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聴刻堂日乗

「安楽死のできる国」(三井美奈)

この本は、安楽死とオランダに
ついてのノンフィクション。
筆者は読売新聞の記者だ。

安楽死の是非は難しい問題だ。
キリスト教、特にカソリックでは
自殺は許されない行為とされる。
また、ナチスの忌まわしい優生思想
への警戒もある。

安楽死に反対する人はこう言う。
「人の生は苦痛や試練を含めて与え
られたものであり、最後の瞬間まで
生きねばならない」

安楽死に賛成する人はこう言う。
「人生は自分で作り上げるもの。
人生は死によって完結するのだから
自分で最期の選択をする自由を認め
るべきだ」

これらの考えは永遠に相容れない。
だが、両方の考えが存在することを
認めた上で、社会をどうするか。
そう考えられることが凄いと思う。

オランダでは売春も麻薬も法律で
認められているらしい。

禁止しても、闇取引は消えない。
ならばいっそ一定範囲認める代り
ガラス張りにして管理しよう。

安楽死も同様の考え方だそうだ。
観念的な善悪よりも、存在を公認
して管理可能にしようとする。

なんと現実的な思考の国やろか。
日本と随分違ってオトナやなぁ。

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