Brotherly love Siddhant Chaturvedi

続いては、ムラドのウラ彼女というか、ムラドたちの住む世界と違う世界に住んでいながら、ムラドに惹かれていくお嬢様音楽プロデューサー、スカイを演じたカルキ・ケクランです。日本では『マルガリータで乾杯を!』(2014)で知られていますが、アート系作品への出演は、ティロタマ・ショーム、ギーターンジャリー・ターパーと並んで多い人です。最近大きな注目を浴びたのは、ボーイフレンドであるイスラエル人ピアニストの子供を妊娠中、と発表したニュース。未婚の母(表現が古い?)となるようで、おそらく後日子連れ結婚式を挙げるのでは、と思います。カルキ・ケクランは両親がフランス人のせいか、インド人女優よりも結婚に対する考え方が柔軟ですね。


そして、ムラドの両親を演じたお二人についても少し。父親役ヴィジャイ・ラーズは、『モンスーン・ウェディング』(2001)や『デリー6』(2009)など、よく見かける感じがする俳優ですが、今回も熱演を見せています。特に、母親役のアムルター・スバーシュとのからみが圧巻で、演技の火花が散るようです。


このアムルター・スバーシュですが、最近になって思い出したのが、昨年TUFS Cinemaで上映されたインド映画『あるがままに』(2013)で象使いの女性の役をやっていた、ということ。下の『あるがままに』のポスターで、左下に写っている女性です。マラーティー語映画を中心に、演技達者な女優として知られいてる人のようで、今後ボリウッド映画でもたびたび見かけるようになるかも知れませんね。


ボリウッド映画といえば、「あ、このおばあちゃん、どこかで見た!」と思われる方が多いはずなのが、ムラドの祖母役のジョーティー・スバーシュ。そうです、『パッドマン 5億人の女性を救った男』(2018)で、主人公ラクシュミ(アクシャイ・クマール)の母親役を演じていた人です。今回は、欧米人のスラムツアーのガイドからお金を取り立てるがめついおばあさん役ですが、ここでもう一つ「あれ?」が発生。アムルター・スバーシュにジョーティー・スバーシュ、何と姓が同じではありませんか! それもそのはず、アムルターはジョーティーの実の娘なんです。映画の中では嫁と姑でしたが、現実には実の母子、親子共々演技派の女優さんとは。いいキャスティングですねえ、ゾーヤー・アクタル監督。


そして最後は、ムラドの3人の親友たち。自動車泥棒をやってのけるモイン(ヴィジャイ・ヴァルマー)に、気の弱いサルマーン(ナクル・ローシャン・サハデーウ/上写真)、そしてベネトンのショップ勤務のリシ(ラヒール・ギラーニー)。リシだけがヒンドゥー教徒ですが、ダラヴィのスラムの若きギャングども、という感じで、ムラドとサルマーンの通う大学でのシーンや公園というか遊び場でのシーン、それにリシの勤務先のショップに押しかけて騒ぐシーンは、いかにも青春してる感じで微笑ましいです。ショップではNASとの興奮する「出会い」があり、ここでふにゃふにゃとラップもどきをやってみせるモインは、とてもチャーミングです。

Monsoon shootout film poster.jpg

モインを演じたヴィジャイ・ヴァルマーは、公式サイトでも紹介されていますが『モンスーンの銃撃戦(Monsoon Shootout)』(2014)で一躍注目を浴びた男優で、この「人生巻き戻し」映画の奇妙な魅力と共に、大物俳優ナワーズッディーン・シッディキー相手に存在感を示したヴィジャイ・ヴァルマーを人々の記憶にとどめることになりました。そして、『マントー』(2018)でもまた、マントー役のナワーズッディーン・シッディキーに話しかける青年という役を演じたヴィジャイ・ヴァルマーですが、これからの成長が楽しみな俳優の1人です。

そんな魅力的な俳優たちが劇場で待っている『ガリーボーイ』。全編ラップ漬けの快感も味わいながら、ぜひ楽しんできて下さいね!

<追記>『ガリーボーイ』のゾーヤー・アクタル監督と共同脚本のリーマー・カーグティー(彼女も監督で、すでに3本作品を世に出しています)へのインタビューが、「BANGER!!」にアップされました。ぜひこちらもご覧下さい!

 



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